医療用ガスの配達はきつい?それとも楽?給料・休日・仕事内容など詳しくご紹介します
医療用ガスの配達は、医療機関や在宅医療を受けるお宅に対して、医療用ガスのボンベを届ける仕事です。
医療や介護といった需要の安定している業界で働けるため魅力のある仕事ですが、一方できついという噂も耳にします。
そこで今回は、医療用ガスの配達がきついのか楽なのか知りたいという方のために、仕事内容や給料について調べてみました。
Contents
医療用ガスの配達について
まずは医療用ガスの配達がどのような作業を行う職業なのか、また仕事をするためにどのような資格が必要になるのかについて確認しておきましょう。
医療用ガスとは
そもそも医療用ガスとは医療目的で使われる気体の総称であり、その中にはいろいろな種類が含まれます。
たとえば
- 酸素療法や人工呼吸・・・酸素
- 麻酔用・・・・・・・・・笑気ガス
- 冷却や低温治療・・・・・窒素ガス
などが使われますよね。そのほか、
- 二酸化炭素
- 炭酸ガス
- 酸化エチレン
- ヘリウム
といった物質が用途に応じて必要とされます。こうしたガスの詰まったボンベを搬送するのが医療用ガス配達の仕事です。
ちなみにボンベのサイズも様々で、大型のものから手で持てるくらいの小さなものまで、用途やガスの種類に応じたバリエーションがあります。
医療用ガスの配達先は?
医療用ガスはどこからどこまで配達されるのでしょうか。
まず出発地点ですが、これは当然ながらガスメーカーです。メーカーの工場や倉庫、物流センターなどで医療用ガスのボンベを積み込み、目的地へ向かって出発します。
そして、目的地となるのは医療現場です。候補としては
- 病院
- 在宅医療を受ける個人宅
- 介護施設
が挙げられるでしょう。
医療用ガスの配達に必要な免許
医療用ガスの配達はトラックに乗務する仕事ですから、運転免許を所持していることが大前提となります。問題は、どの運転免許を取得すればよいのかということ。
医療用ガスの配達は先述のとおり病院や介護施設を回る仕事ですから、小回りの利くトラックが用いられます。大型トラックの出番はほぼなく、2トン車~5トン車が使われる傾向にあります。
したがって、必要なのは中型免許ということになります。
もっとも、免許に関しては入社後に取得支援を受けられる会社も多数あります。求人に応募する段階では必ずしも必須ではない、ということは覚えておいて損がないでしょう。
医療用ガスの配達の仕事内容と給料
医療用ガスの配達の仕事内容について、もう少し詳しいところまで見ていきましょう。
一日の流れ
まずは一日のおおまかな流れを押さえておくことにしましょう。
一般的なドライバー職と同様、朝に会社へ出勤。点呼と車両点検を済ませたら、ガスメーカーに向かって出発します(ガスメーカーの直属ドライバーの場合は直接積み込み作業に入ります)。
ガスメーカーの拠点でボンベの積み込みが終わったら、いよいよ各医療現場を回って荷下ろしです。このとき、ボンベの交換を行います。このとおり、医療用ガスの配達というのは、つまるところルート配送の仕事なのです。
ただし、他のルート配送ドライバーが営業を兼ねている点とは違って、医療用ガスの配達ドライバーはあくまでも配達・交換作業のスタッフであることが多いです。
勤務時間
医療用ガスの配達ドライバーの勤務時間は、始業が8:30~9:00、終業が17:00~17:30といったところ。一般的な企業とさしたる違いはないと言えるでしょう。
ルート配送と聞いてお察しの方もいらっしゃるかもしれませんが、目的地である医療現場の営業時間内でなければ搬入がそもそもできませんし、個人宅への配達であればなおのこと遅い時間に行くわけにはいきませんよね。
したがって、ドライバーの稼働時間も常識の範囲内に自動的に収まるわけです。
休日・残業
日曜日と祝日は基本的に休日となります。土曜日の扱いは会社によって異なり、たとえば
- 第二土曜日と第四土曜日など隔週で休日になる
- すべて休みになる
