トラックのロープの種類はどれだけあるの?状況に合わせたロープの選び方

   

トラックに荷物を積んで運ぶ仕事をしていると、ロープを使う場面が出てくるはずです。

この記事ではトラックドライバーとしての就職を考えている方のために、業務で用いられるロープの種類に関して、素材や結い方、用途に合わせた選び方などをわかりやすく説明していきます。

トラックのロープの種類を選ぶ意味

そもそも、なぜロープがそこまで多くの種類に分かれているのでしょうか。まずはロープを使い分ける意味を押さえておきましょう。

荷物を安全に積める

ロープを作っている素材の違いによって強度など特性に差が出てくるため、用途に適したロープを選ぶことでより安全に荷物を積み込むことができます。

スムーズに結ぶことができる

たとえば、ビニロンロープという種類があります。このタイプのロープは滑りにくいという特徴を持っているため、取り扱いがしやすく、スムーズに結ぶことができます。

他にも吸水性に優れたロープや軽さが売りのロープなど、様々な種類があるため、用途やシチュエーションによって適切なものを選ぶことで、スムーズに作業を行うことができます。

ほぐすときも簡単に作業できる

取り扱いがしやすいということは、もちろん結ぶときだけではなく、ほぐすときも簡単に作業できるということです。

  • 固いものを積むときに適したロープ
  • 雨の日に適したロープ

など、それぞれの特徴を把握して使い分けることができれば、あなたの作業効率は無視できないレベルでアップするでしょう。

トラックのロープの種類について

様々なロープの中から適したものを使い分けるのが有効であることは分かりました。では、実際にはどの程度の種類があるのでしょうか。具体的に一つ一つ見ていきましょう。

ビニロンロープ

まずは先程も少し触れたビニロンロープ。名前が示すとおり、合成繊維であるビニロンで作られたロープです。トラックの仕事で使われるロープとしては最もポピュラーな材質のロープであると言ってよいでしょう。

ビニロンロープの特徴は、

  • 滑りにくいこと
  • 強度が高いこと

です。この特徴によって扱いやすさを実現しており、家具などを荷台に固定する際に便利なものとなっています。

マニラロープ

マニラロープとは、マニアアサの繊維で作られたロープです。多くのロープが化学繊維製である中で、マニラロープは珍しく天然繊維でできています。充分な軽さと強靱さを備えているほか、熱や摩擦に強いという特徴をもっています。

しかし、最大の特徴は何と言っても吸水性に優れていること。このことからトラックだけでなく、大型船舶や漁業といった場でも利用されてきました。

トラック輸送の現場においては、園芸植物を荷台に縛り付ける際などに使われることが多いようです。

リキロンロープ

リキロンロープとは、ポリエステルとポリエチレンという二種類の化学繊維を混合させて作られたロープのことです。薄いオレンジの色合いが目印です。

最大の特徴は、その軽さ。他のロープと比較してきわめて軽量なため、取り扱いがしやすく、積み下ろしの頻度が多い近場の配送などでは大いに重宝します。

縄ばしごの材料に使われるほど強度もあるため、結んだりほどいたりを繰り返しても損耗しにくいという理由もあります。どんな荷物にも対応できる汎用性の高いロープと言えます。

ポリプロピレンロープ

ポリピロピレンロープとは、合成繊維のポリプロピレンで作られたロープのことを指します。ポリプロピレンはPPという略称のほうが通りがいいかもしれません。

梱包の際にPPバンドを使って結束したり、逆に梱包を解く際にPPバンドを切ったりした経験がある方は多いかと思いますが、あれの材質がこのポリプロピレンです。

特徴は、合成繊維の中でもひときわ高い強度です。トラック以外には漁業現場で使われているところをよく見かけます。

また、水を吸い込まないという特徴をもっているので、濡れているものや水分に弱いものを運ぶときに使うと便利です。漁業で用いられている理由でもありますね。

標識トラロープ

標識トラロープとは、黄色と黒の縞模様のロープです。その見た目がトラの模様のように見えるためトラロープと呼ばれています。立入禁止などの標識用に使うのが本来の用途であるため「標識トラロープ」というわけですね。

あくまでも標識用に使うことを想定したロープであるため、荷物を縛ったり吊るしたりといった作業には向きません。伸縮性がなく、結んでも比較的簡単にほどけてしまいます。

どうしてもトラロープで固定しなければならない状況に陥ったときは、強固な結び方をしたうえで、ビニールテープなどで補強することをおすすめします。

ポリエチレンロープ

ポリエチレンロープとは、読んで字のごとく合成繊維のポリエチレンで作られたロープのことです。ポリロープ、PEロープと呼ばれることもあります。

  • 軽量で水に浮く
  • 腐食しない

という特性を持っています。もっとも、こちらも先程の標識トラロープと同様、トラックの作業には不向きです。

というのも、そもそも標識トラロープの材質がポリエチレンなのです。つまり、ポリエチレンロープの特徴は標識トラロープのそれと一緒であると言うことができます。強度はあるものの、硬く滑りやすいため結束向きのロープとは言えません。

トラック用ロープの結い方の種類

ロープの材質だけではなく、結い方にもいくつかのバリエーションが存在します。

糸を撚ったものを「ヤーン」、ヤーンを数十本束ねて撚ったものを「ストランド」と言い、ストランドを撚ったものがロープなのです。たとえば「3打ちロープ」であれば、ストランド3本を使ったロープということになります。

それぞれどういった特徴があるのかを確認してみましょう。

3打ちロープ

前述のとおり、ストランド3本を撚って作られたロープのことです。最もポピュラーな撚り方と言えるでしょう。滑りにくく、数ある結い方の中でも最高の強度を誇ります。大型の荷物を固定したいときに適しています。

ただし、ねじれが起こりやすいという欠点を持っているため注意が必要です。

8打ちロープ

クロスロープと呼ばれるものの一種です。2本のストランドを組み合わせ、左右からねじり合わせて編み込んだ構造をしています。ストランドの数は合計で8。

強度こそ3打ちより若干落ちますが、そのぶんショックを吸収することができるので、悪路を走行するときに適しているロープです。

12打ちロープ

クロスロープの一つです。8打ちがストランド8本だったのに対して、こちらは合計12本のストランドが使用されています。

やはり強度は3打ちと比べて落ちるのですが、しなやかで、手触りが柔らかいという特徴を持っています。表面が柔らかい荷物や、高価な荷物を運ぶ際に重宝します。

16打ちロープ

ブレードロープとも呼ばれます。繊維糸を束ねて内芯とし、その外側を16本のストランドで編み込んで覆ったロープです。

表面の目が細かいため抵抗感が少なく、よじれも起きにくいという特徴があります。動きそうな荷物を運ぶ際は16打ちロープで縛るのがよいでしょう。

まとめ

ロープの結い方やロープの種類が複数あることについてはご理解いただけましたでしょうか?

それぞれのロープの種類や結び方に特徴や向き不向きがあるので、それを理解した上で利用しましょう!

【EU用】記事終わりCTA_22/09更新

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