重量物運搬の安全対策で気をつけるべき10のポイントとは?規定についても解説!
重量物運搬の作業は安全面に十分注意しなければ事故や怪我に繋がりやすい大変危険な作業になります。
まずは重量物運搬の規定について理解し、安全作業を常に心がけましょう。また、重量物運搬の安全対策で特に重要な10選をご紹介します。
Contents
重量物運搬の規定とは
労働基準法には重量物運搬についての規定があり、手作業で荷物を運ぶ仕事についてはたくさんの制限がありますのでご紹介します。
女性と未成年の重さ制限
機械を使った運搬ではなく、手作業で荷物を運ぶ作業は、女性と未成年の子供は成人男性と比べて力が弱いため、持てる重さに制限が設けられています。
継続作業の制限
積み込み作業など継続して行われる継続作業では、
- 女性と16~18歳男性・・・20kg
- 16~18歳女性・・・15kg
- 16歳以下の男子・・・10kg
- 16歳以下の女子・・・8kg
となっています。
また、繰り返し荷物を運ぶときは断続作業と呼び、その場合も重さの決まりがあります。例えば宅急便の配達など1件運んでまた他の荷物を運ぶときなどは、
- 女性と16~18歳男性・・・30kg
- 16~18歳女性・・・25kg
- 16歳以下の男子・・・15kg
- 女子・・・12kg
となっています。
一人で持てる重さの制限
一人で持てる重さとしては、概ね体重の40%とされております。それ以上の重さを持つと腰痛などのリスクがあります。
また、腰痛の荷物を持つときの姿勢、運び方が重要であるため、身体を鍛える腰を伸ばす、身体に密着させて持つなどの工夫が必要になります。
55kg以上の荷物について
労働基準法によると成人男性でも55kg以上の荷物は2人以上で運ぶことが推奨されています。といっても人数がたくさんいて余裕がある場合はなるべく2人以上で運んで身体への負担を減らしましょう。
重量物運搬の安全対策10選
重量物運搬の安全対策は次の10種類が考えられます。
腰に負担のかからない持ち方
重量物を持つときは腰に負担がかからないような持ち方をしましょう。
荷物を持ち上げるときはできるだけ身体を対象物に近づけ、重心を低くするような姿勢を取ります。また、荷物を持った場合には背を伸ばした状態で腹部のひねりが少なくなるようにします。
足場の強度を上げる
重量物を運搬していると足場の強度不足でふらつく転倒する可能性もあります。そのため通路の足場の強度を確保してから作業するようにしましょう。
もし足場が悪いところがある場合は安全面を考えると迂回路を作った方がいい場合がありますので最短ルートよりも安全ルートを優先しましょう。
段差を極力少なくする
段差を乗り越えるときはつまずいて転倒事故にならないように極力段差の大きさを小さくする必要があります。
特に重量物の運搬中は足元が不安定で小さな段差も乗り越えられないでしょう。また、段差よりも坂道の方が転倒しにくいため、段があるところに板を敷いてフラットにする方法もおすすめします。
作業場を確認しやすい明るさの維持
重量物の運搬時は足元がおぼつかないことが多く、ちょっとした足場の悪さから転倒事故につながる恐れがあります。そのため、作業者が作業しやすいように現場の明るさを調整しましょう。
袋などの軽量化
重量物を袋に入れて持ち運べる大きさにし、一つあたりの荷物の重量を軽くするという方法があります。また、袋に入れるため、持ち手があり、安全に持ち運ぶことができます。
腰痛体操の実施
腰痛体操とは、腰回りの筋肉を動かすことで、筋肉がほぐされて腰痛の予防や症状をやわらげる効果がある体操です。
ランニングやスポーツといったハードな運動のようなものではなく日常生活の延長線上でできることですので、作業前や仕事終わりの自宅でおこなってみましょう。
現場作業員の教育
現場作業をする人は作業中にどうしても身体に負担がかかる姿勢になったり、ふとした時に安全に対して意識が薄れがちになることがあります。
そのため、現場作業をする人に対して、最初の項でご紹介した重量物運搬の規定について事前に教育したり監視者を付けたりして安全に対して配慮する必要があります。
規定を必ず守る
作業に従事する人は決められた注意事項をきちんと守ることを徹底しましょう。
重量物運搬時は足元に落とすと大けがにつながる可能性があるため、多少手間がかかっても安全確認は毎回きちんと行い、無理なく作業するようにしましょう。
適度な休憩
長時間の重量物運搬は徐々に足腰や腕に負担をかけてしまいますので、適度に休憩しながら作業するようにしましょう。
適度な休憩を取ることにより、身体への負担だけではなく集中力の維持にも繋がるため、作業中の不注意による事故も減らすことができます。
運搬作業時に負担にならない服装
運搬作業時は動きやすい格好をし、作業の負担を減らしましょう。例えば服やズボンの場合、大きいサイズだと作業中に引っ掛けたりする危険があるため、なるべく自分の身体にあったサイズのものを選ぶ必要があります。
また、靴も安全靴だと足場が悪くても滑りにくくなるため、スニーカーなどに比べて負担を減らすことができます。
まとめ
重量物の運搬作業は人の手で何度も繰り返し作業すると腰や背中を痛めてしまうリスクがあります。しかも子供や女性がこの作業をすると余計に怪我をするリスクがあるため、重量制限をしっかり守ることが重要です。
また、運搬作業は危険とも隣り合わせであるため、今回ご紹介した安全対策を実施して怪我のないように作業しましょう。