フォークリフトの点検は法律で定められている!決められた点検をしっかり行おう!
2019/02/15
多くの業界で荷役作業に欠かせない存在のフォークリフト。そんなフォークリフトには法律で定期的な点検が定められていることをご存知でしょうか。
そこで今回は、フォークリフトの「点検」について詳しく解説していきたいと思います。
Contents
なぜ点検が必要なのか
フォークリフトは倉庫や運送業で多く使用される車両で、正しく利用すると大きな戦力となるものです。それだけに普段から細かい点検をしておかなければいざというときに故障や誤作動の原因となってしまいます。
また、フォークリフトの自主点検、自主検査は法律で決められている義務でもあります。違反すると50万円の罰金が科せられることになりますので安全のためにも法令順守のためにも点検を行わなければいけないということになるのです。
フォークリフトの点検方法は三つ
フォークリフトの点検にはいくつかの種類があります。ここではそれぞれについて紹介していきます。
一年に一度の特定自主検査
一年に一度「特定自主検査」を行うことが「労働安全衛生規則第151条の21」において義務付けられています。
これは一年を超えない期間ごとに定期的に以下の項目について検査を行わなければならないというものです。違反すると50万円以下の罰金が科せられます。
- 圧縮圧力、弁すき間その他原動機の異常の有無
- デファレンシャル、プロペラシャフトその他動力伝達装置の異常の有無
- タイヤ、ホイールベアリングその他走行装置の異常の有無
- かじ取り車輪の左右の回転角度、ナックル、ロッド、アームその他操縦装置の異常の有無
- 制動能力、ブレーキドラム、ブレーキシューその他制動装置の異常の有無
- フォーク、マスト、チェーン、チェーンホイールその他荷役装置の異常の有無
- 油圧ポンプ、油圧モーター、シリンダー、安全弁その他油圧装置の異常の有無
- 電圧、電流その他電気系統の異常の有無
- 車体、ヘッドガード、バックレスト、警報装置、方向指示器、灯火装置及び計器の異常の有無
一か月に一度の定期自主検査
また、事業者は1ヶ月以内ごとに一度定期的に自主検査をしなければいけません。この際に検査するのは以下の項目となります。
- 制動装置、クラッチ及び操縦装置の異常の有無
- 荷役装置及び油圧装置の異常の有無
- ヘッドガード及びバックレストの異常の有無
毎日行う始業前点検
それらの定期点検の他に毎日作業を開始する前の始業点検があります。電源が正常に入るかどうか、操作が確実に行えるかどうかを作業を開始する前に点検しなければいけないのです。
ここでの点検項目は以下の通りです。
・制動装置及び操縦装置の機能
・荷役装置及び油圧装置の機能
・車輪の異常の有無
・前照灯、後照灯、方向指示器及び警報装置の機能
特定自主検査は有資格者でないと行えない
これらの点検において「始業点検」と「月次点検」については資格は必要ありませんが、年に一度の特定自主検査は資格が必要となります。
この資格には二種類あり、「事業内検査者」は自社が保有しているフォークリフトのみ特定自主検査を行うことができ、「検査業者検査員」は検査業者としての資格で依頼を受けたフォークリフトの特定自主検査を行うものです。
始業前点検と定期自主検査の内容を紹介
資格がなくても行うことができる始業前点検と月に一度行う定期月次点検に関してはそれぞれ点検しなければならない内容がことなっています。
始業前点検
フォークリフトを作業に用いる場合はその日の作業を行う前に点検を行わなければいけません。
これは「労働安全衛生規則第151条の25」に定められているもので、
- 「制動装置及び操縦装置の機能」
- 「荷役装置及び油圧装置の機能」
- 「車輪の異常の有無」
- 「前照灯、後照灯、方向指示器及び警報装置の機能 」
の四項目について点検をする必要があります。
定期自主検査
こちらは事業者が1ヶ月以内ごとに定期的に行わなければならない自主検査です。「労働安全衛生規則第151条の22」に定められており、
- 「制動装置、クラッチ及び操縦装置の異常の有無」
- 「荷役装置及び油圧装置の異常の有無」
- 「ヘッドガード及びバックレストの異常の有無」
について点検することとなります。
定められている点検を行わないと…
年に一度の特定自主検査、月に一度の定期自主検査を行った際には必要事項を記録し、それを3年間保存しておく義務があります。これが正しく行われていない時には50万円以下の罰金が科せられることになります。
記録しておく内容は以下のものになります。
- 検査年月日
- 検査方法
- 検査箇所
- 検査の結果
- 検査を実施した者の氏名
- 検査の結果に基づいて補修等の措置を講じたときは、その内容
定期的な点検、メンテナンスでトラブルを防ごう
フォークリフトの点検は法令で義務付けられているものではありますが、それとは関係なく定期的に検査、点検、メンテナンスを行うことは結果的に事故や故障を減らすことにつながります。
それはフォークリフトを長く使用することにもつながりますし、安全面からも良い結果につながるのです。
まとめ
フォークリフトの点検には三種類あり、年に一度の特定自主検査は資格がなければ行うことができません。法令順守のためにも安全のためにも必ず行うようにしましょう。