トレーラーで狭い駐車スペースにバックで入れるときのコツとは?
トレーラーの運転はとても難しく、ただまっすぐに走るだけでも相当な技術が必要になるなんていわれています。
前進するだけでも難しいですが実はバックはさらに難易度がアップします。今回は狭い場所にバックしなくてはならない場合のコツをご紹介いたします。
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トレーラーの運転難易度は最高クラス!
トレーラーは一度に大量の荷物を輸送する事ができる車両なので、人手不足気味の運送業界にとっては救世主的な存在でもあります。
実際にトレーラーだと大型トラックで3回往復しなくてはならないところでも一度で運べたりします。
人件費の削減ができ時間も短く済むので人気なのですが、トレーラーの運転は非常に難しく、特にバックする時の難易度はどんな車両を運転するよりも高く、かなり運転技術のレベルが高くなくてはなりません。
普段運転している乗用車やトラックなどとは違って、ハンドル操作が逆になってしまうのでかなりのテクニックが必要になるのです。
もちろん免許は必要ですがそれ以上に経験やコツを習得している事もとても重要になるのです。
特に難しいバックについて
トレーラーの運転がどうしてそんなに難しいと言われているのか、その理由をいくつかご紹介していきます。
車両自体の長さ
トレーラーは運転台そのものはとても短くて驚くくらいですけれど、トレーラーを連結すると非常に車両が長くなります。
もちろん日本の公道というのは海外とは違って広さも十分ではないし、カーブや右左折する箇所が非常に多いので長さは決まっています。
許可の申請をしていない場合には高速道路では12mまでで一般道でも16mまでとなっています。
ただし許可を取得すれば最大で全長21mまでの長さまで牽引する事が可能になります。つまり最大で全長21mもの長さですから相当の長さがあります。
この長さのトレーラーをバックするのはかなり高度な技術や慣れが必要になるのです。免許があるといっても誰でも簡単にバックができるものでは無いのですね。
折れ曲がった時の死角の多さ!
トレーラーは連結している部分がいくらでも曲がっていきます。そのため長いトレーラーをバックして停車するとなると至難の業です。
というのも連結部分がいくらでも曲がるので曲がった時に肉眼で確認できる範囲が狭くなってしまいます。
つまり折れ曲がった向こう側に何があるのか確認がしにくいという事になります。例えば折れ曲がった向こう側は全く見えないし、ミラーを見ても確認とれる場所が限定的になってしまいます。
さらに後方についても肉眼では見にくくて死角だらけなのが現実です。
死角を少しでも軽減させるためにはミラーを見るだけではなく、実際に降りてチェックをしたり窓を全開にして音をよく聞くなどの工夫が必要になるのです。
真っ直ぐバックしない
トレーラーをバックする時にハンドルを切っていなくてもちょっとした事で動いてしまいます。
ハンドル操作をちょっとでも大きくしても曲がった状態で進んでしまうのもトレーラーのバックの難しいところでしょう。これは連結部分がちょっとした動きに反応してしまうためで、
修正するためにハンドルを切り過ぎてしまうと余計に変な方向へ曲がっていってしまいますので、バックをする時のハンドル操作は慎重に操作する必要があるのです。
万が一曲がってしまったら一度止まって前進してから再びバックの練習をしてみるといいかもしれません。
このようにトレーラーのバックの難しさは大型トラックとはまた違った難しさがあるので、機会があるたびに素早く安全にバックできる方法を身につけておくと良いでしょう。
狭い場所にトレーラーでバックするコツとは?
