レッカー車のサイズ/寸法表/幅/高さはどれくらい?ラフタークレーン性能表の見方
2019/02/18
レッカー車といってもメーカーや型式によって色々と種類があります。吊り上げ荷重16t~20t以上のラフテレーンクレーン、オールテレーンクレーン(クレーン用代車)には通常の場合、保安基準の緩和認定が必要になることもあります。ここではそのサイズや車種、性能表について紹介していきたいと思います。
Contents
レッカー車のサイズの見方
メーカーや車種によって異なる
レッカー車とは基本的には他の車の前輪や後輪を吊り上げてけん引することができる装置を装備している特種用途自動車のことです。
故障している車や事故した車、駐車違反車両などをけん引する際に使用するものですが、すべてサイズが一律というわけではなく、メーカーや車種によって異なっています。また、ここでいうラフタークレーンとはレッカー車のことを指します。
ラフタークレーン性能表で確認する
それぞれのレッカー車によって寸法や積載荷重が違っています。正しく取り扱うにはラフタークレーン性能表を見て確認する必要があります。
またクレーンのだいたいの分け方としては以下の三種類があります。
①積載形トラッククレーン
②ラフテレーンクレーン(ホイールクレーン)
③オールテレーンクレーン(クレーン用台車)
使用用途によって使い分けるのが良いでしょう。
「レッカー車」「クレーン車」「ユニック車」の違いがわかっていない人のために簡単に説明しておくと、「レッカー車」とは主に道路で他の車を牽引するのに使用する車両です。アームの取り付け位置が低いために高架下などでもさぎょうをすることができます。
最近ではレッカーのアームに加えて360度回転する小型のクレーンアームを装備している車両もあります。
「クレーン車」とは建設現場などで重い建築資材などを吊り上げて移動するのに使用するものです。アームは360度回転しますが、その取り付け位置が非常に高くて吊り下げ方向は下のみとなりますのでレッカー車のように他の車を牽引して走行するということはできません。
「ユニック車」とは小型クレーンを荷台部分に持っているトラックのことを指します。重い荷物、大きい荷物を積載することができるものですが、他の車を牽引するという用途では使用することはありません。
一般的なレッカー車のサイズ
2トンレッカー車の平均サイズ
積載荷重(kg) | 2,000 |
ブーム段数(段) | 3 |
乗車定員(人) | 3 |
燃料 | 軽油 |
燃料タンク容量(L) | 100 |
全長L(mm) | 6,080 |
全幅W(mm) | 1,930 |
全高H(mm) | 2,645 |
荷台長L1(mm) | 3,600 |
荷台幅W1(mm) | 1,790 |
荷台高さH1(mm) | 380 |
床面地上高H2(mm) | 1,010 |
車両重量(kg) | 3,530 |
3トンレッカー車の平均サイズ
積載荷重(kg) | 3,000 |
ブーム段数(段) | 3 |
乗車定員(人) | 3 |
燃料 | 軽油 |
燃料タンク容量(L) | 100 |
全長L(mm) | 6,000 |
全幅W(mm) | 1,880 |
全高H(mm) | 2,595 |
荷台長L1(mm) | 3,500 |
荷台幅W1(mm) | 1,790 |
荷台高さH1(mm) | 380 |
床面地上高H2(mm) | 1,010 |
車両重量(kg) | 3,830 |
4トンレッカー車の平均サイズ
積載荷重(kg) | 2,500 |
ブーム段数(段) | 5 |
乗車定員(人) | 3 |
燃料 | 軽油 |
燃料タンク容量(L) | 100 |
全長L(mm) | 8,195 |
全幅W(mm) | 2,260 |
全高H(mm) | 3,050 |
荷台長L1(mm) | 5,400 |
荷台幅W1(mm) | 2,140 |
荷台高さH1(mm) | 400 |
床面地上高H2(mm) | 1,090 |
車両重量(kg) | 5,300 |
