優良運転者は表彰されるとどんなメリットが?ゴールド免許と一般免許の違い
車を運転するための資格である運転免許証。
有効期限が近づくと通知が送られてきますが、講習の受講区分に違いがあるのはご存知ですか?
区分が「優良」となっている場合、あなたは優良運転者となります。
では、優良運転者にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
そこで今回は、優良運転者になるための条件やメリットなどを解説していきます。
Contents
優良運転者って何?
優良運転者とは、過去5年以内に交通違反点数が加点されたことのない運転者のことです。
「5年間無事故・無違反である」とよくいわれますが、点数が加点されない事故や違反があった場合でも、優良運転者となります。
つまり免許証不携帯や泥はね運転などは反則金のみで違反点数の累積がないのです。ある意味「違反」ではなく「反則」であると解釈できますね。
優良運転者になると免許証が「優良運転者免許証」となり、有効期限記載部分の帯が金色になります。
これが一般的に「ゴールド免許」と呼ばれる免許証です。
優良運転者になるための正確な無事故・無違反の期間は、更新する誕生日の40日前に判定を行うため、更新する年の誕生日の41日前から遡って5年間です。
優良運転者の表彰制度
優良運転者の表彰制度とは
交通安全協会に入会していると、優良運転者である期間に応じて、全国各地区の交通安全協会による表彰制度があります。
表彰の条件を満たすと、入会している地区の安全協会から通知が送られてきます。
通知に沿って手続きを進めることで、管轄している警察署での表彰を受けることができます。
交通安全協会に加入していなければ、優良運転者である期間がどれだけ長くても、表彰の対象とはなりません。
交通安全協会への加入は、免許証の更新時に窓口で受け付けているケースがほとんどですが、協会に問い合わせて入会手続きを取ることもできます。
表彰をもらうためには各地域で条件が違う
優良運転者表彰制度の対象となる条件は、各地域によってまちまちです。
例えば埼玉県では「10年以上無事故・5年以上無違反」であることが条件です。
また、無事故・無違反の期間によって、表彰のランクが上がっていく地域もあります。
大阪府のように「いつも自動車を運転していること」が条件となっている都道府県もありますし、警察が行う安全運転講習を受講していることが条件となっている地域もあります。
自分が加入している交通安全協会がどこの地域のものかを確認して、該当する交通安全協会の表彰条件をインターネットなどで調べてみましょう。
→各地域で条件が違ったりするため、自分の地域で調べるのが良いことなどを紹介してください。
表彰されるためには申請が必要
表彰を受けるためには、加入している交通安全協会から送られた通知に従って申請をする必要があります。
この申請手続きには、費用がかかります。
費用や手続きの内容も地域によって違いがあります。
例えば東京都なら、最寄の警察署でもらえる優良運転者推薦書に記入し、東京都の自動車安全運転センターから有料で無事故・無違反証明書を取り寄せる必要があります。
推薦書の推薦人は自分でも大丈夫です。
これらの書類に免許証のコピーを添えて警察署の交通総務課に提出する流れになります。
もちろん表彰を受けなくても何の問題もありません。
優良運転者として表彰されるメリット
賞状やバッジ・ステッカーなどがもらえる
表彰の内容にも地域によって違いますが、賞状やバッジ、ステッカー、プレート、トロフィーなどを貰うことができます。
ステッカーは車に貼ることもできますし、プレートを車のフロントに表示することで優良運転者として表彰されていることをアピールすることができます。
ただし、これらのものは有償であることがほとんどです。
そう考えると不要なもののように感じられるかもしれませんが、トラックドライバーやタクシードライバーのように運転することを仕事としている場合は、優良運転者として表彰されていることは大きなメリットです。
違反時の刑罰軽減はない
「優良運転者として表彰された際のステッカー等を貼っていると、軽微な違反は見逃してもらえる」という都市伝説のようなものを耳にすることがありますが、実際にはそんなことはありません。
