運行管理者の点呼のルールとは?点呼で確認する項目や仕事内容を解説
運行管理者はドライバーが安心して運行ができるようにフォローすることが主な仕事で、その中でも「点呼」の仕事は非常に重要となります。
点呼の仕事は様々な場面で行うことを法律で決められているため今回は運行管理者が行う点呼について詳しくご紹介します。
Contents
運行管理者が行う点呼について
運行管理者はこれから乗務しようとする、もしくは乗務終了したドライバーに対し対面で点呼を行い、運行の安全を確保するために必要な指示を与える必要があります。
乗車前点呼ではドライバーにの状態を確認するだけではなく、安全運転に必要な情報を提供したり、また乗車後点呼では、業務上で何かあったか聞き取るなど、ドライバーが働きやすい環境づくりに努める必要があります。
乗務前点呼
乗車前には、
- 車両の日常点検
- お酒が残っていないか
- 疾病や疲労等はないか
をドライバーから確認します。
また、当日安全に運行できるように
- 運行経路や時間
- 道路状況
- 気象状況
など、必要な指示を行います。さらに乗車前点呼では、確認した内容や指示した内容を記録しておく必要があります。
乗務後点呼
乗車後点呼ではドライバーから
- 運行状況
- 車両の状況
- 事故がなかったか
- 運行経路の状況
などの報告をしてもらい、これらを記録します。また、乗車中にお酒を飲んでいなかったかの確認も行います。
中間点呼
中間点呼をするのは、乗車前や乗車後のいずれも対面で行わない場合やトラックに限ります。
中間点呼の内容は、お酒が残っていないかや、疾病や疲労はないか、また、運行の安全に必要な指示(運行経路や時間、運行上の道路状況、気象状況など)を指示し、その内容も記録していきます。
運行管理者でなくても点呼は可能
運行管理者は一定数以上の事業用自動車を有している営業所ごとに一定の人数以上の運行管理者を選任する決まりがあります。
また、必要な運行管理者の人数は、
- 車両が29両まで・・・1名以上
- 30~59両・・・2名以上
- 60両以上・・・運行を管理する車両数を30で割った人数に1を加算した人数が必要
となります。
ただし、運行管理者しか点呼が行うことができないと、運行管理者1人の勤務時間があまりにも長くなるため、事業者は各関係機関の所定の講習を受けた人の中から運行管理者の補助者を選任することができ、選任された人は運行管理者と同じ点呼をすることができます。
点呼だけではない運行管理者の仕事
運行管理者の仕事は点呼だけではなく、ドライバーが安全に仕事ができるように様々なことを管理しています。
ドライバーへの配車
運行距離や時間、連続勤務といったことをよく考慮した上で、ドライバーが安全に運行できるような乗務調整をし、適切な配車をしてきます。
休憩所の管理
ドライバーが有効に利用できるように休憩所を管理することや、必要であればドライバーに睡眠を与えられるような施設や設備の管理も運行管理者の重要な仕事になります。
ドライバーへの注意
運行についての安全に必要な知識、技能についてドライバーに適切な指導もおこないます。また、事故を起こしたドライバーや高齢者については特別な指導をすることも必要となります。
乗務員の点呼
乗務前や乗務後にドライバーと対面し、状況を報告してもらい、ドライバーの状態を把握し、運行について必要な情報を提供します。
健康状態のチェック
ドライバーの疲労具合や疾病の有無を確認し、ドライバーの健康状態により、場合によっては乗務の禁止を伝えることも重要な役割となります。
運行状況のチェック
交通状況や事故の有無、運行先の気象状況までチェックし、その時に応じて最適な運行ルートを調整します。その時の走行距離や時間、高速料金や燃費と全て把握し、臨機応変にルートを調整できるようにしておく必要があります。
運行管理者は自分自身の点呼はできない
運行管理者はドライバーの点呼を行うことを仕事としていますが、現在は運行管理者自身がドライバーとして働くことも可能となっています。
しかし、自分の点呼を自分ですることはできませんので、その場合は運行管理者の点呼は関係機関の講習を受け、事業者に選任された運行管理補助者にしてもらう必要があります。
運行管理者の役割と責任は大きい
物流に関しては、配送間のルートやコスト、納品時間といった管理の全てを担う運行管理の仕事は、コスト削減や利益に直結する重要な仕事でもあります。
また、旅客の場合は、ドライバーだけではなく、お客様の安全にも関わる仕事を担っているため、運行管理者は事故によって他人を傷つけないためにも必要不可欠な存在と共に、責任感も大きな仕事と言えるでしょう。
まとめ
運行管理者が行う点呼はドライバーが安全に運行できるようにすることはもちろん、運行状況を正確に聞き出し、その時に応じて最適な運行スケジュールを組んだりと、安全だけではなく、利益やコスト削減についても考えるための重要な仕事となります。