口割れ・乗越・天地無用の意味とは?用語の定義や由来を解説!
各業界ごとに、専門用語はありますが、トラック業界でも、ご多聞に漏れず、あります。普段には、聞き慣れない用語が多く、その意味は、トラックドライバーとしては知っておくべき用語ばかりです。
良い意味の用語もあれば、悪い意味として、使われる用語もありますよね。そこで今回は、あまり使いたくない用語の「口割れ」や「乗越」と、荷物を運ぶときや積荷作業で注意すべき「天地無用」の3つの用語をご紹介します。
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「口割れ」の意味とは?
「口割れ」とは、複数個の荷物を、同時に同じ宛先に配達してほしいときに、何らかの理由で、個数が足りなくなることです。
その際、主たる荷物に「親伝」と呼ばれる伝票、その他の、場合によっては1個ないし複数個の荷物に張られるのが、「子伝」と呼ばれる伝票です。
合わせて覚えたい「親伝」「子伝」とは?
上記1.で出てきた、「親伝」とは、いわゆる送り状です。複数枚からなる伝票で、1番上の伝票には、発送日、宛先の住所・氏名、依頼主の住所・氏名、お届け希望日・時間帯、個数、重量、などが、詳しく書かれています。
複数枚の中には、依頼主控え、配達先控え、受領印用伝票などが、含まれます。次に、「子伝」とは、「荷札」とも呼ばれ、先の「親伝」と同じ内容の、最低限度のことが、簡潔に書かれています。こちらは、だいたいが、1枚のシールからなります。
「口割れ」が起こる主な原因
「口割れ」が、起こる主な原因は、いくつか挙げられます。まず、発送店から配達店までの輸送で、違う便に載ってしまう場合があります。
その場合は、本来の経由店とは異なる店に着いてしまい、最悪の場合、その経由店に荷物が、残荷してしまい、先についた荷物の翌日にならないと、荷物がそろわない、などの事態になります。
また、経由店が無く、時間差の便に載ってしまった場合にも、日にちは同じ日に着きますが、一方が、朝着いていて、もう一方が、昼過ぎに着くといった場合、配達先で、「午前中に欲しい」などと、言われると、対応に苦慮する場合があります。
そして、他には、配達ドライバーが、荷物を見落として、個数の確認もせず、配達先で、口割れに気づく、といった場合も、考えられます。
「乗越」の意味とは?
「乗越」とは、荷物が間違った営業所に届いてしまうことです。運輸会社の支店間のドライバーの路線ミスか、伝票の書き間違えなどによって発生します。
依頼主や、配達先のミスであれば、理由をつけて、後日の配達にできますが、運輸会社のミスでの乗越は、
例えば、期日厳守のお客様であれば、事務員やフリーのドライバーが、間違って到着してしまった支店まで、取りに行き、配達するなどの対応が、必要になってきます。
自動出力の会社は「乗越」がほぼない
運輸業界でも、大手の佐川急便、クロネコヤマトなどは、伝票を自動出力しており、伝票の書き間違いなどによる乗越は、ほぼありません。
私は、約10年ほど、南東北福山通運の某中核支店に、事務員として勤めましたが、福山通運も、自動出力のお客様では、乗越は、めったにありませんでした。
しかし、手書きの伝票でドライバーの携帯端末で入力する際は、その入力で間違えたりすると、乗越が発生する、ということは、ありました。ちなみに、福山通運では、「乗越」ではなく、「誤着」と呼んでいました。
「天地無用」の意味とは?
「天地無用」とは、荷物の梱包の外側に記載、あるいは、専用のシールなどを貼って、荷物の上下を逆さまにすると破損する恐れがあるからしてはならないと警告することです。
ここで言う、「天地」は、上下の意です。荷物や紙、書籍などの上部と下部のことです。「無用」は、してはならない、取り扱ってはいけない、といった意味です。
「天地無用」の注意点
「天地無用」の、「天地」が、「上下」を表すことがわかる方は、多いです。ただ、「無用」を「いらない、必要ない」といった意味だと思う方が、少なくなく、
「天地無用」を、「上下は、気にすることはない」といった、本来の意味とは、反対の意味にとらえる方が、いますので、注意が必要です。
まとめ
さて、ここでは、運輸業界では、ネガティブな意味を持つ、「口割れ」「乗越」「天地無用」について、その意味や、詳細などに触れてきました。
他にも、いわゆる業界用語は、たくさんあります。この3語をきっかけに、運輸業界にご興味を持っていただければ、幸いです。