10tトラックの高さ制限の規定とは?違反/罰則/罰金/減点を解説
2019/03/06
この記事では、10tトラックなどの大型貨物自動車に適用される、車両の高さ制限について説明していきます。現在、日本国内の道路を走行する場合はどの貨物車両も、走行の安全から高さ、幅、長さが制限されています。
では、大きな荷物を載せて運ぶ10tトラックの場合では、高さの制限はどれくらいなのでしょうか?よく車体からはみ出して、荷物を運ぶ10tトラックなどを見かけることありますよね。
実は、国土交通省が定める道路法では、高さ制限を超えて許可なく走行した場合は、罰則や罰金、免許証の点数が減点になります。そうならないにも、ぜひこちらの記事をチェックしてみてください。
Contents
10tトラックの高さ制限とは?
トラックの高さ制限は道路交通法で定められています。車体の大きさにより高さは変わりますが、10tトラックの場合は高さ3.8メートル以内が原則とされています。
しかしトンネルや車道上に構造物がある場合に限り、4.1メートルまで走行可能です。3.8メートルを超える場合は許可証を申請する必要があります。
法律上は3.8メートル以内ですが、古くに作られた道路などは高さ制限が設けられているので注意が必要です。
道路法とは
道路法とは昭和27年(1952年)に制定された道路網を整備するための法律です。「高速自動車道」「一般国道」「道府県道」「市町村道」の4種類に分けられており、それぞれに細かく規定がされています。
その中にはトラックの高さ制限や積載量の制限に関するものもあり、トラックを運転している人であれば覚えておかなければならないものが数多く含まれています。違反すると減点や罰金になるものも多く、事故の原因にもなるために遵守が求められています。
高さ制限がある理由
道路法第47条に高さ制限についての記載があります。
(第47条):道路の構造を保全し、または交通の危険を防止するため、道路を通行できる車両の幅、重量、高さ、長さおよび最小回転半径の最高限度が政令で定められており、この最高限度を超える車両は、道路を通行させてはならないこととされている。
(第47条の2):道路管理者は、車両の構造または車両に積載する貨物が特殊であるためやむを得ないと認めるときは、上記にかかわらず、道路の構造を保全し、または交通の危険を防止するために必要な条件を付して、通行を許可することができることとされている。
というものでかんたんに言えば高架下、トンネル、歩道橋などの建造物に衝突する可能性があるために高さの制限をかけているというものです。
高さ制限3.3メートル
高さ制限にはいくつかの種類があります。そのなかで「高さ制限3.3m」はかなり古くに作られたトンネルや看板などが比較的高さがないために制限を加えているものです。
現在の大型トラックなどではこの制限にひっかかるものが多く、前もって通れるかどうか、う回路があるかどうかを確認しておかなければかなりの時間のロスになってしまう可能性があります。
特に古い建物、トンネル、高架下、看板などが多い田舎や地方都市などを通行するときには注意が必要だと言えるでしょう。
高さ制限3.8メートル
平成16年3月に道路法の一部が改正されるまではトラックの高さ制限は「3.8m」に定められていました。これは荷台に積載している状態でも高さが3.8mを超えてはいけないというものです。
ただし、どうしても積載する荷物が高さ3.8mを超えてしまうこともあります。こういった場合は事前に「特殊車両通行許可証」の申請を行い、それが認められれば走行できることがあります。
ただ、この許可証を持っていれば走行自体は可能となりますが、高さ制限があって物理的に走行できないトンネルや高架下はもちろん存在します。
許可証を持っていても、走行しようとしている道がどのような状態なのかは前もって確認しておきましょう。
高さ制限4.1メートル
現在トラックの高さ制限は平成16年3月に改正された道路法により、それまでの3.8mから「4.1m」に変更されています。トンネルや道路上の標識や看板などがある場合に関係してきます。
ただし、すべてのトンネルが4.1mの高さまで走行できるわけではありません。トンネルによっては3.3m、3.8mまでという高さ制限の標識が掲げられている場合があります。
もちろんこの場合はその高さ制限が優先されますので、自分が運転しているトラックの高さはしっかりと把握しておきましょう。
10tトラックの高さ制限に違反は罰金・減点も
申請せずに制限を超えた場合罰則があります。免許証は1点減点です。さらに道路法に基づき高さに限らず車体の幅・長さ・重さなどが制限を超え、申請せずに走行した場合、100万円以下の罰金を支払わなければなりません。
3.8メートル以下であっても制限が設けられている道路を申請せずに走行した場合、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられます。
また申請していても許可証が不携帯の場合は申請せず走行した場合と同様、100万円以下の罰金が科せられます。
罰金は交通事故を発生させた場合、措置命令に反した場合、常習的に違反している場合で内容が変わります。
10tトラックの高さ制限を超えた場合の対処法は?
