大手企業のトラック運転手は高収入!大型/中型などの仕事内容と給与/平均年収例
2021/04/05
佐川急便やヤマト運輸などの大手企業のトラック運転手は給料が比較的高く、福利厚生や補償もしっかりしている会社が多いです。
その一方で、勤務規定が細かく定められていたり、ルールに則って時間内に多くの業務をこなす必要があるなど、自由に働くことは難しい側面もありますので、人によっては合わない可能性もあるのが事実です。
この記事ではトラック運転手で大手企業への就職を考えている方向けに大手企業での仕事内容や給料、特徴を記載していますので参考にして下さい。
Contents
大手企業のトラック運転手として働くメリット
メリット1:大手運送企業の給料は比較的高め
大手企業の給料は一般的な中小企業のドライバーと比較して、高い給料を貰えることが多いです。以下はトラック運転手の業種別年収ランキングです。
1位:大手宅配・引越し兼業配送センター間大型ドライバー :平均840万円
2位:国内陸送コンテナ等の牽引トレーラードライバー :平均770万円
3位:大手倉庫/メーカー提携大型トラックドライバー :平均665万円
4位:工業系倉庫物流専門大型トラックドライバー :平均650万円
5位:建設建材/石油化学物流トラックドライバー :平均600万円
引用元:平均年収.jp
大手企業の配送センター間の大型トラックドライバーが1位で840万円となっております。年収・月給ともに大手企業が最も高く年収だと小企業と比較して大手企業の方が約110万円高い結果となっています。とにかく稼ぎたい方には大手企業が最もおすすめになります。
メリット2:業務上のルールがしっかり定まっている
出社時刻や勤怠管理、報告などが細かにルールで定められていることが多いです。あまり経験のない方でも迷うことが少ないという利点があります。一方で中小企業で経験を積んできた方からすると細かい規定に少し面倒に感じる方も多いかもしれません。また休日もしっかり日数が定められていることも多く、ワークライフバランスを保ちやすくなっています。
メリット3:研修はしっかりと長期間行う
入社後は新入社員だと30日間の研修を行うこともあります。メリット1のルールがしっかり定まっていることからも分かる通り、サポートは手厚く行う会社が多いです。中小企業の運送会社だと1週間程度の研修で終わる企業もありますので、不安な方にはメリットだと言えるでしょう。
メリット4:事故の補償をしてくれる
一般的な運送会社だと車両や商品の事故は一部給料から天引されることも多いですが、大手企業では会社負担としている会社も多くあります。だからといって複数回事故をおこすと処分される可能性もありますので、運転には注意が必要です。こちらも初心者のドライバーには安心の規定と言えます。
メリット5:仕事が安定している
大手は事業の基盤がしっかりしているため、仕事量が安定していています。大手運送会社は取引先の数が多く不景気や経営不振によって仕事がなくなることは少ないため、安心して働くことができます。急に仕事がなくなって給料が下がるといった心配は少ないでしょう。
メリット6:福利厚生が充実している
大手の運送会社は中小企業に比べて福利厚生が充実しています。特に運送業界は企業によって福利厚生の差が大きく、小さい会社だと賞与が出なかったり免許取得支援がなかったりすることが多々あります。大手であれば賞与や免許取得に加えて社宅や退職金などの手厚いサポートがあります。
メリット7:ネームバリューがある
大手はネームバリューがあるため社会的信用を得ることができます。制服やロゴで荷主に認識してもらえるためスムーズに業務を進めることができますし、普段の生活でも家族に安心してもらえたり、住宅ローンなどの審査が通りやすかったりと得することがたくさんあります。
メリット8:休みが取りやすい
大手は中小に比べ労働体制が整っているため、休みが取りやすい傾向にあります。小さい会社では人が足りない日に休日出勤しないといけない場合がありますが、大手では週休2日であれば必ず2日休めることがほとんどで、例え休日出勤があっても振替休日をもらうことができます。
メリット9:転職時に有利になる
運送業界ではキャリアアップのために転職することが多いですが、名前を知らない中小企業よりも誰もが知っている大手企業で就業経験があるほうが面接で有利になります。大手にいたからと言ってどこにでも転職できるわけではないですが、大手にいたという職歴が不利になることはないでしょう。
メリット10:自分の役割が明確で働きやすい
