「ちょんまげ」「海コン」「カプラー」の意味とは?定義や由来をわかりやすく解説!
ひとまとめに「トラック」や「コンテナ」と言っても、実は種類ごとにそれぞれ違った名前があります。そうした名称の中にはトラック業界でのみ通用する専門用語もあるため、ドライバーとして働くなら新しく覚えなくてはいけないことも。
そこで今回は、そうした専門用語の中から「ちょんまげ」と「海コン」、そして「カプラー」の3つをピックアップして紹介させていただきます。
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「ちょんまげ」の意味とは
運送業に携わる人間の口から「ちょんまげ」という言葉が出た場合、それはクレーン付きのトラック、すなわちユニック車のことです。
由来は言わずもがなでしょう。キャビンの上にクレーンが設置されている様子が、まるで昔の武士の髪型「ちょんまげ」のように見えるために、ドライバーの間でこう呼ばれるようになったのです。
「ちょんまげ」は3種類ある
「ちょんまげ」、つまりユニック車には大きく分けて3つの種類があります。それぞれクレーンの構造が異なっているのです。
まずは「クレーン付き」と呼ばれるタイプ。キャブと荷台の間にクレーンが取り付けられているトラックのことで、ユニック車の中では最もポピュラーなタイプです。
次に「簡易クレーン」。こちらは荷台の上にクレーンが載っているタイプを指します。小型トラックに多く、吊りトン数も比較的軽量です。そのぶん小回りが利くため、都市部の狭小地では重宝します。
最後に「ハイジャッキ」です。長いハイアウトリガーを備え、車体が斜めになることが特徴です。段差があるところで使用できるというメリットがあります。
「ちょんまげ」の2大メーカー
「ちょんまげ」のトラックを生産しているメーカーは主に2つあります。
一つめが古河ユニックです。ユニック車を生産しているから社名にユニックがあるわけではなく、順序はむしろ逆。古河ユニックがトップシェアを占めていたために、クレーン付きトラック全体が「ユニック車」と呼ばれるようになったのです。
古河ユニック製の「ちょんまげ」の特徴は、燃費の良さと静音性。周辺の環境に配慮したつくりが魅力です。
二つめのメーカーがタダノです。クレーンの軽量化、荷振れ補正装置の搭載など、オペレーターにとっての操作性の良さに強みがあります。
どちらのメーカーの「ちょんまげ」なのかはクレーンの色で識別できます。
- 古河ユニック製・・・赤いクレーン
- タダノ製・・・青いクレーン
一目瞭然ですね。
「海コン」の意味とは
「海コン」は「海上コンテナ」を略して言う用語です。したがって読み方は「かいこん」です。輸入品や輸出品を運ぶための大型コンテナですね。その用途から、「海上コンテナ」の呼び名のとおり、港湾施設でよく見かけます。
「海コン」を運ぶときは注意が必要
先程述べたとおり、海コンは大型のコンテナです。その大きさは、道路交通法で定められた規定の高さを超過してしまうほど。したがって、運行する際には特別な許可が必要となります。
特殊車両通行許可というのですが、これを取得することなく走ってしまうと違反になりますから注意してください。また、申請したルート以外を走ってはならないことも覚えておかなくてはいけません。
「海コンドライバー」の仕事は?
海コンドライバーと普通のトラックドライバーとの大きな違いは、海コンドライバーには積み下ろし作業がないことです。考えてみれば当然の話で、そもそも海コンは大きすぎて人間が手で扱えるものではありません。
基本的には運送のみ行い、積み下ろしはクレーンに任せることになります。体力的な面では楽ができると言えるでしょう。
ただし、クレーンが作業を行っている間は仕事がないため、手持ち無沙汰になってしまいます。拘束時間が長くなるため、日に何度も往復することは難しいと言えます。待っている間に仮眠を取るなど、待ち時間を有効に使う工夫が求められます。
「カプラー」の意味とは
「カプラー」とはトレーラーの連結装置の一つです。
トレーラーヘッドと台車を連結するのですが、トレーラーヘッド側についている装置をカプラーと呼びます。カプラーとキングピン(後述)を連結させることによって、トレーラーを牽引することができるようになります。
「カプラー」を頻繁に使う人は誰?
トレーラーは大型の荷物を運搬するときによく使われます。「カプラー」はトレーラーの部品なので、当然、トレーラーを運転する人は頻繁に用いることになるでしょう。
ちょうど先程紹介した「海コン」が大型の荷物でしたよね。したがって、海コンドライバーにとって「カプラー」は馴染み深い用語であると言うことができます。台切と連結が不可欠ですから、仕事のたびに取り扱うことになるでしょう。
合わせて覚えたい「キングピン」とは
先程「トレーラーの連結装置のうち、トレーラーヘッド側についているのがカプラーである」と述べました。
一方、台車側についている装置を「キングピン」と呼びます。「カプラー」と「キングピン」は対応している関係なので、操作方法だけでなく名前も二つセットで覚えておくとよいでしょう。
まとめ
皆さん、いかがでしたでしょうか?
「ちょんまげ」「海コン」「カプラー」どれも重量物を取り扱う仕事と関わりの深い言葉であるとわかっていただけたのではないでしょうか。
大型トラックやトレーラーを運転するなら耳にすることが多いであろう用語ですから、ぜひこの記事を参考にして覚えていってください。