貨物自動車運送事業法とは?違反した場合の罰則や行政処分についても解説!

   

貨物自動車運送事業を行うためには、法律に従い、国土交通大臣の許可を受けなくてはならないのが本来の定め。

しかし実際のところ、中には違法行為を繰り返している方もいるのが現状です。こういった違法行為に対しては厳しい罰則が定められていることをご存知でしょうか?

今回は貨物自動車運送事業法について詳しく知りたいという方のために、違反行為をしていた場合にどのような処分が下されるのかについて紹介していきたいと思います。

貨物自動車運送事業とは?

まずは大前提を確認しておきましょう。そもそも「貨物自動車運送事業」というのは何を指す言葉なのでしょうか。貨物自動車運送事業法の第二条を見てみると、次のような条文となっています。

「この法律において『貨物自動車運送事業』とは、一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業及び貨物軽自動車運送事業をいう」

つまり簡単に言えば、自動車を使って貨物を運送する事業を「貨物自動車運送事業」と表現しているわけです。まさしく文字どおり……といったところでしょうか。

なお、貨物自動車運送事業は次の3つに分類されます。他人の需要に応じて自動車で貨物を運送するのが「一般貨物自動車運送事業」。

特定の者の需要に応じて自動車で貨物を運送するのが「特定貨物自動車運送事業」。

他人の需要に応じて軽自動車もしくは二輪車で貨物を運送するのが「貨物軽自動車運送事業」です。同じような業務を行っていても事業区分としては異なりますから注意が必要です。

貨物自動車運送事業法の目的

貨物自動車運送事業法の目的は、貨物自動車運送事業の運営を適正かつ合理的なものとすることにあります。

また副次的には、民間団体などがこの法律を遵守するために自主的な活動を行うことで、貨物自動車運送事業が健全に発達していくであろうという期待も込められています。

業界を健全化することによって公共の福祉の増進を図るわけですね。逆に言えば、この法律が守られないと貨物自動車運送事業が非合理に運営されることになります。

そういった事態は公益に反するので、それを防ぐために、違反行為に対しては厳しい罰則が設けられているのです。

貨物自動車事業において3つの重大違反と罰則について

貨物自動車運送事業法において違反とされている行為には幾つも種類がありますが、中でも重大とされているものが3つ挙げられます。順番に見ていくことにしましょう。

無許可営業

一つめは無許可営業です。貨物自動車運送事業はその性質上、公道を利用して業務を行うことになりますし、事故を起こしてしまった際の影響も甚大です。

こうしたことから、事業を始めるにあたっては国土交通大臣の許可を得なければならないと、貨物自動車運送事業法に明記されているのです。

無許可営業を行った場合、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金が科せられます。また、特に悪質なケースでは併科されることもあります。

名義貸し

二つめの重大違反は名義貸しです。ナンバー貸しと表現されることもあります。

具体的にどんな状況が名義貸しにあたるのかと言うと、雇われていないドライバーが自分のトラックを運送会社に増車してもらい、その会社の名義の車検証にしてもらっているようなときです。

ドライバー側は緑ナンバーを得られますし、運送会社側は何もしなくてもお金が入ってくることになるため、双方にメリットがあるわけですね。

しかし、これは違法です。このような行為が横行しては業界の秩序が保てませんし、過労運転に繋がるおそれもあるからです。

名義貸しを行った場合、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金が科せられます。悪質なケースでは併科されることもあります。

運行管理者が未選任

三つめは運行管理者がまったく選任されていない場合です。ドライバーを管理するうえで運行管理者の資格を持つ者は不可欠。営業所の規模によって必要とされる人数は変わりますが、

少なくとも一人は運行管理者を置いていなければ貨物事業者運送事業を営むことはできないと法律で定められています。運行管理者不在のまま営業を行った場合、150万円以下の罰金に処されます。

ほかにもある貨物自動車運送事業法違反

先に挙げた3つほど重くはありませんが、罰則を科される違法行為は他にもあります。代表的な例を紹介しましょう。

乗務時間違反

乗務時間の基準が著しく遵守されていない場合、貨物自動車運送事業法違反として摘発されるおそれがあります。

運行管理者の試験勉強をしたことのある方であればご存じかと思いますが、ドライバーの連続運転時間や休憩時間、休息時間は法律によって厳格に制限されているのです。

特に昨今では、運送会社におけるドライバーへの負担の重さが社会的に問題視されています。取り締まりが厳しくなってきていると考えたほうがよいでしょう。

点呼を行わない

やはり運行管理者の資格を持っている方にとっては常識と言えますが、ドライバーに対してはその日の乗務前と1日の乗務終了後にそれぞれ点呼を行わなくてはなりません。

また、遠隔地へ走らせるときは中間点呼が必要となる場合もあります。これらの点呼がまったく行われていない場合、貨物自動車運送事業法違反となります。

こんな場合は注意が必要

以上の規定を踏まえて、具体的にどのようなケースが問題となり得るのかを確認していきましょう。

白ナンバーでの輸送行為

輸送の対価として運賃を得る場合は、営業ナンバーを取得する必要があります。いわゆる緑ナンバーですね。

ということは、白ナンバーで輸送行為を行うことはそもそも違法であるわけです。先で挙げたうちの「無許可営業」にあたるからですね。白ナンバーでの輸送は重大な違法行為なのです。

ただし、これには例外もあります。要するに営業行為としての輸送でなければいいのですから、運賃の発生しない走行、たとえば自分自身で使うものを運ぶような場合には白ナンバーでも罰せられることはありません。

運送会社へのトラックの持ち込み

個人でトラックを所有している方が、白ナンバーでは仕事を請けられないからと運送会社にトラックを持ち込むことがあります。しかし、これは違法です。

というのも、このケースはまさに先程「名義貸し」として紹介した状況にぴったりと符合するからです。

名義貸しの罰則は3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、または併科でしたね。くれぐれも抵触しないようご注意ください。

まとめ

貨物自動車運送事業法は細かく規定が決まっているため、知識を仕入れていないと知らず知らずのうちに違反を犯してしまうことがあります。

しかし、罰則を受けて仕事ができなくなってしまっては元も子もありません。

自分の仕事に関する法律については正しい知識を身につけておきましょう。それもまたプロのドライバーとしての責務です。

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