フォークリフトのタイヤ交換方法/手順と交換時期の見極め方とは?
倉庫や工場の現場で大活躍するフォークリフト。しかし長く乗っていると、しだいにタイヤが磨り減ってきてしまいますよね。
交換すべきなのでしょうか? 交換すべきなのだとしたら、何を目安にしてタイミングを判断すればよいのでしょうか?
今回はフォークリフトのオペレーターになろうとしている方、また現にフォークリフトに乗務している方のために、フォークリフトのタイヤ交換をするメリットについて詳しく解説していきます。
Contents
フォークリフトのタイヤについて
まずは、フォークリフトのタイヤがどのような特徴を持っているのかを知るところからスタートしましょう。
フォークリフトは普通自動車などとは根本的に用途の異なる乗り物ですから、使われているタイヤの種類も違います。
ノーパンクタイヤである
一般的にタイヤと聞いて思い浮かべるのは、自転車に使われているような、内部に空気の詰まったエアータイヤですよね。
フォークリフトのタイヤとして用いられているのはそれとは違って、ゴムやウレタンを充填して成型したタイプです。
こういったタイヤのことをノーパンクタイヤと呼びます。ノーパンクタイヤの中でもいくつか種類があるのですが、フォークリフト用はゴムを2~3層重ねて作られている場合が大半と考えてください。
ノーパンクタイヤを採用するメリットはその名のとおりパンクしないこと。そもそも空気が入っていないのですから当然ですね。
また、フォークリフトは荷役のための車両ですから、小さなタイヤで重量物を運搬できるという点も重要です、
(エアータイヤは空気の量で耐荷重が決まるため、重量物を持ち運ぼうとしたら大きなタイヤを使わなくてはなりません)。
その一方で、空気が抜けたりパンクしたりといったことがないので、メンテナンスのタイミングがわかりづらいというデメリットもあり、注意が必要です。
タイヤが限界値を超えていても買取りができる?
フォークリフトのタイヤが限界を超えていても、フォークリフト自体を売却することは可能です。
ディーラー側としてもタイヤなら交換すればいいだけの話ですから、タイヤの摩耗は買い取りを拒む理由にならないわけですね。それでいて、たとえ摩耗していてもノーパンクタイヤなら走行自体はできます。
このことがために「どうせ買い換えるのだから限界まで使い倒そう」と考える事業者も多く、ディーラーが買取査定に向かったらタイヤがほとんど残っていなかった、というケースもしばしば見られます。
タイヤ交換をしなかったらどうなる?
摩耗しても走行できるのであれば、フォークリフトのタイヤを交換する必要はないのでしょうか?
もちろん、そんなことはありません。磨り減ったタイヤを使い続けた場合どんな危険があるのか、詳しく見ていくことにしましょう。
スリップしやすくなる
先程も少し触れましたが、フォークリフトはそもそも重量物を荷役するために使うものです。
したがって、フォークリフトに乗務しているときというのは基本的に「手では持てないものを運搬している」状況だと考えられます。
普通の自動車を頭に浮かべていただければ分かりやすいと思いますが、タイヤの溝が磨り減っているとスリップしやすいですよね。
ということは、フォークリフトの場合、重量物を運びながらスリップすることになるわけです。それがいかに危険であるかは言うまでもないでしょう。
まっすぐ走らない
左右のタイヤで摩耗の程度が同じになるとは限りません。路面の状態や荷物の重心、左右どちらに旋回することが多いか……など、タイヤへの負担のかかり方は職場の環境やオペレーターによって千差万別だからです。
交換時期を過ぎてタイヤを使い続けていると、前輪と後輪、右と左でタイヤの変形の程度が大きく変わってきてしまいます。
するとどうなるかと言えば、フォークリフトのバランスが崩れるため、まっすぐ進むことができなくなってしまうのです。運転の難易度が格段に上がることになるため、事故に繋がる可能性が高くなります。
フォークリフトの事故は状況しだいでは死亡や大怪我を引き起こすおそれがありますから、その意味でも限度を超えて同じタイヤを使い続けることは危険であると言えるでしょう。
交換時期の見分け方は?
フォークリフトのタイヤを限界まで使い続けるのが危険であることは理解できました。しかし、現実問題として、いつ交換すればよいのでしょうか?
実は、フォークリフトのタイヤを交換する時期に関しては、はっきりとした目安があるのです。
スリップサインが目安になる
フォークリフトのタイヤには「スリップサイン」と呼ばれる目印があります。タイヤを側面から眺めてみてください。△のマークが描かれているはずです。
それがスリップサインであり、タイヤ交換の目安なのです。タイヤが摩耗してスリップラインに到達したら、タイヤを交換するタイミングです。
スリップラインに到達している時点でタイヤの溝は摩耗しきっているはずなので、そのまま運転を続けると、上記で説明したようにスリップや蛇行といった危険が生じてきます。必ず適宜交換するように心がけましょう。
まとめ
皆さん、いかがでしたか?フォークリフトに用いられているノーパンクタイヤは、パンクの心配がなく重量物の運搬にも向いているという特徴を持っており、
限界まで使い続けても走行自体は可能であるなど、通常のエアータイヤと比較して耐久性に優れています。
しかし便利な反面、交換時期の見極めが難しいという欠点もあります。いつまでもタイヤを交換せずにいると事故の危険性が高まってしまうため、
タイヤ側面のスリップラインを確認し、摩耗が△マークの位置まで到達したら新しいタイヤに交換していくことが大切です。普段からの点検を怠らず、正しいタイミングに必ずタイヤを交換するようにしてください。