8ナンバーのトラックは維持費が安い?必要な手続き・書類をご紹介
個人で運送業を行っていると、少しでも維持費を節約したいと思うものです。そんな時にドライバー仲間から「8ナンバーは税金が安くなるらしいよ」という話を聞くと、どうなんだろうと気になるものですよね。
そこで、8ナンバーにするメリットと注意点についてご紹介したいと思います。
8ナンバーとは
自動車のナンバープレートで地域名の横に書かれている初めの数字は、自動車の「用途」や「大きさ」を表しています。例えば「1」は普通貨物車、「3」は普通自動車、「4」「6」は小型貨物車や軽貨物車といった具合です。
そこで「8」が割り当てられているのが、通称「8ナンバー」と呼ばれている車です。8ナンバー車は「特種用途自動車」に分類され、「緊急車両」「法令特定事業で使用する自動車」「その他の特種な目的で使用する自動車」の3つがあり、全部で78の形状があります。
8ナンバーの車両例
8ナンバーの車両としては、下記のようなものがあります。
「緊急車両」
警察車両、消防車、救急車、検察庁車、緊急警備車など
「法令特定事業で使用する自動車」
給水車、郵便車、霊柩車、採血車、図書館車、郵便車など
「その他の特種な目的で使用する自動車」
現金輸送車、アスファルト運搬車、冷蔵冷凍車、散水車など
「患者、車椅子利用者の輸送目的の自動車」
患者、車椅子利用者の輸送目的の自動車
「特殊な作業目的の自動車」
ボイラー車、ポンプ車、農業作業車、事務室車、電気作業車など
「キャンプ又は宣伝活動を行うための特種な設備を有する自動車」
キャンピング車、放送宣伝車など
があります。
大型トラックなどに関連したものと言えば「冷蔵冷凍車」があります。これは、冷凍機や冷蔵気を車体に載せるという改造がされているために分類では特種用途になるのです。
8ナンバーにするメリット
2000年ごろまでは、8ナンバーの車は3ナンバーの普通車などと比べると税金面で安くなるといったメリットがありました。これは、8ナンバー車は特殊な用途で使用される車のために優遇措置が取られていたことが関係しています。
しかし、税金を安くするための不正取得が横行してきました。8ナンバーの要件を満たすために一時的に改造を施し、ナンバー取得後に元に戻すという手口です。
ただ2001年以降は用件が非常に厳しくなり、簡単に8ナンバーは取得できないようになっています。自動車税や車両税ではたしかに多少安くなっていますが、用件を満たすための改造やもとに戻す手間、費用を考えればほとんどメリットはありません。
8ナンバーの注意点
8ナンバーにする際の注意点を見ていきましょう。
要件の確認と必要書類の準備
8ナンバーを取得するためには以下の条件を満たしていなければいけません。
- 特殊設備が運転席以外にあり、その面積が1㎡以上(軽自動車は0.6㎡以上)あること
- 特殊設備の面積が運転席を除く合計床面積の2分の1を超えること
- 積載スペースと乗車スペースの間に適当な隔壁又は保護仕切があること
(最大積載量500kg以下の場合は、座席の背当てでOK)
この要件を満たした上で必要な書類を揃えて運輸支局か自動車検査登録事務所に自動車と共に持ち込んで「構造等変更検査」を受けなければいけません。
必要書類とは、
- 車検証
- 自動車検査表
- 点検整備記録簿
- 自賠責保険証書
- 認印(手続き代行の場合は委任状)
- 申請書(2号様式)
- 手数料納付書 ※審査料として1,700円、車検証交付料として400円の合計2,100円
- 自動車重量税納付書
- 自動車税納税証明書
になります。
8ナンバーを取得するタイミング
8ナンバーを申請する際には「構造変更」の手続きを行わなければいけません。この検査は通常の車検時に行われる電気系統、ブレーキ、各種計器などの検査に加えて「変更箇所」の検査が行われるものです。
つまり、これだけを単独で受けるよりも車検と同時に手続きをする方が、二度手間を防げるということになります。もし8ナンバーを申請するのであれば車検のタイミングで行いましょう。
まとめ
現在、特殊車両などを除いて日常で車を使用する際に8ナンバーを取得することはほとんどなくなっています。唯一あるとすればキャンピングカーくらいです。
自動車税や車両税は多少安くなるというメリットはありますが、民間の任意保険などはむしろ8ナンバーの車の方が高いこともありますし、改造するのにも費用がかかるために実質的なメリットはほぼないと言えるでしょう。