西濃運輸はブラック企業?ホワイト企業?ネットの口コミや噂をまとめてみました
岐阜県に本社を構え、物流業界の大手として全国的に展開している西濃運輸。業界シェアは5位と高く、一般的にもカンガルーのマークで浸透している有名企業です。
しかしその反面、口コミなどでは「ブラック企業ではないか?」という噂も存在しております。
結論としては「何をブラック企業と定義するかによる」となりますが、口コミや事実をもとにホワイトなポイントとブラックと呼ばれている理由について解説いたします。
Contents
西濃運輸がホワイト企業と呼ばれる点
ここまでは西濃運輸に関するネガティブな口コミを参照していきましたが、反対に他の企業と比べて優れていると評価されている面もあります。
先程までの意見とは打って変わって、西濃運輸がいわゆる「ホワイト企業」であるとする口コミをチェックしてみることにしましょう。
残業代がきちんと支払われている
例の自殺事件を受けて、西濃運輸の内部でもサービス残業の改善に乗り出しており、現在では申請した分がきっちり支払われるようになっているとのことです。残業代に関しては大きく前進したと考えてよいでしょう。
ただし、先述したように、早出出勤が全社員の暗黙の了解となっているような事業所も残されています。
すべての営業所からサービス残業が撤廃されたとは今のところ評価しがたく、悪質な上司に当たってしまう確率はまだゼロではない、と言わざるを得ません。
政府が進める働き方改革の影響もあることですから、1~2年以内にいっそうの改善が進むことが期待されます。
福利厚生が充実している
基本給のほか、様々な手当が制度として用意されています。住宅手当や家族手当、地域手当などが支給されるため、給与の総額としては物流会社の中でも悪くないと言われています。
また、自家用車の任意保険の社員割引という、いかにも車と縁の深い企業だと思わせてくれるものも。
社内研修制度も手厚く、職階に応じて実務やリーダーシップ、マネジメントといった研修を受け、能力開発していける体制が整っています。こうした福利厚生に関してはさすがに大企業だけあって、充実していると言ってしまってよいでしょう。
ブラック企業と言われる理由は?
前述の事件を皮切りに、西濃運輸で以前働いていた人や現在働いている人からも、労働環境のブラックぶりを訴える声があがってくるようになりました。
以下、その内容を紹介していきます。
顧客からのクレームが多い?
従業員を悩ませる最たるものが、顧客からのクレームです。先程取り上げた事件で自殺した男性もクレーム対応を担当していましたが、やはり同じように苦しんでいる人は多いようです。
電話応対を行う事務所のスタッフだけではなく、実際に顧客と顔を合わせるドライバーもクレームに追われることがあります。
クレームの内容は、
- 荷物が指定通りの時間帯に届かない
- 荷物が破損していた
- 問い合わせても電話が繋がらない
- ドライバーの対応が悪い
……などなど、物流会社にとってはある意味でお決まりと言えるもの。
こうしたクレームの原因は、クレーム対応の担当者ひとりの力で解消できるものではない場合がほとんど。営業所として、または会社としての取り組みを勧めていくことが求められていると言えるでしょう。
どの会社でもあることですが、「企業規模がでかい=クレーム数も多くなる」という状態なので、クレームが多いイメージがついています。
人間関係が悪い?
人が退職・転職を検討する理由として、人間関係の問題は昔も今もトップクラスに挙げられます。
- 上司や同僚との折り合いが悪い
- 職場の雰囲気に適応できない
といったことですね。
西濃運輸のセールスドライバーはチーム単位で動きますから、合わない人と組むことになった際のストレスは相当なものです。体育会系でしょっちゅう怒鳴り散らす先輩に当たってしまったため退職した、という方もいらっしゃいました。
もっとも、人間関係の問題はあくまでもその営業所にどんな人が集まっているかに依存しますし、雰囲気に馴染めるか馴染めないかという点には個人差もありますので、あくまで個人の意見になります。
円滑に回っている営業所も多いので、西濃運輸全体として環境が悪いというわけではない、という点はしっかりと押さえておくべきでしょう。
早出が多く拘束時間が長い?