人手不足の中小企業ではさまざまな業務を任されるため、拘束時間が長くなったり勤務時間が不規則だったりすることがあります。一方、大手企業は従業員一人一人の役割が明確であるため予期せぬ業務を任されることがなく、自分の仕事に集中することができます。
大手企業のトラック運転手として働くデメリット
デメリット1:ルールが多い
大手は中小に比べて管理体制が整っており、ルールが多いことが特徴です。しっかり管理をしないと大人数のドライバーをまとめることや平等に評価することが難しいためです。中にはトラックの中にカメラがあり、配達中にずっと見られているという会社もあります。自由に働きたいという人に大手企業はあまり向かないかもしれません。
デメリット2:人間関係が希薄な場合も
大手運送会社の中には、あまりアットホームな雰囲気がなく、淡々と業務をこなすような会社もあります。他の社員との距離が遠かったり、仕事中になかなか気軽に話せない会社もあるでしょう。和気あいあいとした雰囲気の中で仕事がしたいという方は中小企業の方がおすすめです。
デメリット3:給料が頭打ちすることがある
大手運送会社は給料が安定している代わりに、大きく昇給したり歩合で働いた分だけ稼げたりといったことができません。10年以上勤続すれば給料は大きく変わりますが、若いうちにたくさん稼ぎたいという人には物足りないでしょう。頭打ちすることなく給料を稼ぎたいという方は、歩合制の中小企業をおすすめします。
デメリット4:ミスに厳しい
大手は中小に比べてドライバーのミスに厳しい傾向にあります。例えば、配送先を間違えるというミスがあった際に、中小企業のドライバーであれば注意で終わるかもしれませんが、大手であれば減給や部署移動などのペナルティがあります。大手企業のドライバーは中小以上にミスをしないよう注意しなければいけません。
デメリット5:身だしなみに厳しい
中小企業は身だしなみに寛容なことが多いですが、大手は基本的に髭や茶髪、ピアスやタトゥーなどはNGです。ドライバーはその会社の顔であるため、会社のイメージが悪くならないような容姿である必要があるためです。自分の髪型や髭にこだわりがある人が大手で働くことは難しいでしょう。
デメリット6:トラックの管理に厳しい
小さい会社であればトラックを自由にデコレーションすることができますが、大手であればトラックが会社の顔になるためトラックを飾りつけることはできません。また、トラックを共有することが多いためトラック内に私物を置きっぱなしにすることもできないことがほとんどです。
デメリット7:運転するトラックが業務によって変わる
中小企業は自分のトラックが割り当てられることが多いですが、大手は1つのトラックを複数人で共有することがほとんどです。そのため、その日の業務によって大型トラックに乗ったり4tトラックに乗ったりします。自分だけのトラックを運転したいという人にとってはデメリットになるでしょう。
デメリット8:希望する業務ができるとは限らない
大手は自分の希望よりも会社の都合で人事が決まる傾向にあるため、必ずしも希望した業務ができるとは限りません。「空きができたら異動できる」と言われる場合もありますが、それが1ヶ月後であることもあれば1年後であることもあります。強い希望を持っている人は大手はオススメできないでしょう。
デメリット9:個人の意見を聞いてもらいにくい
中小企業であれば会社のルールや労働環境に関して意見を聞いてもらいやすいですが、大手では個人の意見が反映されることはなかなかありません。会社に不満があってもなかなか改善されずにフラストレーションを感じてしまうこともあるでしょう。
デメリット10:業務が流れ作業に感じてしまう
大手企業は業務が分業化されているため、一人一人の業務内容が明確に決まっていることが多いですが、人によってはこれを「つまらない」と感じてしまう人がいます。自分の裁量が小さく、毎日決まった仕事をすることが流れ作業に感じてしまうこともあるでしょう。
中小企業のトラック運転手として働くメリット
メリット1:ルールが少なく自由度が高い
中小企業は大手に比べルールが少なく、自由に働くことができます。例えば、早く帰りたい人は早出してもOKだったり、髭が生えていてもOKだったりと、働き方や身だしなみにおいて柔軟であることが多いでしょう。ルールに縛られて働くことに抵抗がある方は中小の運送会社をおすすめします。
メリット2:アットホームな雰囲気であることが多い
中小の運送会社は、大手に比べてアットホームで、社員同士の距離が近いことが多いです。社員同士のイベントがあったり、仕事中に気軽に話せたりするため、社内の繋がりができやすいでしょう。会社での人間関係を大切にしたいという方は、大手より中小の方が合っているかもしれません。