ここでは狭い場所にトレーラーでバックする時のコツについてをご紹介いたします。
バックしやすい位置取り
まずはバックする時にバックしやすくなる位置取りをする必要があります。
皆さんが乗用車の運転をしていてバックしようとしている時に、どこで車を止めてバックするかは自然と体が覚えていて、意識せずにできている事がほとんどですよね。
まず駐車スペースの前を通り過ぎて、ちょうど良い場所に頭を振って止まり、そこからバックしながら車庫入れなどを行うものですよね。
実はトレーラーでもトラックでも同じです。まずどこからバックしていくかの位置取りをしっかりと行うと良いですね。
ちなみにトレーラーでバックする場合にはなるべく死角を造らない努力が必要になります。
角度をつけすぎない
トレーラーのバックをする時には角度をつけすぎるとうまくいかなくて、どんどん曲がってしまって収拾がつかなくなってしまうかもしれません。
そうならないためにもハンドルを操作する時には少しずつ状態を確認しながら操作していきます。
かといって少し進んでは角度をつけるというのではなく、一定の角度を作ってその状態を保ちながら少しずつバックしていきます。
角度を一定にするためにも常に同じ方向からバックする癖をつけておくと良いかもしれません。
そうしておけばバックする時の速度やハンドル操作そして車庫入れをする場所の大きさに左右される事なく、安全にバックする事ができるようになるからです。
一定の折れ角を保ってバック
折れ角を一定にする事がどうして必要なのかというと、トレーラーでバックする時にはハンドルを切った状態で下がっていく時と同じです。
折れ角を一定に保つためには一定の速度でバックしていく必要があります。特に狭い場所へ車庫入れをしなくてはならない場合には、速度と角度の両方を一定に保たなくてはなりません。
どちらかが速くても遅くても浅くても深くても折れ角が変わってしまうからなので、速度と角度は一定に保ちながらバックしていくのが重要なポイントです。
もちろん角度や速度に集中するだけではなく音を聞いて周囲の安全を常に確認しながらバックしていかなくてはなりません。
アクセルを使用しない
トレーラーのバックをする時にアクセルをふかして加速するのは良くありません。普通乗用車のバックをする時だって最初の勢いをつける時以外はアクセルを踏み込む事はほとんどないですよね。
それと同じでトレーラーもアクセルを使わずにバックしていきます。クラッチワークが非常に重要になるのですね。
もしもアクセルを使用するとすれば、それはバックするのに失敗してしまった時だけです。若干前に出て再びバックするための前進の時にアクセルを使います。
それ以外の時にはアクセルを使う事なく微速でスムーズにバックの操作ができるように、毎日練習していくと良いですね。
出来るだけ右バック
トレーラーのバックをする時は右からでも左からでもどちらでも基本的には操作は同じなのですが、死角が多いトレーラーの運転ではできるだけ右バックをする事に慣れておいた方が良いと言われる事が多いですよね。
左バックだと助手席側の窓を全開にしていても、すぐに危険を確認する事はできませんし声や音も聞こえない可能性もありますけれど、
右バックをすると窓を全開にしたらすぐに音が耳に入ってきますし、振り向けば外の状態を肉眼で確かめる事も可能です。
この差はとても大きく安全性がより高い右バックを行う事を推奨しているのです。実際に運転してみると左バックよりも右バックの方が安心感があるのです。
トレーラーの狭い場所へのバックが早く上手くなりたいなら?
ここでは狭い場所へバックして入れる時に素早く入れられるようになる上達方法についてをご紹介いたします。
会社車庫などで練習
少しでも早くトレーラーのバックに慣れるためには、広い狭い関係なく運転に慣れる事が必要になります。
実際に狭いところであってもバックの運転に慣れてしまえば、多少緊張しても時間をかけて車庫入れする事ができるようになるからです。
しかしながらトレーラーの運転というのは時間も経験も必要になりますが、ある程度感覚を覚えてしまえば操作は楽にできるようになるのです。
でも大きなトレーラーを公道などで練習しては迷惑になってしまいますよね。そこで会社の駐車スペースを使ってトレーラーの運転を練習する事をおすすめします。
三角コーンなどを使って練習すれば意外とバックの運転が上手になっていくものなのです。
ベテランドライバーの横乗り指導
トレーラーの運転は経験も必要ですけれども、どちらかというと頭で運転操作を覚えるというよりも体が操作を覚える方が早く運転技術が向上していくものです。
これは楽器の演奏などと同じですよね。経験者は早く覚えられるのと同じです。でも最初は未経験です。
そこで先輩ドライバーに運転をしていただき、その技術や感覚を真似させてもらって狭い場所へトレーラーをバックで入れる練習をすれば良いのです。
先輩ドライバー、ベテランドライバーの隣に乗せてもらう事によって、ブレーキやアクセルのタイミングを覚えましょう。
さらに難しいバックの時にはどのようにハンドル操作をしているのかや、ブレーキを踏むタイミングを学んだりする事も必要ですね。
出来なくて当たり前なトレーラーのバック
誰だって最初は初心者です。今現在スムーズにトレーラーを運転しているベテランドライバーたちも、最初は初心者であちらこちらをぶつけてしまったりしながら練習してきたのです。
だからトレーラーのバックが上手にできないからと嘆く必要はありません。むしろ何も練習しないでスムーズに運転できるわけがないものなのです。
それにトレーラーの運転は大型トラックとは違って、バックする時に思っているのとは違う動きをしてしまいますので、つい「才能ないのでは?」なんて思ってしまうかもしれません。
ですが長い時間操作を経験していく内に少しずつ操作が上手になっていきます。ただしそれまでは安全確認を怠らずにゆっくりとでも良いので運転に慣れていきましょう。
まとめ
今回は難しいと言われているトレーラーを狭い場所へ車庫入れする時のバックのやり方のコツについてご紹介いたしました。
確かに難しくて大変な運転技術ですが、バックする時のコツを一つずつ実践していけば、
最初は思うように操作ができなくて不安もあるかもしれませんが、慣れていけばベテランドライバーと同じように操作できるようになるでしょう。