先述の自殺事件でも触れられていましたが、拘束時間の長さも西濃運輸がブラック企業呼ばわりされている理由の一つです。自殺した男性の残業時間は月98時間でした。明らかに労働基準法違反です。
さすがにそれほど酷い例は多くないかと思いきや、月100時間以上の残業が毎年のように発生するという声もあり、やはり地域によっては未だに苛酷な環境が残されていることが窺えます。
また、ほとんどの社員が定時よりも2時間ほど早く出勤している、という声も。
会社も是正しようと動いてはいるので、現在は改善の兆しが見えている可能性があります。
物販ノルマがきつい?
セールスドライバーはお中元やお歳暮といった物販のノルマを課せられており、その要求が高いと感じる方が多く見受けられます。
やはり支店によってノルマは異なるようですが、ある人は「一年目は年間10万円以下だったが、二年目以降は大幅に額が増えた」と述べていました。また、その人の役職によってもノルマの額は変わってくるとのことです。
ノルマを達成できなかった場合は自腹を切って買ったり、割り引いてでも販売していた、という証言も。
また過去には、いよかんの販売契約を取り付けたまではよかったものの、実際に贈った現物が腐っていたせいで後々クレームに繋がった……というケースもあったそうです。
いずれにしても、きつい物販ノルマがドライバーの離職率に影響を与えている可能性があります。
体力的にきつい?
西濃運輸が取り扱っている荷物の中には、ヤマト運輸や佐川急便といった競合他社が扱わないような大型のものもあります。そのため、体力的に厳しいという声が毎年のようにドライバーから上がっています。
体力に関しては個人差が大きいため一概にきついかどうかを判断することは難しく、実際に「慣れれば大丈夫」と証言する人も少なくありません。
とはいえ、やはり「きつい」という声があるのも事実ですから、もともと体力に自信がない方、体格の小さい方にとってはやはり厳しい作業なのだと考えてよいでしょう。
また、体力は加齢と共にどうしても衰えるものですから、今は大丈夫という人でも5年後、10年後には同じ仕事ができなくなっているかもしれません。ドライバーの高齢化は業界全体の課題であるため、技術革新やご年配の方でも働ける仕事が増やす必要があります。
西濃運輸がブラック企業と呼ばれるようになったきっかけ
そもそも、西濃運輸がブラック企業と呼ばれるようになったきっかけは何だったのでしょう。
話は2010年に遡ります。西濃運輸で事務職として働いていた23歳の男性が、キャンプ場で硫化水素を発生させて自殺したのです。遺書には「毎日12時間以上働かせ、サービス残業を強要した」と、会社を告発する内容が記されていました。
男性は2007年に西濃運輸に入社。荷物管理やクレーム対応を担当していたのですが、タイムカードを実際の退勤時間よりも早い時刻に押すことを求められ、恒常的にサービス残業を強制されたことが原因でうつ病を発症していたのです。亡くなった月の残業時間は実に98時間に達していました。
また、その後の調べによって、男性が3度にわたって退職を申し出ていたにもかかわらず、会社が3度すべて退職を認めていなかったことが明らかになりました。
遺族は「会社側はサービス残業の実態を認めず、反省していない」として、2012年、慰謝料および時間外労働の未払い賃金を含めた損害賠償8100万円を求めて西濃運輸を提訴。
このことが全国的に話題になって、西濃運輸は2013年、ブラック企業対象にノミネートされています。未来ある若者が自ら命を絶った原因が西濃運輸での劣悪な労働環境だったのですから、それもやむなしといったところでしょう。
以上が、西濃運輸がブラック企業と呼ばれはじめたきっかけです。
まとめ
皆さん、いかがでしたでしょうか?
西濃運輸に関する口コミを眺めてみると、営業所によって労働環境に大きな差異があることが見えてきます。どの企業でも同じですが、人間関係は働く場所によりますし、忙しさも場所によるというところがご回答になります。
ただし、福利厚生や給料に関してはどの営業所でも変わらないため、確実にホワイト企業の部類と言えます。
ネットの情報は参考程度にしつつ、人間関係などは面接にいってみて自分が合うかどうか確認してましょう。