メリット3:休みなどの融通が効く
中小企業は比較的休みなどの融通が効くことが多いです。シフトを組む際に一人一人の予定や事情を加味してくれるなど、中小だからこそ従業員の細かなニーズに応えることができる会社が多いでしょう。ただし、ドライバーは基本時間や休みの調整がしにくい職業であるため、あくまで大手と比較して融通が効くということを留意してください。
メリット4:歩合制で稼げる会社もある
中小企業は昇給制度がないことが多い代わりに、歩合制で頑張った分だけ稼げるというところが多いです。大手であれば長年勤続しないと稼げないような給料を入社1年目で稼げるような会社もありますよ。その分拘束時間は長くなることがありますが、お給料重視の方は稼げる中小企業をチェックすることをおすすめします。
メリット5:要望が通りやすい
中小企業は社員と管理職の距離が近いため、ドライバーの声を聞いてもらいやすいというメリットがあります。大手企業ではドライバーの一声で制度を変えることはほぼ不可能ですが、中小であればすぐに改善してくれるでしょう。
メリット6:自分だけのトラックに乗ることができる
中小企業は自分のトラックを割り当てられることが多く、気兼ねなく車内に好きなものを置いたり、飾りつけしたりできます。中にはトラックの外装を自由にデコレーションできる会社もあります。車両を共有することに抵抗があるドライバーは中小企業のほうがオススメです。
メリット7:自分の裁量が大きく伸び伸び仕事できる
大手では自分の役割が決まっており、与えられた仕事しかできないことが多いですが、中小企業では自分の裁量が大きく、ある程度自分のやり方で伸び伸びと仕事をすることができます。よりやりがいを持って仕事をしたい、ルールに縛られずに仕事をしたいという人には小さい会社のほうが合うかもしれません。
メリット8:社内のコミュニケーションが取りやすい
中小の運送会社は社員数が少ないため、ドライバーだけでなく事務担当者や役員、社長とも顔見知りである場合がほとんどです。連絡事項や共有事項を伝えやすく、社内のコミュニケーションが取りやすいことは小さい会社で働くメリットだと言えるでしょう。
メリット9:入社後すぐに独り立ちすることができる
大手企業は研修期間が決まっているため、どれだけ早く仕事を覚えても必ず3ヶ月〜半年間研修を受けなければいけないことが多く、その期間の給料も低くなってしまいます。一方で中小企業は仕事を覚えた段階で研修期間が終わるため、より早く独り立ちすることができます。
メリット10:実力が評価されやすい
中小企業は大手に比べて実力主義な傾向があります。学歴や年齢に関係なく、仕事ができればより多くの仕事を任せてもらうことができ、給料も高くなります。特に20代・30代のドライバーは年功序列の大手よりも小さい会社の方が待遇がよくなることがあります。
中小企業のトラック運転手として働くデメリット
デメリット1:福利厚生が少ない
ほとんどの場合、中小企業は大手に比べ福利厚生が少ないです。特に家賃補助や社宅制度、退職金制度などは大手にしかないことがほとんどでしょう。また、賞与も大手の方が金額は大きくなります。もちろん福利厚生が充実した中小企業もあるため、福利厚生にそこまで多くを望まないのであれば中小企業でも特に問題はないでしょう。
デメリット2:給料が比較的低い
中小の運送企業でも稼げる会社はありますが、全体的に大手よりも中小の方が給料は低くなります。特に賞与の額が大きく異なることが多いため、年収にすると給料が低くなることが多いでしょう。また、景気によって浮き沈みがある会社もあるため、安定した給料重視の方は事前に調べることが大切です。
デメリット3:事故補償がない場合がある
会社によっては、事故の損害額をドライバーが負担することがあります。大手よりも中小の方が、損害額の一部をドライバーが負担することが多いでしょう。月給から天引きされることが多く、場合によっては給料よりマイナスになることもあるため、入社前に事故負担額を確認することをおすすめします。
デメリット4:理不尽な家族経営に当たることがある
家族経営の中小企業の場合、会社によっては社員が理不尽な思いをしたり、経営者が公私混同をしたりと、あまりクリーンでない経営をしている企業があります。もちろん健全な家族経営もあるため、家族経営の会社に入る際は事前にしっかりリサーチすることをおすすめします。
デメリット5:配車が偏ることがある