- 土曜日出勤の代わりに他の曜日が休みになる
などのパターンと様々です。気になるのであれば応募時に確認しておくとよいでしょう。
また、残業はほぼありません。先に述べたとおり、遅い時間に走っても医療現場の営業時間外であっては意味がないからです。
医療用ガス配達業務の給料
基本給または時間給の下限が16万円ほど。昇給していけば25万円を超えることもあり、そこに各種手当が加わります。年収の相場で言えば350~450万円の範囲です。
裕福とまでは言えないにせよ、それなりに余裕のある生活を送れる収入ではあるでしょう。残業の少なさからプライベートの時間をある程度確保できるであろう点も考慮すれば、十分な水準と言ってよいのではないでしょうか。
医療用ガスの配達が楽といわれる理由
医療用ガスの配達は楽な仕事だという意見もあります。その理由をいくつか見ていきましょう。
安定した業界で働ける
非常に重要なこととして、業界が安定しているということが挙げられます。
ただでさえ日本は稀にみる医療大国ですし、昨今の高齢化に鑑みて、医療用ガスの需要が今後高まることはあれど減ることは考えにくいでしょう。当然、そのガスを医療現場に配達する仕事の需要もなくなることはありません。
景気の変動を受けにくい業種ですから、急なリストラに遭ったり、所属企業が倒産したりといったリスクは他の業界に比べて低めです。
ルート配送なので慣れると楽
業務内容がルート配送であることも、医療用ガスの配達が楽であるという意見の根拠としてよく聞かれます。
ルート配送は毎日決まったルートをなぞるように巡回する仕事です。慣れてしまいさえすればあとはルーチンワークですから、難しいことを考える必要はまったくありません。
一人で仕事ができる
ドライバー職全般に言えることですが、一日の大半をトラックの中で過ごすことになりますから、必然的に一人の時間を多く確保できます。
目の前で上司などに監視されているわけでもないので、自分のペースで仕事ができますし、音楽やラジオを聴いていても咎められることはありません。
年齢・学歴不問の会社も多い
医療用ガスの配達ドライバーに年齢の上限や学歴の要件はありません。運転免許を所持していて、かつ体力のある人であれば誰でも就ける仕事であり、その意味でハードルが低いと言えるでしょう。
ただし、近年では高齢者ドライバーによる事故が問題視されています。年齢に関しては今後条件が絞られてくる可能性もあるでしょう。
医療用ガスの配達がきついといわれる理由
一方で、やはり医療用ガスの配達はきついという意見も少なくありません。どういった理由できついと感じられているのかを見ていきましょう。
休日が少ない
真っ先に指摘されるのは休日の少なさです。医療用ガス配達ドライバーの年間休日は100日~110日前後と、他の業種に比べてやや少ない傾向にあります。
先にも述べましたが、土曜日が休みにならない会社も多いです。週末の連休に期待できないため、どうしてもまとまった休みが欲しいという方には向いていません。
責任感
医療用の荷物を扱う都合上、ドライバーにも相応の責任が伴います。
ガスの配達が遅れれば患者の容体にかかわるかもしれませんし、ガスという荷物の性質を考えれば交通事故に遭った際には重大事故に発展してしまうかもしれません。
プレッシャーの中で慎重さが要求される仕事であると言えるでしょう。
ボンベの積み下ろしが大変
大型のガスボンベは重く、70kg以上に達することもあります。
運搬機器を使うにしても、積み込みや積み下ろし、交換の際には肉体的に負担がかかることが大いに考えられます。体力のない人にとってはきつい仕事になる可能性は否定できません。
とはいえ、入社の際には社員教育でサポートしてもらえますし、そこで作業のコツを掴んでしまえば辛さを感じなくなることも少なくありません。
まとめ
医療用ガスの配達は責任感を伴う仕事ですが、慣れてしまえばルート配送と同じ要領でこなすことが可能です。
門戸は広く開かれていますから、興味があったら応募してみるとよいでしょう。