佐川急便は平均残業時間はどのくらい?残業代はいくら出るのか?社員による口コミも掲載!
2020/10/07
2017年、佐川急便に残業代未払い問題が発覚したことは、ご存知の方も多いと思います。昔からハードだと言われていた佐川急便の仕事ですが、あの問題の後はセールスドライバーの残業事情はどうなっているのでしょうか。
そこで今回は、残業代未払い問題をおさらいすると共に、佐川急便がその後進めている働き方改革についてお話します。
佐川急便の残業代未払い問題
昨今はあらゆる企業で残業代の未払いが問題化していますが、佐川郵便では2017年6月には2億円もの残業代未払い問題が発覚しました。
これは、都内のとある営業所での未払い残業代。すべての営業所ですべてのドライバーに対して未払いがあったわけではありませんが、ひとつの営業所での金額としてはかなり大きなものですね。
同年にヤマト運輸で発覚した未払い残業代は、グループ全体で240億円。一般人には想像もつかない金額ですが、以前の大手宅配業者は残業代未払いが常態化していたわけです。
これだけをみると「佐川急便はサービス残業ばっかりなのか」という印象を受けますが、発覚して問題化したということは、その後に何かしらの変化があるのが普通です。
株主総会での社長の回答
2018年6月に行われた株主総会で、株主となったジャーナリストの一人が未払い残業代についての質問をしたときに、社長から以下の回答がありました。
「出退勤の管理を厳密にしていく。過去のエビデンス(証拠)を元に不都合があった場合には対処していく。」
―引用元・週刊文春 2018年7月12日号 横田増生氏 文藝春秋
もちろん未払い残業代についても支払いが行われたことが明らかになっています。また、全社における未払い残業代調査も行われました。
問題が明らかになったとき、企業は対応と改善をしなければなりません。今後の佐川急便で同様のことが繰り返されれば、今後企業としてどのような危機に晒されるかは想像がつきます。
過去にこのような残業未払い問題が発覚した佐川急便への転職を視野に入れるなら、現在はどのような就労となっているのかを見ていく必要がありますね。では、実際に現在の就労体制はどうなっているのでしょうか。
週休3日制の導入
佐川急便は、働き方改革の一環として週休3日制度を導入しました。お酒を飲む人は、翌日を心配せずに晩酌できる日が増えるのは有難いですね。
これは、変形労働時間制を採用することによって、1日の所定労働時間を10時間にしたものです。つまり、1週間の所定労働時間は労働基準法どおり週休2日制と同じ40時間です。
このことについて経済紙などでも「10時間を超えないと残業にならないから収入が減る」という批判が見受けられますが、理屈には合っている制度です。
労働時間が同じ1日10時間だった場合、週休2日なら2時間×5日の残業手当が付きますが、週休3日では時間外労働は付きません。
その代わり、1日休みが増えるのです。週休3日のほうが労働時間は短いわけですから、同等の賃金になるはずがありません。
収入は下がるが休日を増やすか、休日は週2日でも収入を得ようと思うか。このあたり、何をメリットにするかは人による、としか言いようがありません。
口コミでは
実際に転職サイトの口コミを見てみると、営業所によって色々と違いがあるようではありますが、良い意見・悪い意見をそれぞれ少しご紹介します。
【悪い意見】
「繁忙期だと残業時間が3時間以上になってしまうことがあります。営業所の忙しさにもよるので、なかなか早く帰れない時もあります」20代 / 女性 / 現社員(正社員)
「休日数が多いほど残業時間が短縮され残業代が減ってしまう不満の声も出ている。働きたい人、休みたい人と選べる体制を構築すれは(原文ママ)不満はでてきません。」40代 / 男性 / 現社員(正社員)
―引用元:カイシャの評判 エン・ジャパン株式会社
「3時間以上の残業」を多いと思うか、普通または少ないと思うか。ドライバー職を務めてきた人にとっては、一般の職業とは感覚が違うので判断が難しいところですね。
また、2つ目の口コミはまさに先述した「何をメリットにするか」です。現在の佐川急便の求人を見ると、週休2日制か3日制かを選べるようになっています。
「選べる体制」はすでに構築されつつあるわけですね。
【良い意見】
「法定内(月間60時間以内)を守ることを厳しく管理されるので、昔のような法外なサービス残業はない。守れないと個人評価に影響する。」40代 / 男性 / 現社員(正社員)
「産休、育休はまず取れる。女性雇用に力を入れているので女性には優しい。休日の希望も割と通るので子供の行事も参加しやすい。」40代 / 男性 / 現社員(正社員)
―引用元:カイシャの評判 エン・ジャパン株式会社
かつて20年ほど前の佐川急便は、「繁忙期には家に帰る時間もない」と言われるほどに激務でした。時代は変わり、今は女性も働きやすい職場になりつつあるようです。
月60時間以内の時間外労働を遵守するよう言われているという口コミはいくつもあるので、違法性をなくすことにも力を入れているようです。
未だに長時間労働が当たり前になっている中小零細の運送会社から比べると、かなり働きやすいと感じられるかもしれません。
働き方改革を実践中
佐川急便の親会社であるSGホールディングスは2017年12月、東証一部に上場しました。それまでは閉鎖的な体質だった佐川急便も、これからは株主という存在に目を向けなくてはなりません。
すでにご説明した週休3日制の導入にはじまり、今も働き方改革は進んでいます。企業への風当たりが強い昨今、生き残るためにはクリーンさが大切です。
東証一部上場企業となった佐川急便には、さらなる働き方改革が期待できるかもしれませんね。
まとめ
運送会社は、業種によっては残業のないものもありますが、一般的には残業ありきの業種です。
すでに賃金に見込み残業が組み込まれている会社も多数ある中で、未払い問題があったからこそ改革に力を入れ始めた佐川急便への転職という選択肢も、これからは視野に入れてみると幅が広がりそうですね。
週休3日という働き方は、新たな時代に合った道かもしれません。迷ったなら、セールスドライバーへの第一歩を踏み出すチャンスと捉えるのもいいかもしれませんよ。