中小企業はルールがしっかり決まっていない分、配車係の意思で配車を変えることができるため、配車が偏るというトラブルが発生することがあります。仲がいい人に楽なコースを与えるなどの不公平な配車が起こると、新人が不満を持ってしまい、人間関係のトラブルにも繋がります。中小企業に入る際はある程度ルールが固まっている会社に入ることをおすすめします。
デメリット6:大手に比べて業績が不安定
中小企業は大手に比べて業績が不安定で、将来性が保証されていません。業績が傾けば給料が下がったり賞与が支払われなかったりということもあります。倒産のリスクも大手よりも大きいため、1つの会社で生涯働きたいという人にとっては大手の方が合っているでしょう。
デメリット7:人手不足になる可能性が高い
中小企業は人手不足に陥りやすく、突然休日出勤を頼まれたり業務量が増えたりすることがあります。中には事務作業や配車とドライバー業務を兼任する場合もあり、たくさんの業務をこなすため拘束時間も長くなることもあります。柔軟にいろんな仕事ができる人でないと難しいかもしれません。
デメリット8:会社の知名度が低い
小さい運送会社は大手企業に比べて会社の知名度が低いため、どうしても社会的信用が低くなってしまいます。カードやローンの申請が通りにくいといったデメリットがあったり、家族が会社名を知らないことがほとんどなので、心配されてしまったりといったこともあるでしょう。
デメリット9:人間関係で悩みを持ちやすい
中小企業は人数が少ないため、みんな顔見知りで仲が良い一方、人間関係のトラブルも起こりやすいです。毎日顔を合わせるため逃げ場がなく、結局転職してしまうというケースも少なくありません。アットホームな雰囲気だからこそ馴染めないと辛い思いをしてしまうこともあります。
デメリット10:人事評価が社長の独断で決まることがある
中小企業は人事評価の基準が曖昧であることが多く、上司や社長の独断で評価が決まってしまうことがあります。社長に気に入ってもらえれば昇給できたり、逆にどんなに実力があっても評価してもらえなかったりと、評価が正当でないと感じることもあるでしょう。
大手企業のトラック運転手の仕事内容の例
全体的にスケジュールが厳密に決まっている傾向
中小企業とは異なり、大手企業では仕事のスケジュールが定まっていることが多いです。仕事内容は楽ではない。業務内容は企業により異なりますので以下に佐川急便、ヤマト運輸の1日の仕事の流れを記載しています。
佐川急便はハードだが給料は高い
佐川急便の1日のスケジュールは下記になります。
7:00 出勤、荷物をトラックに積み込み
8:00 事業所を出発
9:00 配達開始
12:00 昼の便が到着、集合して積み込み、配達
13:00 昼休憩(荷物が溜まっていれば取れないことも)
14:00 配達
15:00 最終便到着
16:00 集合して積み込み、配達
17:30 集荷ピーク時間帯
19:00 荷降ろし、もしくは夜間配送の準備
20:00 退社(夜間配送時は22:00ごろ退社)
拘束時間は7:00〜22:00(拘束時間15時間)と結構ハードです。
日を跨いだ配送がないだけ、長距離ドライバーよりは生活リズムを担保できますが、なかなか楽なものとは言えません。その分佐川急便は年収も7年目では500万円を超える方もおり、給料は高めと言えます。
ヤマトは分業化で運転業務に集中できる
ヤマト運輸の1日のスケジュールは下記になります。
7:30 出勤、点呼(積み込みはバイトがやることもある)
8:00 事業所を出発
9:00 配達開始
12:00 昼の便が到着、集合して積み込み、配達
13:00 昼休憩(荷物が溜まっていれば取れないことも)
14:00 配達
15:00 最終便到着
16:00 集合して積み込み、配達
17:30 集荷ピーク時間帯
19:00 荷降ろし、持ち戻りの荷物や夜間配送はパート社員が対応
19:30 退社
ピーク時以外では7:30〜19:30(拘束時間12時間)の勤務内容が一般的のようです。
再配達が多かったり、荷物が多いとなかなか休む時間もありませんが、佐川急便と比較しても退社時間は早めのようです。年収は5〜10年目で400万円前後と多少佐川急便よりは低くなっています。
大手企業に就職するなら求人サービスを活用しよう
大手企業へのトラック運転手の就職はルールが定められており、そのなかでもしっかりと業務をこなしたい人にはおすすめの職業だと言えます。
その分人気も高いので、面接や履歴書の準備をしておかないと採用されないことにもなりかねません。
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