フォークリフトの爪の長さは延長できる?爪の長さを延長できるサヤフォークとは?

   

フォークリフトを運転していると、「ツメがもう少し長ければ……」と感じるシチュエーションに出くわすことが多いですよね。そんな時に活躍する「サヤフォーク」というアイテムをご存知でしょうか。

今回は、フォークリフトを運転するオペレーターの方々のために、フォークリフトのツメを延長できるサヤフォークについてご紹介していきたいと思います。

フォークリフトの爪はサヤで長くできる

サヤフォークとは、フォークリフトのツメに装着することで長さを補うことのできる筒状の器具です。名前のとおり、鞘のように被せて使用するわけですね。

取り付けの方法はツメに被せるだけなので、外すときも簡単。単純に引き抜くだけで元のツメへと戻すことができます。

さほどの労力や手間を必要とせずにツメの長さを延長したり戻したりできるので、なにかと忙しい物流現場で用いるのにも便利なアイテムだと言えるでしょう。

サヤフォークを装着すると

サヤフォークを装着することで、具体的にはどのような作業が可能になるのでしょうか。いくつか例を挙げていきますので、イメージしてみてください。

トラックの片側から積み降ろしが可能に

トラックからの荷下ろしを行っているシチュエーションを想像してみましょう。充分にスペースがある場所での作業なら、荷物に近い側へと回り込んで問題なく荷役できるでしょう。

しかし、狭い場所ではどちらか一方からしか荷役できず、片側から下ろした後にトラックを反転してもらう必要が生じてくるかもしれません。

そんなとき、サヤフォークがあると荷台の反対側までツメを届かせることができるため、片側から全て荷役することができるようになります。

奥行きのある荷物の荷役が出来る

ツメの短いフォークリフトでは、奥行きのある荷物の荷役はできません。手前側しかツメで支えることができず、荷物が不安定になるからです。無理に運ぼうとすると落として破損させてしまうおそれが生じます。

しかし、サヤフォークがあれば奥までツメが届くようになるため、安全に荷役作業を行うことが可能となります。

サヤフォークにはデメリットも

ここまではサヤフォークを用いる意味や、その便利さについて説明してきました。

しかし、サヤフォークにはデメリットも存在します。サヤフォークを使う際に気をつけなければならないポイントについて確認してみましょう。

ジャックナイフ

ジャックナイフとは、後輪が持ち上がってしまう現象のことを指します。

フォークリフトは前方のツメで荷物を持ち上げる都合上、トラックなどの自動車に比べるとジャックナイフしやすい乗り物であると言えます。ツメの先端で荷役すると特に起こりやすいですね。

サヤフォークはツメの長さを伸ばす器具なので、サヤフォークの先端で荷役すると、当然ながら重心がより前に傾くことになってジャックナイフの危険が高まってしまうのです。

作業半径が大きくなる

サヤフォークを装着している状態ではツメが長くなっているので、そのぶん作業半径がいつもより大きくなっています。

少しの操作でもツメの先端が大きく動いてしまうことになるため、周囲の人や障害物に接触してしまわないよう注意が必要です。

延長できる爪の長さはリフトの大きさで変わる

装着できるサヤフォークの長さは、リフトの大きさ、すなわちトン数によって変わってきます。

ISO規格によるとサヤフォークの長さは元ツメの長さの167%以内と定められているため、基本的により重いものを荷役できるフォークリフトほど長いサヤフォークを取り付けられることになります。

具体的には、0.5トンのフォークリフトに装着できるサヤフォークは最長1,220mm。

1トンのフォークリフトに対しては最長2,000mm。2トンのフォークリフトに対しては最長2,400mmとなっています。

サヤフォーク装着時は注意して運転しよう

先に述べたとおり、サヤフォークを装着しているときは作業半径が大きくなるため、周囲の人を巻き込んでしまったり、障害物に接触してしまったりといった危険性が増します。

また、重心が前に傾きすぎないように配慮する必要もあります。サヤフォーク装着時は細心の注意を払って運転するよう心がけましょう。

まとめ

フォークリフトに装着してツメの長さを伸ばすことのできるサヤフォークは、オペレーターにとっては作業の幅を広げてくれるありがたい器具です。

便利である反面、ツメが長くなることによるデメリットも発生するので、利点と欠点をしっかりと把握したうえで使用するようにしましょう。

【EU用】記事終わりCTA_22/09更新

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