「あがり」「完納」「デジタコ」の意味とは?定義や由来をわかりやすく解説!
トラックドライバーとして活動していると、普段の生活では聞き慣れない言葉をよく耳にすることになります。用語を間違えて使ってしまうと、仲間のあいだで恥をかいてしまうことも。
今回はそういった用語の中から、「あがり」「完納」「デジタコ」の3つの用語をピックアップしてご紹介します。ドライバーとして活動するならしっかり覚えておきましょう。
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「あがり」の意味とは
「あがり」とは、その日の仕事が終わった状態のことです。ドライバーは物流拠点から荷物をトラックに積んで目的地に配送するのが仕事で、それを一日に何度か繰り返しますよね。
その日そのドライバーにそれ以上仕事がない、という状態になったら、そのドライバーはあがりということになります。
「あがり」を言う場面
たとえばあなたが物流拠点に帰ってきたとき、その日に運ぶべき荷物がすでに全部捌けていたとしましょう。その場合あなたにはそれ以上の仕事がありませんから、配車マンから「今日はもうあがってください」と言われることになるでしょう。
「あがり」と聞き間違えやすい「あおり」とは
紛らわしい用語として、「あおり」というものがあります。
「あおり」とはあおり運転のことではなく、平ボディのトラックの荷台を覆っている囲いのことです。側面のあおりを「側あおり」、後方のあおりを「後あおり」と呼びます。
「あがり」が使われるシチュエーションで「あおり」という言葉が出てくる可能性は低いと考えられますが、それだけに聞き間違えてしまうと相手の言っていることがまるで分からなくなってしまうため、人の話を聞くときは注意しておきましょう。
「完納」の意味とは
「完納」とは「完全納品」を略した言葉です。
完全というからには、当然のことではありますが、まだ納品するものが残っている場合に使える用語ではありません。全ての荷物を納品してしまってから使うようにしましょう。
「完納」は間違えて使いやすい
ドライバー用語の中でも「完納」は誤用しやすい言葉として知られます。まず、先述したとおり、まだ納品するものがあるときには使えません。
また、一度で全ての荷物を納品できてしまった場合にも、わざわざ完納という言葉では表現しません。あくまでも「何回かに分けて輸送し、全ての荷物を納品し終えた状態」が完納なのだと覚えておいてください。
配車マンや他のドライバーとのやりとりの中で誤用してしまうと、思わぬトラブルに繋がるおそれがあります。
「デジタコ」の意味とは
「デジタコ」は最近頓に聞く機会の増えた言葉です。
これは「デジタル・タコグラフ」の略称。デジタル・タコグラフとは、走行時間や走行速度といった情報を自動的に記録し、データとして保存するシステムのことです。
これらタコグラフの搭載は義務化が進んでおり、現在では車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以上の事業用トラックの全てがタコグラフを装着しなければならないことになっています。
「デジタコ」のメリットデメリット
デジタコは運行情報を記録するための装置です。
- ドライバーの運転の癖をデータを基に分析したり
- 事故が起こった際に映像と音声を分析したり
といったことができます。
安全を高められるのがデジタコを搭載するメリットであると言えるでしょう。また、日報管理の業務を部分的に自動化することにも繋がります。
ただし、搭載することによるデメリットがないわけではありません。そもそも初期費用がかかりますし、ドライバーにとっては運転を監視されているようなものですから、急ブレーキを躊躇ったりして逆に事故に繋がってしまうおそれもあります。
特に現在ではドライバーの高齢化も進んでいます。古株のドライバーなどは機械によって記録・管理されることに抵抗のある方も少なくないでしょうから、そうした方にいかに納得してもらうかが導入する際の課題と言えるでしょう。
「デジタコ」と「アナタコ」の違いは何?
デジタコから想像がついている方も多いでしょうが、もちろんタコグラフにはアナログのものもあります。「アナタコ」という言葉を聞いたら「アナログ・タコグラフ」のことだと考えてください。
アナタコは従来型のタコグラフです。その名の通り、紙にアナログ方式でグラフを描き込みます。これに対してデジタコは数値データを記録するため、デジタコのほうが後でチェックしたときに解析しやすいのです。
まとめ
皆さん、いかがでしたでしょうか。
「あがり」や「完納」は日常的に業務を行っていく中で使う機会の多い用語ですし、「デジタコ」はトラックに装着する機器の名称。どちらもドライバーとしては知っておきたい言葉です。
誤って使ってしまったり、聞いたときに意味がわからなかったりといったことがないようにするためにも、この記事の内容をしっかりと記憶に留めておいてください。