高所作業車に必要な資格/免許取得までの期間や費用について解説!
高所作業車での仕事を検討している人にとって、必要な資格や免許は気になるところですよね。
街を歩くとあちこちで見かける「働く車」ですが、その中でも一際目を引くのが「高所作業車」です。
今回の記事では、高所作業車の基礎的な知識・運転免許の取得方法・仕事内容についてご紹介します。
Contents
高所作業車の特徴について
高所作業車は別名「リフト車」とも呼ばれ、電力や電話などの配電線の整備・信号機などの保守・街路樹の整備・航空機の整備・高層マンションの引越し・道路標識の整備など活躍の場所は多岐に渡ります。
高い場所での作業になるため危険を伴いますが、インフラ整備だけでなく、工事や引越しなど非常に大きな役割を果たす車です。
高所作業車にはどんな免許が必要?
では、高所作業車を運転するにはどのような免許が必要なのでしょうか?ここでは必要な免許や講習などについてご紹介します。
一般道路を走行するための免許とは?
高所作業車は道路交通法上の「車両」にあたるため、一般道路を走行するには免許が必要です。ただし、必要な免許は車の大きさにより異なります。
8トン未満であれば、普通免許で走行できます(法改正後は中型免許が必要)が、それを超えると大型免許が必要になります。
よく見かける電気工事などで活躍する高所作業車は通常2トン車両をベースにしているため、普通免許で大丈夫です。
運転技能講習の内容とは?
平成2年の労働安全衛生法の改正に伴い、作業床が10m以上で従事するには技能講習を修了する必要があります。
普通免許をお持ちの方なら学科10時間、実技6時間の受講で取得できます。一方、普通免許をお持ちでない方は、さらに原動機に関する知識の3時間分を受講する必要があります。
特別教育の内容とは?
特別教育は正式には「高所作業車運転特別教育」と呼ばれます。運転技能講習との違いは作業床の高さが10m未満えあるという点です。
講習内容は高所作業車の運転に関する基礎知識や装置の構造・取り扱い方法などで6時間の学科のみです。ただし事業所で実技講習ができない場合、3時間の実技講習をプラスできます。
免許を取得するまでの流れは?
まず、「労働技能講習協会」のホームページを開き、申し込みボタンをクリックするか、記載されている連絡先へ電話またはFAXで申し込みます。その後送られてきた受験票や払い込み用紙を郵送します。
そのため、申し込みまでに1週間程度かかります。上記でお話した講習にかかる時間をプラスしたものが取得までの大まかな時間と流れになります。免許は即日交付されます。
高所作業車はどうやって管理するの?
高所作業車の管理には維持費や税金がかかるだけでなく、日常点検も欠かせません。ここでは、それらを踏まえレンタルのメリットについてもお話しします。
高所作業車の維持費はどれくらい?
まず、高所作業車の車両保険は1台・1日につき1,500円程度ですが、その他に対人・対物・搭乗者保険などをつけると、保障内容にもよりますが数千円程度アップします。
またタイヤ・オイルなどのメンテナンス費・高速料金・駐車場代などもかかることがあります。気になる燃料代ですが、年間3~4万km・燃費5km/Lで1Lあたり100円とすると60万円程度の維持費がかかります。
高所作業車の日常点検について
高所作業車は1ヶ月ごとに1回の定期検査を行わなければなりません。内容は制動装置やクラッチ・作業装置や油圧装置・その他の安全装置の異常の有無の確認など多岐に渡ります。
また日常点検としては、原動機:下部走行体・旋回体・ブーム装置・作業床などの異常の早期発見も事故を未然に防ぐためには欠かせないものとなります。
高所作業車を所有しているとかかる税金はどれくらい?
高所作業車にかかる税金は「自動車税」と「自動車重量税」です。自動車税は営業車の場合、最大積載量が5トン未満なら18,500円、8トン未満なら34,200円、10トン未満なら38,900円です。
また自動車重量税は車体重量が4トン未満なら20,800円、8トン未満なら41,600円が必要です。そのため所有しているだけでも年間数万円の税金がかかります。
高所作業車を借りるメリットは?
ここまでお話したように高所作業車を所有すると様々な費用がかかってしまいます。「費用をできるだけ安く抑えたい」方にはレンタルという方法があります。
まず、高所作業車を借りるメリットは自動車税や重量税を払う必要がない点です。レンタルなら1台につき数万円の経費削減につながります。
またレンタルであれば、保険が1日につき100円からというものもあり、費用をさらに安くすることができます。
高所作業車の仕事内容・待遇・将来性について
高所作業車の仕事をしたい方にとって内容や待遇・将来性について大きな関心があるでしょう。ここでは、作業する方の仕事環境についてお話します。
高所作業車を借りるメリットは?
高所作業車はクレーンの上に人が乗るためのかごをつけて作業します。高所のため、ヘルメットなどの安全装置が必須です。
高所作業車がなかった頃は、建設現場などでは資材を階段などで運んでいましたが、高所作業車の登場により、資材を簡単に効率よく運べるといった高い場所での作業が大きく変わりました。
資格を所有する方に将来性はある?
高所作業車の資格を所有する方にとって「資格を取得しても働く場所はあるのか?将来性はあるのか?」は気になるところです。しかし、高所作業者は建設現場・電力会社など非常に多くの場所があります。
そのため、仕事の需要が著しく減少するとは考えにくく、安定かつ将来性のある業種だと言えます。
作業する方の待遇はどれくらい?
待遇は最低賃金が自治体により異なるため開きがありますが、例えば東京都の場合、建設現場では日給では1.1万円~1.6万円、月給なら34~40万円程度の求人が目立ちます。
また電力・電話会社などの通信関係でも月給20~40万円程度あります。寮を完備している求人も多く、全体として恵まれていると言えるでしょう。
作業の1日の流れは?
高所作業車での1日の流れは働く場所により異なります。建設現場の場合、近隣住民への騒音などの配慮から朝9時前に朝礼をしてから作業にかかり、夕方までには終わらせます。
一方、電力・電話会社の場合、日常点検は日中ですが、台風などの災害などの場合は時間帯を問わず作業することがあるため、不規則な面もあります。
高所作業車にはどんな種類があるの?
高所作業車には大きく分けて3タイプがあります。まず、ハイパーデッキというタイプは地上40mでも作業できます。高い場所でもスムーズに上ることができ、高層ビルでの作業にも対応できます。
また、スーパーデッキというタイプは1,000kgの荷物でも積載可能です。一方、電気工事用(トラック)は最もよく見けるタイプで電力・電話会社でよく使われています。
高所作業車はどこで使用する?
高所作業車が活躍する場所は建設中の建物だけでなく、解体中の建物でも使われます。またマンションなどの高所での引越し作業、電線などの高い場所、イベントなどで高い場所に看板や電飾の設置など実に様々です。
また幹線道路の街路樹の手入れなどでも使われます。高い場所での作業であるため、危険性はありますが、やりがいのある仕事と言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?今回の記事では、高所作業車の基礎知識・仕事内容・必要な免許についてご紹介しました。
高所作業車での仕事はとにかく目立つため、「花形」と言っても過言ではないでしょう。今回の記事を読んで、高所作業車での仕事に興味を持っていただけたらと思います。