これらの寸法はあくまでも平均的なものです。メーカーによっても、車種によっても寸法は変わってきますので利用する際には必ず性能表を見て確認した上で利用するようにしましょう。
道路運送車両法について
公道を走れるレッカー車のサイズは決められている
道路を走ることができる車両は重量やサイズなどが決められています。しかしレッカー車はラフテレーンクレーンでは約70%ほどが、オールテレーンクレーンではすべてが法律で定められた安全性の確保、危険防止、道路の保全における重量や寸法を超えてしまっています。
そのため、移動式クレーン車両はその使用形態や使用目的が特殊な車両として定められており、そのサイズ、寸法は決められているのです。
この道路法で定められた基準では基準値を超える車両は運転することができません。しかし実際の経済活動のなかでは制限を超える車両を運転させる必要が発生することがあります。
それは主に「使用目的」「特殊性」などが原因となります。そこで道路法では車両の構造、サイズ、寸法などを細かく審査した上で道路管理者が認証した場合のみ条件を付けて制限を超える車両の通行を許可する場合があります。これは「特殊車両通行許可制度」として運用されます。
道路運送車両法のサイズの基準
道路はどのような車両でも走ることができるというわけではなく、その重量や寸法が決められています。その取り決めは道路運送車両法に基づく省令である「道路運送車両の保安基準」によって決められているのです。ここではその基準を紹介していきます。
基準名 | 超えてはいけない基準値 |
長さ | 12m |
幅 | 2.5m |
高さ | 3.8m |
車両総重量 | 20t |
軸重 | 10t |
輪荷重 | 5t |
最小回転半径 | 12m |
通行許可が必要なレッカー車もある
道路運送車両の保安基準を超えている車両は道路を通行するためには「道路運送車両の保安基準第55条」の規定に基づいて地方運輸局長に対して保安基準緩和の申請を行わなければいけません。
そこで構造もしくは使用の形態が特殊であることによって保安上および公害防止において支障がないという認定を受けて自動車登録を行ってやっと道路を運行することができます。
一般的には吊り上げ荷重が20~25t以上のラフテレーンクレーン、オールテレーンクレーンは保安基準の緩和認定を受けなければならないとされています。
こういった許可が必要な車両は製品カタログやパンフレット、仕様書などに「道路法による特殊車両の通行許可が必要です」と記載されていますので見落とさないようにしましょう。
道路管理者に通行許可の申請をするには「書面提出」という従来の方法に加えて、国土交通省道路局ウェブサイトの「特殊車両システム」を利用して申請データを作成して、それを窓口に提出するという方法、さらにそのままオンラインで申請をするという方法があります。
申請したデータと車両諸元を査定して判断されることになります。そうして認定された車両には条件が課されることにあります。
1、自動車の後面及び運転席に緩和された寸法(幅等),重量(車両総重量,軸重,輪荷重,隣接軸重),接地圧を表示すること
2,運行記録計を備え,運行状況の記録をすること
という2点です。
また、特殊車両通行許可制度に対しての罰則も定められています。
違反内容 | 罰則 |
一般的制限違反 | 100万円以下の罰金 |
(許可を受けずに走行,条件違反) | |
措置命令違反 | 6月以下の懲役又は30万円以下の罰金 |
橋梁等の制限違反 | 100万円以下の罰金 |
幅の個別制限違反 | 50万円以下の罰金 |
橋梁等の制限違反 | 6月以下の懲役又は30万円以下の罰金 |
許可証不携帯 | 100万円以下の罰金 |
となっています。
特に最近は全国に「車両重量自動計測装置」が設置されたこともあって、違反者に対しての取り締まりが強化されています。
まとめ
レッカー車のサイズはあまり知る機会がなかったので、私自身調べていて勉強になりました。レッカー車やキャリアカーを用いた自動車輸送に興味がある方は、下記から求人を検索してみて下さい。
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