特別管理産業廃棄物管理責任者とは?責任者の役割と必要な資格について
産業廃棄物処理を行う場合、特別管理産業廃棄物管理責任者の設置が義務付けられているのをご存知ですか?しかし、どの施設が該当するのか知らないという人も少なくありません。
そこで、特別管理産業廃棄物管理責任者の概要や必要な資格についてご紹介したいと思います。
Contents
特別管理産業廃棄物管理責任者とは
特別管理産業廃棄物が発生する事業者では「特別管理産業廃棄物管理責任者」を設置することが廃棄物処理法で定められています。
これは特別管理産業廃棄物の処理業務を適切に行うために置かれるもので、設置しなかった場合には罰金などが課されることもあります。
設置が必要な施設とは
管理責任者が必要になる施設は以下の通りです。
- 汚泥の脱水施設
- 汚泥の乾燥施設
- 汚泥の天日乾燥施設
- 汚泥の焼却施設
- 廃油の油水分離施設
- 廃油の焼却施設
- 廃酸または廃アルカリの中和施設
- 廃プラスチック類の破砕施設
- 廃プラスチック類の焼却施設
- 木くずまたは瓦礫類の破砕施設
- 有害物質を含む汚泥のコンクリート固形化施設
- 水銀またはその化合物を含む汚泥の焙焼施設
- 汚泥、廃酸または廃アルカリに含まれるシアン化合物の分解施設
- 廃PCBなどPCB汚染物またはPCB処理物の焼却施設
- 廃PCBまたはPCB処理物の分解施設
- PCB汚染物またはPCB処理物の洗浄施設
- 産業廃棄物の焼却施設
- すべての最終処分場
責任者の役割
特別管理産業廃棄物は
- 自然環境
- 生活環境
- 人の健康
に対して大きな被害を及ぼす可能性があります。そのため適正に保管して処理する必要があります。
そこで管理責任者は以下のような役割が求められています
- 特別管理産業廃棄物の排出状況の把握
- 特別管理産業廃棄物処理計画の立案
- 適正な処理の確保(保管状況の確認、委託業者の選定や適正な委託の実施、マニフェストの交付や保管等)
また、以前は特別管理産業廃棄物管理責任者の設置報告書を都道府県に対して報告する義務がありましたが、平成12年の廃棄物処理法の改正によって報告の義務はなくなりました。
ただし都道府県によっては条例などによって報告書の届出を求める場合がありますので、その場合は提出をしなければいけません。
必要な資格とは
大きく分けると
- 「感染性産業廃棄物を生ずる事業場」
- 「感染性産業廃棄物以外の特別管理産業廃棄物を生ずる事業場」
では資格要件が異なっています。
「感染性産業廃棄物を生ずる事業場」
- 医師、歯科医師、薬剤師、獣医師、保健師、助産師、看護師、臨床検査技師、衛生検査技師、歯科衛生士を2年以上
- 大学や高専において、医学、薬学、保健学、衛生学、獣医学を卒業または同等以上の知識を有すると認められるもの
「感染性産業廃棄物以外の特別管理産業廃棄物を生ずる事業場」
- 環境衛生指導員を2年以上
- 大学において、理学、薬学、工学、農学、衛生工学、化学工学を2年以上
- 短大、高専において、理学、薬学、工学、農学、相当する課程、衛生工学、化学工学を4年以上
- 高校、中学において、土木科、化学科、相当する学科で6年以上
- 理学、工学、農学、相当する学科で7年以上
- 実務経験が10年以上
というのが資格の要件となります。
まとめ
特別管理産業廃棄物管理責任者は非常に重要な役割を果たしますが、資格の要件も難しくなっています。
ただし多くの都道府県では「公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター」が開催している講習を受講して修了試験に合格することで、その資格として認めるとされています。
ぜひこういったものを利用して資格を取得していきましょう。