また、過去にそのようなことがあったという体験談を見聞きすることもありますが、そちらも信憑性は怪しいものです。
単に物損事故だったから刑事罰や行政処分の対象にならなかったことを「優良運転者のステッカーを貼っていたから許された」と勘違いしていることもあります。
何よりも、優良運転者であるなら違反をしないように意識を高く持つ必要があります。
優良運転者になって得られるメリット
有効期限が変わる
表彰を受けるかどうかは別として、優良運転者になってゴールド免許を手にすることで得られるメリットはいろいろあります。
まず、免許証の有効期限が70歳以下は5年になります。
更新年に71歳だった場合は4年、72歳以上は3年です。
一般運転者に交付されるブルーの免許証の有効期限は基本的に3年です。
ただし特例があり、過去5年間に反則点数が3点以下の違反を1回だけしたという場合は、有効期限が5年になります。
また、新規取得者のグリーンの免許証は3年です。
免許更新時の講習時間と料金が変わる
ゴールド免許最大のメリットともいえるのが、免許更新時の講習時間と料金です。
一般運転者は更新時に1時間の講習を受けなければなりません。
さらに違反者区分となると、講習時間は2時間になります。
ところが優良運転者の講習時間は30分です。
さらに、講習の受講費用も大きく変わります。
一般運転者は800円、違反者と初回更新者は1350円の受講費用がかかりますが、優良運転者は500円です。
その他に更新手数料の2500円がかかるのは、どの区分でも同じです。
自動車保険が割引される
ゴールド免許のもうひとつの大きなメリットは、自動車保険料の割引です。
保険会社や契約している保険内容によって割引率は違いますが、3~10%程度の割引を受けることができます。
自動車保険は、もしもの時のために必ず入っていたいもの。
けれど、保険を使わなければならない事態に陥ることがなければ、その保険料は掛け捨てになります。
そういうことを考えると、保険料が安くなるゴールド免許のメリットはとても大きなものになります。
SDカードがもらえる
無事故無違反を続けていると、SDカードというものが貰えます。
これは自動車安全運転センターが発行するもので、「Safe Driver Card」の略。
自動車安全運転センターに無事故・無違反証明書や運転記録証明書の発行を申し込むと、無事故・無違反期間に応じて交付してもらえるものです。
このカードを持っていると、「SDカード優遇店」の表示がある店舗で割引を受けることができます。
旅行や飲食、レジャー、冠婚葬祭、レンタカーなどあらゆる場面で割引をうけられます。
優良運転者に関するQ&A
優良運転者の表彰はどんな人がもらうの?
車を運転する仕事に携わっていないとあまりメリットを感じられないかもしれませんが、タクシードライバーやトラック運転手などの仕事に就いている人にとっては、優良運転者であることはとても大切です。
日常的に運転をしているにもかかわらず無事故・無違反を継続しているということは、仕事上で大きな信用に繋がります。
また、優良運転者が多い会社はそれだけで信頼性が高くなるので、会社として表彰を受けることを推奨していることもあります。
表彰申請書が届いたら必ずする必要はあるの?
優良運転者の表彰は、必ずしも受けなければならないものではありません。
表彰を受けるメリットを感じられなければ、通知を受け取っても手続きをせずにおくことも可能です。
そもそも交通安全協会に加入していなければ、表彰の対象にもなりません。
SDカードの交付も、受けなくても問題はありません。
優遇店ごとに「発行から1年」「発行から3年」などの決まりがありますが、カード自体に有効期限はありませんので更新も必須ではありません。
まとめ
優良運転者であるということは、様々なメリットがあるというだけでなく、運転に関わる仕事をする上ではとても大切なことです。
表彰やSDカードの交付は受けなくとも、免許証の区分が「優良」のゴールド免許は、日常的に運転をしている人にとっては安全運転の証です。
一般ドライバーの模範になるような運転に努め、ゴールド免許を保持できる運転者でありたいですね。
なお、いくら優良運転者でも、免許証の更新を忘れると失効してしまいますので、忘れないように気をつけましょう。