玉掛けとは?クレーンやユニック車の仕事には必須な資格・免許
クレーンと共に、建設業で活躍するユニック車の運転手には欠かせない「玉掛け作業者」の資格。この玉掛けとはどんな作業なのか、そして玉掛け作業者とはどんな資格なのか。
さらに、玉掛け作業者の資格が転職に有利な理由も解説したいと思います。
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玉掛けとは?
玉掛けとは、荷物をクレーンのフックに掛ける作業のことです。主にワイヤーロープなどの「スリング」と呼ばれる用具を掛けることを「玉掛け」と呼んでいることが多いですが、直接フックに掛けることも「玉掛け」です。
玉掛け作業をするためには資格が必要ですが、ワイヤーロープを掛ける場合はもちろんのこと、外す場合も有資格者でなければ作業できません。クレーン、玉掛け作業は、主に建設現場が活躍の場になります。
玉掛けに必要な資格
吊り上げ制限荷重1t以上の玉掛け作業を行うためには、
- 「玉掛け技能講習」を受講
- 「技能講習修了証」の交付
を受けなければなりません。
制限荷重1t未満の玉掛け作業の場合は
- 「玉掛け特別教育」を受講
- 「特別教育修了証」の交付
を受ける必要があります。
この場合の「制限荷重」はクレーンの吊り上げ能力を指し、吊り荷自体の荷重ではありませんので、幅広い作業を手がけるためにも「玉掛け技能講習」をおすすめします。玉掛け作業をする際には必ず修了証を携帯しなければなりません。
玉掛け技能講習について
玉掛け技能講習の受講時間は、すでに取得している資格によって異なります。
特に他の資格を有していない場合には、
- 計12時間の学科
- 計7時間の実技講習
が必要です。
- クレーン・デリック運転士免許
- 移動式クレーン運転士免許
- 床上または小型移動式クレーン運転技能講習
などを有している場合は、
- 学科3時間
- 実技1時間が免除
- 合計15時間の受講時間
となります。
また、クレーン等の運転業務や玉掛けの補助業務に従事した経験が6ヶ月以上ある場合にも免除がありますので、受講前に確認しておきましょう。学科、実技ともに試験がありますので、試験に一発で合格できるよう、しっかりと身を入れて受講することが大切です。
玉掛けをトラック運転手が取得していると有利な理由
クレーンと玉掛けの資格があれば、一般的に「ユニック車」と呼ばれているクレーントラックの運転手として働くことができます。
もちろんトラックの運転免許があれば運転をすることだけはできますが、現場に到着して「ユニック車に乗っているけどクレーンの操作や玉掛け作業はできません」となると、仕事を得られるチャンスは一気に減ってしまいます。
逆にいうと、クレーンと玉掛けの資格を持っているドライバーは、建設現場での活躍の場が一気に広がるのです。
トラック運転手の仕事はいろいろありますが、玉掛けやクレーンの資格を持っているということは、単に荷物を運ぶだけの仕事だけでなく、建設現場への搬入の仕事にまで手を広げることができるということなのです。
玉掛けと合わせて取得したいクレーン運転免許とは
前述のように、ユニック車の運転手として働く場合は、玉掛け作業だけでなくクレーンの資格を持っていることが大きなメリットとなります。
クレーン車の運転をして現場に入れば、一人で玉掛け作業をした上でクレーン操作を行うことができれば、現場の人たちの手を煩わすことなく荷降ろしができるということになるため、運転手としても重宝されます。
一般的な物流ドライバーがフォークリフトの資格を持っていると有利になるのと同じですね。
移動式クレーン運転士について
移動式クレーン運転士免許は、国家資格です。吊り上げ荷重5t以上の移動式クレーンを操縦するために必要な免許で、この免許を有していれば、すべての移動式クレーンを操縦することができます。
とはいえ、ユニック車に搭載されるクレーンの吊り上げ荷重は4.9t以下がほとんどですので、小型移動式クレーン運転技能講習の修了証の交付を受けていれば吊り下げ荷重5t未満の移動式クレーンの操縦ができるため、ユニック車の運転手として困ることはまずありません。
吊り上げ荷重1t未満の移動式クレーンであれば、移動式クレーンの運転の業務に係る特別教育の受講修了証が必要です。ユニック車の運転手としての就業を視野に入れているなら、小型移動式クレーン運転技能講習をおすすめします。
玉掛けとクレーン免許はどちらの資格を優先すべき?
どちらを優先すべきというのは特にありませんが、小型移動式クレーン技能講習の資格があれば、玉掛け作業者の受講時間が一部免除となるので、クレーンを優先するのもひとつの方法です。
講習時間が短くなれば事項費用も変わりますので、先にクレーンを取得していることで、費用を安く済ませることができます。
とはいえ、小型移動式クレーン技能講習はとても人気の講習となっているため、キャンセル待ちをしなければならない場合もあるほどです。予算や日程をよく考えて、どちらを優先するか決めましょう。
いずれにしても、どちらも取得しておくことをおすすめします。教習所によってはセットで受講できる場合もありますので、お住まいの地域で行っている講習をしっかりと調べてみましょう。
玉掛けとクレーン免許を合わせて取得してキャリアアップしよう!
トラック運転手の仕事の幅を大きく広げてくれるのが、ユニック車と呼ばれるクレーントラックです。常に需要のある建設業界では、クレーンと玉掛けの資格を持っているユニックドライバーはとても重宝されます。
トラック運転手としてこの先のキャリアアップを目指すなら、このふたつの資格をセットで取得しておくことをおすすめします。