大型トラックの馬力/トルク/回転数を国内4大メーカーで比較!【エンジン性能の基本情報あり】

   

大型トラックを選ぶとき、やはりエンジンの性能は気になるところですよね。ここでチェックするポイントが馬力などではないでしょうか。

そこで今回は、大型トラックの馬力やトルク、排気量などの基礎知識と、4大メーカーで馬力や排気量などを比較してわかりやすくご紹介したいと思います。

エンジンの性能の基礎知識

それでは、大型トラックの馬力のもととなるエンジンの性能について解説していきます。

加速する力がわかる「トルク」

エンジンは、シリンダー内のピストンの上下運動をクランクシャフトで回転運動に変換してトランスミッションに伝えるわけですが、このクランクシャフトを回そうとする力がトルクです。

自転車に喩えるなら、ペダルを踏み込む力だと思ってください。自転車で坂道を登るときには、強くペダルを踏む必要がありますよね。逆にいえば、ペダルを踏む力が強ければ強いほど、出だしが良くなります。

同じように、車もトルクが高ければ出だしが良くなります

どれだけタイヤを回せるかが分かる「回転数」

回転数とは、文字通りクランクシャフトが1分間に何回回るかの数値を「rpm」という単位で表したものです。1分間に1回回れば1rpmということですね。

自転車で喩えるならば、1分間にどれだけペダルを踏んで回したかです。自転車のペダルを踏むとき、その人の足の長さに合っていなければ、いくら同じ力(トルク)で踏んでも上手く回すことはできません。

つまりトルクだけ大きくても、回転数が低ければスピードに乗ることはできないのです。

エンジン性能の高さがわかる「馬力」

馬力とは、簡単にいえば「回転させ続ける力」です。自転車なら「ペダルを漕ぎ続けられる力」ですね。

「ある決められた時間内に、どれくらい重い荷物をどれくらい遠くまで運ぶことができるか」の力を、馬に換算したら何頭分に匹敵するかを示したものです。このことから、馬力が高ければエンジン性能も高いということがわかりますね。

計算方法は「トルク×回転数」で算出します。ちなみに1馬力は「75kgの物を1秒で1m動かす力」です。

調べ方を知りたい!馬力やトルクの見方を知ろう

自分の大型トラックが馬力やトルクが、どのくらいあるのか知りたいですよね。具体的にどの様に見ればいいかを解説していきます。

トルク

トルクの単位はN・m(ニュートンメートル)で表されます。かつてはkgf・mで表記されていましたが、1993年に国際規格のN・mに統一されました。1N・mは0.10197kgf・m。約10kgf・mです。

2005年に発売された「いすゞGIGA」に搭載されたエンジンの最大トルクは1,422N・m/1,400rpmです。これは、1分間に1,400回転した場合、1,422N・mのトルクが出るということです。

回転数

回転数のrpmは「rotations per minute」の略で、日本語にすると「回転毎分」です。

前述のいすゞGIGAでいえば、最大トルク値の回転数は1,400rpm。ポルシェ911カレラSで5,600rpmですから、スポーツカーの方が圧倒的に回転数が多いということですね。そう考えると、ディーゼルエンジンの大型トラックが、いかに少ない回転数で大きな力が出せるかがわかります。

馬力

日本では、1馬力は750Wとされていました。ところが1999年に国際基準であるWの使用が義務付けられ、エンジンなどの内燃機関には暫定的に仏馬力のPSという単位を併記することが認められました。

これはドイツ語で「馬の力」という意味のPferde Starkeから取ったものです。この新計量法で1PSは750Wと定められており、かつて日本で使用されていた1馬力とは若干の違いがあります。

排気量が少ないエコ大型トラックが人気!?

大きい排気量はエンジン性能が高く回転数が少ないのが基本

排気量とは、シリンダー内に取り込める空気と燃料の量です。ですから、排気量が上がれば当然ながら燃焼室内の爆発力も大きくなり、その分トルクも大きくなります。

トルクが大きくなれば少ない回転数でも車を動かす力を得られるため、アクセルを強く踏み込む必要がなくなります

大型トラックは重い車体に10t以上の荷物を積んでも走れるように、9,000cc~30,000ccという大きな排気量であることが一般的です。排ガス規制前は20,000cc前後が当たり前でした。

大型トラックのエコエンジンがトレンド

大型トラックには大きな排気量が必要なのですが、排ガス規制の影響もあり、近年はトラックのエンジンもエコ化してきています。巨大だったエンジンは年々ダウンサイジングしており、ターボチャージャーを搭載することでトルクを向上したのです。

現在は各メーカーがエコ化に取り組んでおり、なんと排気量7,697ccの大型トラックも登場しました。

エコエンジンのエンジン性能は問題ないの?

