トラックのミラーの名前・名称は?それぞれのミラーの役割をご紹介
大きいトラックをよく観察してみると、普通車にはない特殊な形状のミラーが搭載されていることが見て取れるはずです。このミラー、いったいどんな役割を担っているのでしょうか?
本記事では、トラックドライバーとして働いている方やこれから大型免許を取得する方のために、トラックについている各ミラーの名称から役割までを徹底的に解説します。
トラックについているミラーの名称と役割
トラックには通常のミラーの他に、複数の補助ミラーが装着されています。それぞれどのような名称がつけられていて、どういった役割を果たしているのかを見ていきましょう。
アンダーミラー
トラックについているミラーのうち、一番内側にあるのがアンダーミラーです。位置が独特ですし、形状も他と違って丸くなっている場合が多いのでわかりやすいのではないかと思われます。
アンダーミラーの役割は、車両前方の足下を確認することです。より詳細に言えば、車両左前方から正面足下にかけての死角をカバーするためのミラーであるということになります。
トラックは車高が高いため、運転席の前方にも無視できない死角ができてしまいます。もしアンダーミラーがついていないと、腰の曲がった老人や背の低い子供に気づくことができず事故を起こしてしまいかねません。
そうした事態を防止するために、アンダーミラーが装着されているのです。
サイドアンダーミラー
車のミラーは通常左右一つずつしかありませんが、トラックは左右二つずつ、ミラーが縦に並ぶ形で備わっていますよね。
縦に並んだうちの上側のミラーがサイドミラーです。これは一般車のミラーと同様の働き、つまり後方と後側方を確認する装置として機能します。
そして、縦に並んだうちの下側のミラーのことを、多くの場合サイドアンダーミラーと呼びます。
サイドアンダーミラーは、
- 巻き込み防止
- 左折時の死角をカバーする
ことを目的にして取り付けられています。サイドミラーにも映らない範囲を補うためのミラーなので、広角ミラーが採用されることがほとんどでしょう。
サイドアンダーミラーは車体が大きくなればなるほど重要で、たとえば大型トレーラーでは左折時に切り込んだ際、サイドミラーだけでは後輪付近が確認できなくなってしまいます。
そこを補助するためにサイドアンダーミラーがついているのだと考えてください。
メーカーでわずかに名前が異なる
先程サイドアンダーミラーに関して「多くの場合サイドアンダーミラーと呼ぶ」と述べました。なぜこのような表現になったのかと言うと、メーカーによって異なる名前をつけていることがあるからです。
ミラーについては道路運送車両の保安基準に記述があるのですが、そこではミラー全般のことを「後写鏡」と呼んでいます。
つまりサイドミラーやサイドアンダーミラーといった呼称は法律上のものではなく、あくまでも一般的に使われている通称に過ぎないわけですね(ただし、省庁の資料などでは使われるケースもあります)。
したがって、メーカーごとに名前の違いが出てもおかしくないわけです。
たとえば、以前は一般車の中にもサイドアンダーミラーのついた車種が多かったのですが、そうした車のミラーは「キノコミラー」と呼ばれていました。
また、キャブオーバー型の車のミラーはガッツポーズの形に似ているため、「ガッツミラー」という呼び方をされることがあります。
有効活用すれば足元が確認できる優れもの
アンダーミラーやサイドアンダーミラーは普通車には存在しないことの多いパーツなので、最初は調整に戸惑うドライバーも少なからずいるでしょう。
先述のとおりアンダーミラーは前方足下を確認するためのミラーですから、その範囲が映り込むように設置するのが正しいやり方です。側面に寄せすぎず、車両前方の中心近くまでが見えるように位置を調整するのがコツです。
サイドアンダーミラーは左右で位置の合わせ方が異なります。左は内側に車体がわずかに映るように設置し、右はミラー中心でバンパーを捉えるイメージで調整するのがよいでしょう。
まとめ
皆さん、いかがでしたか?
アンダーミラーやサイドアンダーミラーは、トラックの運転席の死角をカバーしてくれる頼もしいアイテムです。事故防止のため、位置の合わせ方のコツをしっかり覚えておきましょう。