木製パレットの重量はどれくらい?木製パレットの耐えられる強度を解説
木製パレットはなくてはならないものですが、特に大きな荷物を運ぶ時、このパレットで大丈夫かどうか不安になるものですよね。
そこで、木製パレットの重量や強度についてご紹介したいと思います。さらに、重量以外にチェックして欲しいポイントも解説していますので、一緒に見ていきましょう。
一貫輸送用平パレットとは
ドライバーが普段使う、いわゆる木製パレットの中でもJISによって「一貫輸送用平パレット」として規格化されているものがあります。
「一貫輸送用パレット」はその名の通り、構造・寸法など統一した規格を策定し、業界内での流通をスムーズにする目的で作られたものです。
以下では、JISによって定められた木製パレットの規格を説明していきます。
大きさ
木製パレットは各部位に名称がついています。例えば、木製パレットの辺のう、木の板に平行な方の辺は「幅」、垂直な方は「桁長さ」、そして、「高さ」がわかりやすいです。
名称としては他にも「外板」「中板」「桁」などの名称がありますが、荷物の運搬のために必要な大きさを測るためにはこれらの名称を覚える必要はないので、あまり気にしなくても大丈夫です。
木製パレットの大きさは「幅」「桁長さ」「高さ」を用いて表します。JIS の規定では、幅 × 桁長さ × 高さが「1100 × 1100 × 144 mm」と定められています。
最大積載量
一貫輸送用木製パレットの最大積載量もJISによって規格が定められています。JISの規格によると、最大積載量は1tとなっています。
一貫輸送用のパレットでない場合は、0.5t, 1t, 1.5t, 2t などの様々な種類の最大積載量が定められていますが、一貫輸送用平パレットの場合は、最大積載量は1種類しか用意されていません。
なぜならば、一貫輸送用のパレットは会社などが違っても共同で使用できる必要があります。そのためには最大積載量が1種類でないと、荷物を乗せるたびに確認しなくてはならなくなってしまうからです。
強度
木製パレットの強度も詳細に規定されています。木製パレットの強度はJISで試験を行って測定します。
項目としては、圧縮強度、曲げ強度、下面デッキボード強度、落下強度などがあり、それぞれひずみ量やたわみ率の基準値以下に収まれば強度の基準を満たしていることになります。
ただし、強度の項目は自分で測ることはほとんどありません。なぜならパレットを販売している会社であらかじめ基準を満たしたもののみが選ばれているはずだからです。
そのため、パレットの強度についてはそれほど心配する必要はありません。
重量以外にチェックするポイント
木製パレットには、最大積載量を越えて荷物を積むことがないように注意する必要がありますが、気をつけるべきポイントはそれだけではありません。
木製パレットにかかる重さとして「静荷重」と「動荷重」を考える必要があります。
動荷重
「動荷重」は動いている車両上で考えられる重量のことです。例えば、走っている車をイメージしてみてください。
車は移動しているためカーブを曲がったり、坂道を登ったりすると、遠心力などによってパレットにかかってくる重量が一時的に大きくなることがあります。
このように時間とともに変化していく荷重を「動荷重」といいます。
動荷重は地面において測った荷重とは異なり、小さくなったり大きくなったりする場合があり、特に大きくなる場合にはパレットの限界重量を越えてしまう危険性があるので要注意です。
静荷重
「動荷重」に対して「静荷重」とは、静止した状態で荷物を地面において重さを量ったときの荷重となります。
「静荷重」は荷物が安定しておかれているため、重量が途中で変わったりすることはなく、荷物を動かさない限りは「静荷重」は一定値をとります。
荷物の重量を測る際には「静荷重」を測る場合が多く、トラックが動いている時の「動荷重」は「静荷重」よりも大きくなってしまいます。
なので、事故を防止するためには「静荷重」だけでなく「動荷重」も意識して測定をする必要があります。
まとめ
今回紹介した一貫輸送用の木製パレットには、異なる会社間でもスムーズに運送を行うために、大きさや最大積載量、強度などが定められています。
ドライバーは最大積載量はもちろんのこと、「静荷重」と「動荷重」という違いがあることに留意しなければなりません。
「静荷重」は静止した状態で測った荷物の重さ、「動荷重」は車が走っている状態でかかる重量で「静荷重」より大きくなってしまいます。
「静荷重」が最大積載量を超えていないからといって安心はせず、「動荷重」にも注意しましょう。