ターボチャージャーとは「過給機」のことで、シリンダー内に強制的に空気を送り込む過ことで、排気量以上の爆発を起こすことができます。

排気ガスを利用してタービンを回すため、排ガス低減につながるだけでなく、燃焼効率も上がるために燃費が改善されるという、まさにエコというわけです。

ターボの導入で低排気量でもエンジン性能は大きく上がり、特に低回転域でのトルクが向上しました。時代は今やエコトラックなのです。

国内4大メーカーの馬力や排気量を比較

日野「プロフィア」

ダカールラリーのトラック部門で初参戦から完走し続けているだけでなく、何度も優勝している経験を持つ日野自動車が誇る、トップクラスの馬力を持つ大型トラックです。

  • 排気量:13L (12,913cc)
  • 最高出力:265kW(360PS)/17,00rpm~302kW(410PS)/1,700rpm
  • 最大トルク:1,863N・m/1,100rpm~2,157N・m/1,100rpm

9Lモデルは、ツインターボにより380PSの最大出力を実現しました。エンジンのダウンサイジングにより310kgもの軽量化に成功しており、そのことも燃費向上につながりました。

  • 排気量:9L(8,866cc)
  • 最大出力: 279kW(380PS)/1,700rpm
  • 最大トルク:1,765N・m/1,100~1,400rpm

UD「新型クオン」

ボルボの完全子会社として、日本でも特に重トレーラーなどでトップクラスのシェアを誇るUDのトラックは、馬力が高いことが特徴です。13Lエンジンを搭載したモデルでは、なんと450PSもの最大出力があります。

  • 排気量:13L(12,777cc)
  • 最大出力:331kW (450PS)/1,800rpm~353kW(480PS)/1,800rpm
  • 最大トルク:2,157N・m/1,200rpm

11Lモデルは、低回転域はもちろん、幅広い回転域での力強いトルクが持ち味です。

  • 排気量:11L (10,836cc)
  • 最大出力:257 kW(350PS)/1,800rpm~309kW(420PS)/1,900rpm
  • 最大トルク:1,442N・m /1,200rpm~2,000N・m/1,000-1,400rpm

いすゞ「ギガ」

長い歴史を持ついすゞ自動車は、乗用車事業から撤退してトラック事業に専念したことから、国内の収益力トップの座を誇っています。いすゞはディーゼル技術が優れており、GIGAはドライバーからも人気の大型トラックです。

  • 排気量:10L(9,839cc)
  • 最大出力:243kW(330PS)/2,000rpm~294kW(400PS)/1,800rpm
  • 最大トルク:1,422N・m/1,400rpm~1,765N・m/1,200rpm

日本のトラックメーカーで、初めて7,790ccという小型のエンジンを搭載したのがGIGAです。発表された2015年の東京モーターショーでは大きな話題となりました。

  • 排気量:8L(7,790cc)
  • 最大出力:250kW(340PS)/1,800rpm
  • 最大トルク:1,422N・m/1,300rpm

三菱ふそう「新型スーパーグレート」

三菱自動車工業から独立している三菱ふそうのトラックは国内でも人気がありますが、特に海外でのシェアが大きく、世界のトラック市場ではトップクラスのシェアを誇っています。

ダイムラーの傘下に入ったことで、ダイムラーベンツのエンジンやテクノロジーが満載のトラックとなっています。

  • 排気量:10.7L(10,676cc)
  • 最大出力:265kW(360PS)/1,600rpm~315kW(428PS)/1,600rpm
  • 最大トルク:2,000N・m/1,100rpm~2,100N・m/1,100rpm

なんと7.7Lというエンジンの小排気量化を実現したモデルがあります。前モデルから540kgの軽量化を実現し、MTが廃止されました。

  • 排気量:7.7L(7,697cc)
  • 最大出力:260kW (354PS)/2,200rpm~280kW (381PS)/2,200rpm
  • 最大トルク:1,400N.m/1,200~1,600rpm

世界最速記録が話題!モンスター級の大型トラック

海外自動車メーカー「ボルボ」の「アイアンナイト」

ボルボはスウェーデンに本拠を置く自動車メーカーで、日本でもよく見かけるブランドのひとつです。特にその頑丈さが有名ですが、それもそのはず。スウェーデンには野生のヘラジカが生息しており、そのヘラジカとの衝突を想定して設計されているのです。

そんなボルボのトラックは、今やダイムラーに次ぐ世界シェア2番手の人気なのですが、このたびボルボが製作した「アイアンナイト」というモンスタートラックが話題になっているのです。

世界最速記録と最高馬力

「鉄の騎士」を意味するアイアンナイトという名を持つトラックが何故話題になったかといえば、なんと最高出力2,400馬力、最大トルク約6,000N・mというモンスタースペックで世界最速記録を更新したからです。その最高時速は276km/h。もはやトラックとは思えません。

ちなみに更新前の世界最速記録を保持していたのも、やはりボルボのハイブリッドトラック「ミーングリーン」で、218.780km/h。自社の記録を更新し続けるボルボの挑戦は、今後も留まることがないでしょう。

まとめ

車の性能を知る際に使われる「馬力」と「トルク」ですが、その違いがおわかりいただけたかと思います。特に、車両重量が重い上に10t以上の荷物を運ぶ大型トラックは、馬力だけでなくトルクも重要ですね。

近年のトラックは、小排気量でもエンジン性能の高い車両が増えてきています。低回転で高いトルクや馬力を発揮できる大型トラックは、エコ化により燃費の向上だけでなく、運転手の負担も軽減されていっています。これからも益々エコ化が進んでいくかもしれませんね。

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