トラックの警告灯が点灯したけど大丈夫?警告灯の意味と対処法を解説します!
乗用車の警告灯の意味は大体わかると言うドライバーもトラックの警告灯については、よく分からないと言う方が多いのではないでしょうか?
乗用車とは使用用途の違うトラックは乗用車には無い機能が備わっているため、あまり馴染みのない警告灯が備わっています。
毎日相当な距離を走って様々な環境で酷使されているトラックは、いつトラブルがあり警告灯が点灯するかわかりません。
今回はいざトラックの警告灯が点灯して説明書とにらめっこ、なんて事がないように、警告灯の意味、また、点灯してしまった時の対処法を紹介していこうと思います。
Contents
トラックの警告灯は見たことのないマークが多い
ご存知の様に、日頃街を走っているトラックは様々な用途で使われています。また、その使用環境は一般的な乗用車よりも過酷でハードな使われ方を想定され作られています。
ですので、トラックにはあまり乗用車には搭載されていない機能(リターダ、HAS等)があり、警告灯も見たこともない様なマークがあります。
また、同じマークでも表示される色によって(赤色or橙色)によって意味が違ってくるものもあります。この記事ではそんなトラック警告灯の種類、点灯してしまった時の対処法を紹介したいと思います。
トラックの警告灯の種類と対処法を紹介
エンジンチェックランプ
通常、スタータースイッチをオンすると点灯してエンジン始動後にすぐ消灯すれば、正常です。問題は走行中に点灯した場合です。
走行中にこのランプが点灯した場合、重篤な場合が多く、そのまま走行すると、深刻なエンジントラブルになる事が多いので、速やかにトラックを安全な場所に停車させる事が大事になります。
トラックを停める際は決して慌てず、冷静に落ち着いて周囲の安全を確認して停車する様にします。安全な場所にトラックを停車したら、会社に連絡して、修理の手配を依頼しましょう。
DPD自動再生灯
近年のトラックにはDPD(排ガス浄化装置)が搭載されていて、排ガスのススが溜まるとDPD(排ガス浄化装置)が自動で再生してススを浄化する様になっています。その際にこの、DPD自動再生灯は点灯します。
このランプが走行中に点灯した場合は、自動でDPD(排ガス浄化装置)が再生して溜まったススを浄化しているという事ですので、問題ありません。再生が完了すればDPD自動再生灯は消灯します。
DPD手動再生灯
DPD手動再生灯が点滅して同時に音声警報(車種によって鳴らないものもあり)DPDの手動再生(燃焼)操作が必要になります。通常は自動で再生(燃焼)されるのですが、自動でやりきれない場合に、DPD 手動再生灯が点滅します。
放置して走行し続けると最悪の場合、走行不能になり、高額修理の可能性がありますので、警告灯が点滅したら、出来るだけ早くトラックを停止させ、手動再生(燃焼)させましょう。
大体ですが、手動再生(燃焼)は30分位で完了します。
HSA表示灯
HSAとは坂道発信補助装置のことです。坂道でハンドブレーキ、フットブレーキを踏まなくても車を止めてくれる便利な装置です。HSA表示灯は坂道で作動して停車している時に点灯し、発進したと同時に消灯します。
ですが、
- HSA作動時に降車しようとした場合
- 長時間使用
- HSAの異常ある場合
などにHSA表示灯が点滅して同時に警告ブザーが鳴って危険や異常を知らせます。
もし、警告灯が点滅して警告ブザーが鳴った場合は、HSAをオフにしてハンドブレーキを使う様にしましょう。また、最寄りの修理工場で点検、修理を受ける様にしましょう。
暖気システム表示灯
暖気スイッチ表示灯は「暖気スイッチ」を押して、暖気運転が開始されると点灯します。
「暖気スイッチ」とは寒冷時にアイドリングの回転数を上げて、エンジンの水温を早く上昇させて、ヒーターの効きを高める時に使用するスイッチです。
停車中のみ作動し、発進すると表示灯は消灯します。ただ、トラックのメーカーによっては暖気システムがない車種もあります。
ブレーキ警告
通常、スタータースイッチをオンすると点灯してエンジン始動後にすぐ消灯すれば、正常です。問題は走行中に点灯した場合です。
ブレーキフルードの減少が主に考えられますが、大型車や4tトラックに採用されている、エアブレーキ車でエアが不足している場合にも点灯します。
その他に
- ジェネレーター本体の故障
- ファンベルトの緩みや切れ
- 制動力アシスト機能の異常(制動力アシスト機能付車)
などが考えられます。
