トラックの荷台から荷物がはみ出したときにはどう対応すれば良い?
トラックドライバーならどなたでも一度は経験があるかもしれないのが荷台からの荷物のはみ出しです。
荷物の都合上どうしても仕方がない場合もあるのですが、問題は荷物のはみ出しはどこまで許されるのでしょうか?今回は荷物のはみ出しについてお話いたします。
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荷物をはみ出して積載することがあるトラック
トラックで荷物を輸送する時には荷物の形状によって最適なトラックで輸送するものです。
例えば小さな荷物をたくさん輸送する場合には荷台が箱になっているタイプのトラックを使ったり、大きくて重い荷物の場合にはトレーラーを使って輸送したりします。
でも平ボディーで輸送する場合には荷台から荷物がはみ出した状態で輸送しなくてはならない事が意外と多いものなのです。
これは平ボディーというトラックの宿命のようなものですよね。特に荷台の左右からはみ出す事は少なくても荷台よりも長いものを輸送する事は結構あるものです。
でもいくら輸送する荷物が長いとか幅が大きいとは言っても、日本の道路交通法でははみ出しても良い長さや幅がちゃんとにあるのです。
もし違反した場合にはドライバーも罰せられてしまうので、荷物の大きさの制限を知っておく必要があるでしょう。
積載物の荷台からのはみ出しについて
ここでは積載物、つまり荷物が荷台からどの程度はみ出しても良いのか、法律で決まっている事をご紹介いたします。
全長の10%まで
まずは長さです。平ボディーのトラックで長材を輸送する時にはトラックの全長の10%までとなっています。
つまりトラックの全長が5mの場合は50cm以内に収まるならはみ出しても大丈夫という事になります。
もちろんトラックの全長が長くなればその分少しははみ出せる長さも長くなりますが、これ以上の長さになると特別な届出をして許可を得なければ、
全長の10%以上の荷物を輸送する事はできないので、当然捕まってしまう可能性があるので注意が必要です。
車幅を超える積載物は乗せることが出来ない
一般的にトラックの荷台というのは箱がついていたり幌がついていたりするので、その荷台の幅以上のものを積んで走行する事はできません。
ただし平ボディーの場合には煽りを倒して荷物がはみ出した状態で走行する事が可能ですが、許可なく走行する事は不可能です。
この場合は輸送する事ができないというわけではありませんが、特別な許可を得なければ走行する事はできません。
ちなみに交番ではなく走行予定の道路を管轄している警察署で申請を行う必要があるのでくれぐれも提出場所を間違わないよう注意しましょう。
貨物積載状態で3.8m
次に高さがはみ出してしまう場合ですが、トラックに荷物を積載した状態で地上から3.8m以下であれば届出をしなくても輸送する事は可能です。
特にトラックの場合は高さ制限されている場所があるので、高さのはみ出しについては気を付けなくてはなりません。
また、高さが規定内であったとしてもバランスを崩して横転してしまうような荷物の輸送は行わない事。
特に高速道路を走行する予定の場合は絶対に3.8m以下でなくてはなりません。そうしないと高速道路の利用はできません。
荷台から荷物がはみ出す時の注意点
ここでは必要があって荷台から荷物がはみ出してしまう場合の注意点についてをご紹介いたします。
赤い布の取り付け義務
特に長い荷物をはみ出した状態で輸送する場合は、後続車など周囲の車に対して長いものを積載して輸送しているという事を知らせる必要があります。
この場合には荷物の先端部分に赤い布をつけて走行しなくてはなりません。ただ赤い布なら何でも良いというわけではありません。布の大きさも指定があるのです。
真っ赤な目立つ色でありかつ一辺が30m以上じゃなければいけません。これに違反している場合は罰せられますのでくれぐれも注意しましょう。
周辺車両への影響
荷物が荷台からはみ出た状態で走行する場合、荷物の大きさや形によっては周囲を走行している車両に少なからず影響が出る事は容易に想像できるでしょう。
例えば荷物に隠れてブレーキランプが見えないなどがそうですね。
また、同じ原理で荷物が邪魔でウインカーが見えなかったりした場合も、誤って事故になってしまったりする可能性が考えられます。
そして何よりも怖いのが赤い布を付けていなかった場合です。荷物の中には後続車からどこに荷物の先端があるのかが見えにくいものもあるでしょう。
その状態で接近してしまったら後続車のドライバーの命を危険にさらす事になりかねません。
大きな事故につながる可能性があるからこそ周囲への影響をしっかりと考えて安全対策をしなくてはならないのです。
制限外積載許可申請が必要な場合は?
ここでは制限外積載許可申請が必要なケースについてをご紹介いたします。
積載物の規定を超える場合
規定内ではみ出す程度であれば問題はありませんが、もしも規定を超える大きさや長さの荷物を輸送しなくてはならない場合には「制限外積載許可申請書」を2通作成し、交番や警察署に提出しなくてはなりません。
ちなみにどこの交番や警察署に提出するのかというと、車両が出発する道路を管轄している交番もしくは警察署に許可を申請しなくてはなりません。
必要なものは制限外積載申請書2通、車検の写し、出発地から目的地への経路図、荷姿図、運転免許証、必要であれば特殊車両通行許可証です。
また、ドライバーの他に同乗する方がいる場合はその方の分も用意しなくてはなりません。
一般的制限値を超える場合
一般制限値とは幅が『車幅内』『長さがトラックの全長の10%以内』そして『高さが3.8m以下のもの』です。
この一般的制限値を超える場合も制限外積載許可申請書を作成して出発地の道路を管轄している警察署もしくは交番に届け出をしなくてはなりません。
ちなみに制限を超えると言っても長さが全長15m以下、車幅内の幅以下であり高さが4m以下の場合は管轄内の交番で申請を行う事ができ、
長さが全長20m以下であり幅3.5m以下であり高さが4.3m以下の場合は警察署で申請を行う必要があります。
積載物大きさ制限超過による罰則について
トラックドライバーはプロですので「ちょっとくらいならはみ出してもバレないだろう」なんて考えて荷物の輸送をしている方はいないと思っていても、
ついはみ出してしまっていた場合で運悪く摘発されてしまう事があるかもしれません。
もしも積載物の大きさ制限超過で捕まってしまった場合はどんな罰則があるのかを知っておくとより注意力が上がりますよね。
引かれる点数は『1点』です。これを見ると「なんだ1点か」なんて思われるかもしれませんが、トラックドライバーの減点ほど恐ろしいものはありません。
しかも中型車~大型車の反則金は9,000円とお高くなっています。
たった一回の罰則でその日の日当が飛んでしまうだけではなく、大事な1点を減点されてしまう事になるのです。捕まってしまったら損しかありませんよね。
なのでくれぐれも荷物のはみ出しをしてしまう場合には規定内におさえる事、そしてもしも少しでもはみ出してしまう場合には申請を出して許可証をもらう事を強くおすすめいたします。
まとめ
今回はトラックの荷台からはみ出して荷物を輸送する場合の一般的な規定値や、万が一規定外の大きさのものを輸送する場合にはどうすれば良いのか?
そして万が一違反が見つかった場合の罰則についてをご紹介いたしました。この記事が荷物はみ出しについて知りたいという方のお役に立てれば幸いです。