トラックの待機時間は給料出るの?長時間労働になっている原因?

      2019/02/13

トラック運転手の「待機時間」をご存知ですか?

待機時間とは、トラック運転手が目的地に到着後、荷下ろしするまでの待ち時間のことです。この待機時間が長時間労働の大きな原因となっており、今問題になっています。

なぜ、待機時間が発生してしまうのでしょうか?そして、どうやったら待機時間を減らすことができるのでしょうか?

今回はトラック運転手の待機時間について解説します!

トラック運転手の待機時間とは

トラック運転手の待機時間とは、荷主や物流施設の都合により、荷下ろし作業が始まるまで待っている時間(荷主からの指示待ちの時間など)のことです。そして、待機時間が30分を超える場合は業務として記録しないといけません。(貨物自動車運送事業輸送安全規則 第8条)

乗務等の記録(乗務員の乗務の実態を把握することを目的)について一部抜粋:

集貨地点等における到着日時から出 発日時までの時間のうち、業務(荷積み、荷卸し、附帯作業等)及び休憩に係る時間を控除した時間(以下「待機時間」という。)が30分未満の場合は、記録を省略して差しつかえない。

※事業者(トラック運転手)の都合により生じた待機時間は、これに含まない。

(引用元:貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について

この待機時間の問題点は、トラック運転手側でコントロールができないことです

たとえ時間ちょうどに到着したとしても、荷主都合で3時間以上待たされることもあります。これはトラック運転手にはどうにもできませんよね。

待機時間が伸びると次の仕事も遅れるため、労働時間の長時間化に繋がってしまうのです。

なぜ待機時間が発生してしまうの?

なぜトラック運転手の待機時間は発生してしまうのでしょうか?

待機時間が発生するシチュエーションとしては主に以下の2つです。

  • 集荷時間に到着したにもかかわらず、荷主側で出荷準備ができていない場合
  • 集荷時間に到着したにもかかわらず、 荷下ろし時間が他社の車両と重なった場合

上記のように、荷主の都合によってドライバーの待機時間が発生してしまうのです。

また、このような荷待ち時間が発生することによって、荷主の工場や施設にスペースがない場合は、敷地外である近くのコンビニや駐車場などで待機することになります

駐車場がない場合は路上駐車なども発生し、一般人にも迷惑をかけてしまうのです。

(参考サイト:ろじたんblog

待機時間を「休憩時間」と記録させる業者も

トラック運転手がコントロールできない待機時間ですが、長時間労働の実態を隠すため、多くの事業所で「休憩時間」として記録するよう指示されていました

待機時間はトラック運転手の拘束時間であるため、立派な労働時間です。参考までに、休憩時間になる場合の判断基準は下記になります。

  1. 自由にトラックを離れられる場合→待機時間はいつ呼ばれるかわからずトラックを離れられない待機時間は休憩時間にはなりません。
  2. 停車中も車両を監視する義務がない場合→積荷が空でトラックを置いていける状態であれば休憩と言われやすいですが,危険物や高価品を積んでいてトラックから離れられない場合は休憩時間に入りません。
  3. 休憩時間を自由に利用できる場合→作業待ち中にご飯を食べたりする自由時間がなければ休憩時間にはなりません。
  4. 次の作業開始時刻が決まっている場合→いつ作業が始まるか分からないが、呼ばれたらすぐに作業を開始しなければならない場合は、休憩時間とは言えません。

(参考サイト:労働問題コラム

一般的な待機時間はほとんど上記に当てはまりません。にもかかわらず、休憩時間として記録させるのはおかしいですよね。

待機時間が原因で長時間労働になったとしても、トラック運転手が休憩していたことが原因だと片付けられてしまうことが多々あるのです。

待機時間問題をどう解決するのか

この待機時間問題を受け、2017年7月より貨物自動車運送事業輸送安全規則が一部改正され、「荷主の都合により待機した場合、待機場所、到着・出発や荷積み・荷卸しの時間等を乗務記録の記載対象として追加する」ことが義務付けられるようになりました。

改正内容:

(1)乗務等の記録(第8条関係)
トラックドライバーが車両総重量8トン以上又は最大積載量5トン以上のトラックに乗務した場合、ドライバー毎に、
・集貨又は配達を行った地点(以下「集貨地点等」という。)
・集貨地点等に到着した日時
・集貨地点等における荷積み又は荷卸しの開始及び終了の日時
等について記録し、1年間保存しなければならない。
(2)適正な取引の確保(第9条の4関係)
荷主の都合による集荷地点等における待機についても、トラックドライバーの過労運転につながるおそれがあることから、輸送の安全を阻害する行為の一例として加える

(引用元:国土交通省

また、この待機時間問題を解決するためには、国だけでなく事業所一つ一つが意識改革をする必要があります。

トラック運転手が事業所選びをするときも、待機時間を休憩時間と記録させるなどの違法行為を行っていないかしっかり確認しましょう。

最後に

いかがだったでしょうか?

待機時間はトラック運転手の長時間労働・低賃金の原因となっている理由がわかっていただけたと思います。

待機時間の問題が改善され、トラック運転手がより快適に働けるようになるといいですね。

 

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