バキュームカーの臭いはキツイ?臭いを変える方法をご紹介
バキュームカーのドライバーとして働きたいと考えている方にとって、一番気になることはやはり臭いについてですよね。
バキュームカーの臭いに関しては色々な情報があり、転職や就職先として考えている方々をしばしば迷わせています。果たして、どの情報が本当なのでしょうか?
今回はバキュームカーのドライバーとして働きたいと考えている方のために、バキュームカーの臭いがきついのかどうか、もし臭うのであれば慣れることは可能なのかといった疑問について調べてみました。
Contents
臭いが原因で敬遠されるバキュームカーの仕事
ドライバー職は数あれど、中でもバキュームカーの仕事はなにかと敬遠されがちです。原因はやはり、臭いがきついというイメージがあること。
バキュームカーが取り扱う対象といえば
- 汲み取り式便所
- 列車便所の糞尿
- 浄化槽に滞留した汚泥
などです。悪臭を放つものを運搬するという特性上、どうしても臭いのイメージがつきまとってしまうのです。
また、昔のバキュームカーは今ほど性能がよくなかったため、臭いが周囲や運転席まで漏れてくることも珍しくありませんでした。その頃の印象が尾を引いている、というのも要因の一つであると考えられます。
バキュームカーの臭いについての疑問と答え
では実際のところ、現代のバキュームカーは臭いの問題を解消できているのでしょうか。気になるポイントを整理してみましたので、順番に見ていきましょう。
体中が臭くなるの?
まず最も気になるであろう点は、回収した糞尿や汚泥の臭いが体に移るのか否かということですよね。結論を述べると、体に臭いが染みつくことは基本的には起こりません。
現在のバキュームカーは技術の進歩によって臭いを漏らさないような造りになっているため、運転席のドライバーまで臭いが届くことはないのです。
もっとも、服などに直接汚物が付着してしまっては元も子もありません。作業の際はくれぐれも慎重に。
臭いで食事が取れなくなる?
スカムの臭いの中では食欲がなくなってしまうのではないか、と心配している方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに人によっては考えられることですが、先に述べたとおり、運転席まで臭ってきたり体に臭いが染みついたりということは現代のバキュームカーでは起こらないので、多くのドライバーは問題なく食事をとることができています。
車の中も臭うのか?
臭うのは車の中ではなく、あくまでも回収した積載物です。したがって、窓を開けない限りは気にならないでしょう。さらに言えば、バキュームカーには消臭材などが積まれているので、臭いの大部分は緩和されます。
バキュームカーの臭い対策について
バキュームカーの性能は時代とともに進歩しており、現在製造されているものには悪臭への備えが施されています。具体的にどのような方法で対策しているのでしょうか。
悪臭除去装置
バキュームカーには車載脱臭機が備え付けられています。
嗜好品の香りをミックスして排出してしまう方法もありますが、一般的に用いられているのは、有害な悪臭成分を吸着して除去する仕組み。吸着素材をペレット状にしたものを積載し、汚物を消臭するというものです。
ちなみに、悪臭成分は主に硫化水素や酸性ガスです。卵の腐ったような臭い、とよく表現されますね。こうした成分を吸着する素材としては、多くの場合、活性炭が使われます。
特殊なオイル
オイルによって悪臭を良い香りに変えてしまう製品も販売されており、バキュームカーへの導入が進んでいます。
良い香りに変えると言っても、この方法は先程少し触れたような「嗜好品の強い香りで上書きする」やり方とは根本的に異なります。
オイルからは糞便臭に含まれる成分があらかじめ除去されており、そこに汚物が加わることで、化学反応が起こって悪臭が良い香りに変わるのです。
オイルはバキュームカーの真空ポンプ用の潤滑油に混ぜて使います。こうすることで真空ポンプと配管を通してオイルがバキュームカー内を循環し、不快な臭いを除去するというわけです。
臭いはキツイが魅力もある
バキュームカー内は臭わないとはいえ、作業時の臭いがきついことは否定できません。しかし、そのことを考慮に入れても、バキュームカーのドライバーの仕事には魅力があるのです。
給与水準が高い
バキュームカーの運転手は、ドライバー職の中では給与水準が高い仕事として知られています。
もちろん勤務する地域や企業によって待遇に差はあるものの、相場としては月収18万~35万円といったところで、20万円以上で求人を出している会社が多数です。
契約社員やアルバイトではなく正社員としての雇用がほとんど。20代、30代、40代と年齢を重ねていくにつれて収入も増えていく傾向にあります。
残業が少ない
超勤が少なくて済むこともバキュームカーのドライバーを務めるメリットの一つ。
汚水処理場には受け入れ時間があるため、たとえ夜遅くまで回収を続けたところで運び入れることができません。したがって、遅い時間までバキュームカーを走らせる必要はそもそも発生しないわけです。
休みが多い
たいていの汚水処理場は土・日・祝を休みとしています。ということは、バキュームカーのドライバーも土・日・祝は基本的に動く必要がありませんよね。
休日出勤が発生しにくく、多くの休みを確保できることもバキュームカーの仕事が魅力的である理由の一つです。
臭いに慣れるまでが大変なバキュームカー
先も述べましたが、車の中まで臭ってこないとはいっても、やはり汚物を回収する作業をしている間は臭いを我慢しなければいけません。実際、このことが原因で離職してしまう人も少なくない職種です。
結局のところ、自分自身に臭いが移ることはないというだけで、臭いに慣れる必要はあると覚悟しておくべきでしょう。
まとめ
現代のバキュームカーは性能が進歩していることもあって、
- 運転している間に悪臭を感じたり
- 自分自身に臭いが移ってしまったり
といった心配はほぼないと言えます。ただし、作業中は汚物の臭いに耐えなくてはなりません。
臭いに慣れるまでが大変ですが、それさえ乗り越えれば好待遇で迎えられる仕事でもありますから、自信のある方はぜひ検討してみてください。