では高さ制限を越えてしまう場合、どこに許可証を申請すればいいのでしょう。
高さだけでなく幅や長さ、総重量、最小回転半径が制限を越えてしまう場合も許可証が必要です。
対処法:警察署で「制限外積載許可証」を申し込む
制限外積載許可証申請書はネットにてダウンロードできます。コピーし、必要事項を記入後警察署の申請窓口にて無料で申請可能です。
許可証を申請できる警察署は、出発地を管轄する警察署または出発地を受持区域とする交番に限ります。
許可証は出発地から目的地までの一運行、運行が終了するまでの期間のみ許可が下ります。
対処法:「制限外積載許可証」の書類申請方法とは
申請書には免許の情報、車両の大きさ、積載物の大きさと名称、作業員の人員、運転経路の記入が必要です。
ダウンロードをし、必要事項を記入してから警察署に行くと申請手続がスムーズに進みます。
また、申請書以外に特殊車両通行許可証、車検証のコピー、出発地から目的地までの経路図、運転手の免許証などが必要です。
許可証に必要な書類や提出方法は都道府県により異なるので事前に確認しましょう。
対処法:「制限外積載許可証」が手元に届くのは何時?
制限外積載許可証が手元に届くまでの期間は新規申請、変更申請の場合は3週間以内、更新申請の場合は2週間以内です。申請すると必ず許可が下りるというわけではありません。
長さ、幅、高さが全て条件内であることが必要です。
長さは車体の長さの2倍以下、はみ出しが0.5以下、全長が20メートル以下であること、幅は車体の幅プラス1メートル以内(3.5メートル以内)であること、高さは4.3メートル以内であること、が条件とされています。
対処法:赤い布を張ってカバー
本来トラックの荷物が高さや長さの制限を超えていると違反になるのですが、超えている部分が1割以内であった場合は「赤い布」をつけて走れば違反にならない場合があります。
この場合、はみ出している部分が1割を超える場合は「通行許可」の申請が必要となります。
赤い布は他の車から見えやすいように荷物の後ろにつけます。「30cm四方」と大きさが決められており、文字や柄が入っていても構いません。また、夜間は見えにくくなるために赤色の灯火や反射板などで他の車に知らせるようにしましょう。
特別な通行許可証を取得している場合はフロントガラス付近の目立つところに置いておくようにしましょう。
交通ルールを守って安全運転
道路法に定められた規則を守って運転をするのは当然のことであり、もし違反した場合は罰金や減点といった処置が行われることになります。
また、大型のトラックは違反や事故を起こしたときにはその大きさや重量から周囲への影響も非常に大きなものとなります。
トラックの運転手はこういった交通規則を遵守し、安全運転を心掛けることがなにより最優先されるということを覚えておきましょう。
まとめ
いかがでしたか?道路法はいろいろありますが全て私たちの安全のために必要な法律です。
制限外積載許可証を取得せずに高さ制限を越えるものを乗せ運転すると、後方の車や歩行者を巻き込む事故を起こす可能性があり危険です。
そのためにも必ず申請し許可をとり、周りの人にも注意を払ってもらうよう印(赤い布)をつけ走行しましょう。
さらに荷縛りロープなどで荷物を固定することで事故を起こす確率をさらに低くすることが可能です。周りや運転手自身の安全を守るためにもルールを守り、安全運転を心がけましょう。