走行中にブレーキ警告灯が点灯した場合多くはブレーキフルードの減少が考えられるのでそのまま走行するのは自殺行為です。速やかに車を停車させ、会社に連絡、修理を依頼しましょう。
排気ブレーキ
排気ブレーキは排ガスの力を利用した補助ブレーキシステムです。排気ブレーキ表示灯は排気ブレーキのレバー(スイッチ)をオンにすると点灯します。
また、次の場合には点滅します。排気ブレーキシステムに異常がある。排気スロットシステムの異常、排気ブレーキ表示灯が点滅した場合は、会社に連絡、修理の依頼をしましょう。
リターダー
リターダーとは大型トラックや観光バス等に採用されている、補助ブレーキシステムです。排気ブレーキよりも強力な制動力が得られます。
通常2段階方式になっていて2段目はより強力な制動力が得られます。リターダー表示灯はリターダー作動時に点灯、解除時に消灯します。
また、アクセルをオンにするとリターダーは解除されるのでリターダー表示灯も消灯します。
キャブチルド警告灯
エンジン始動時にキャブチルト警告灯が表示された場合はキャブが確実にロックされていないと言う事です。始業点検等でキャブを上げて閉める際に確実に閉まっていなかった可能性もあります。
当然、キャブが完全にロックされていないままに走行すれば、トラックのキャビンが動いてしまい、大変危険です。
警告灯が点灯した時はそのまま発進せずに、一旦降りて、トラック左タイヤの上辺りにあるレバーをロック仕直し、表示灯が消えた事を確認してから運行する様にしましょう。
フォグランプ表示灯
フォグランプ表示灯はフォグランプを点灯した際に表示されます。フォグランプは霧等の視界不良の時に使います。ですので、フォグランプは必要な時以外で使用するのはやめましょう。
ASR表示灯
ASRとは乗用車で言うトラクションコントロールシステムです。タイヤの空転を感知しアクセル開度をコントロールしてトラックがスリップするのを防止するシステムになります。
スタータースイッチをオンにすると点灯しすぐに消えれば正常です。走行中、ASRが作動すると表示灯は緑色に点灯します。ASRに異常がある時は橙色に点灯します。
もし走行中ASR表示灯が橙色に点灯した場合はASRの故障が考えられますので、速やかに修理工場に連絡して点検、修理を依頼しましょう。
ESC表示灯
ESCとは横滑り防止装置の略称になりますが、メーカーによって呼び方は違っています。主に雪道で作動しやすく、発進時やカーブなどで特に作動することが多いです。ESC表示灯はこのESCが作動している時に表示されます。
エンジンオンオフで消えることもあるが…
トラックを運転中に何らかの警告灯が点灯した場合、まず慌てないことが重要です。
そして一度トラックを安全な場所に停めてエンジンを切って、しばらく時間をおいて再始動してみましょう。ひょっとすると警告灯が消えるかもしれません。
最近のトラックは様々なセンサーがいたる所に付けられていて、コンピューター制御されていますので、何らかのコンピューターのエラーやバグで警告灯が点灯する場合もあります。
ですので、警告灯が点灯した場合、1度エンジンを切って再始動すると警告灯が点灯しなくなる事もあります。
コンピューターのエラーやバグなら問題ない場合もありますが、故障が原因ならコンピューターがエンジンの負荷の軽減のため力をセーブして出力を落とす場合もあります。
点灯したらディーラーや整備工場へ!
いずれにせよ、やはり警告灯が点灯する場合は、何らかの異常があると言うことですので、ディーラーやかかりつけの整備工場の整備士に判断してもらう必要があるでしょう。
気を付けたいのは、警告灯が点灯しても何かの拍子に消灯してしまい、大丈夫だろうと、自己判断して放置してしまう事です。
トラックは自然治癒すると言う事はありませんので、仮に警告灯が一時的に消灯しても再度点灯する可能性が非常に高く、何らかのトラブルが潜んでいる事は、ほぼ間違いありません。
ですので、警告灯が表示された場合は、その症状の大小に関わらず放置せずに、ディーラーや整備工場で修理、点検をしてもらう様にしましょう。
まとめ
ここまで、トラックの警告灯の意味、また、警告灯が点灯した時の対処法を紹介してきました。トラックを運転中に警告灯が点灯してしまうと、ついつい慌ててしまいがちです。
ですが、警告灯の意味を知る事で万が一、何かトラブルが発生した時に、適切な対応、対処ができると思います。
一番大事な事は、何かトラブルがあった場合でも、冷静に落ち着いて行動する事だと思います。この記事がそういったトラックドライバー様の一助になれば幸いです。