ヤマト運輸の配達委託の仕事内容や給料などの待遇はどうなの?メリット・デメリットを比較
2021/04/05
ヤマト運輸が募集している求人案件の中には、各営業所からの販売委託が行われていることがあります。
基本的に配送量が多いので、ヤマト運輸が外部に委託する形になります。今回は、配達委託の仕事内容などを解説していきます。
Contents
ヤマト運輸で募集している配達委託とはどんな仕事?
宅急便の配達や集荷
ヤマト運輸が募集する配達委託とは、基本的に自分が担当するエリア内の中で宅急便の配達や集荷を行うことです。ヤマト運輸は基本的に毎日の配送量が多いので、とてもじゃありませんが配送しきれる数ではありません。
ヤマト運輸だけでは手が回らないため、外部に委託する形で配達を委託するのが配達委託の目的となるでしょう。配達委託の仕事を行う場合、通常は一日に50件~100件の配達や集荷を行います。
繁忙期になると300件近くになることもあるので、非常に忙しくなります。気になるのは代引き商品の扱いについてですが、代引きヤマト運輸の正社員が担当しているので、配達委託を請け負っている人が代引き商品を扱うことはありません。
下請け業者または個人に委託
ヤマト運輸が配達委託を依頼するのは、主に下請け業者になります。下請け業者といっても中小運送会社がメインとなりますが、場合によっては個人事業主に委託する場合もあるようです。
ヤマト運輸は他の運送会社と比べて一日の配送量が多く、朝、昼、夕方、誤着便の4回に分けていても人手を求めています。しかもトラックに荷物を運ぶ回転率も非常に早く、下請け業者も個人事業主も我先にと言わんばかりに朝から荷物を届けます。
このような背景があることから、ヤマト運輸としても配達委託を依頼した委託業者には様々な待遇があるようです。委託業者も働きやすいようになっているため、一つでも多く配達できる業者や個人事業主であれば立派な仕事になるでしょう。
ヤマト運輸で委託ドライバーを始めるために必要なこと
ヤマト運輸で委託ドライバーとして働くためには、ヤマト運輸の加盟手続きと車の用意が必要になります。
加盟手続きはヤマト運輸の説明会に参加すれば行うことができます。加盟金として約24万円かかることを留意しておきましょう。高額に聞こえますが、制服や研修費を含んだ金額となります。
ヤマト運輸は車両の貸し出しを行っていないため、自分で車を用意する必要があります。中古車でも構いませんが、ほぼ毎日乗ることになるため走行距離が多すぎるものは避けた方が良いでしょう。
ヤマト運輸の配達委託はメリットとデメリットがある?
収入は比較的安定しやすい
ヤマト運輸の配達委託を行うメリットの一つとして挙げられるのが、収入が比較的安定しているということです。ヤマト運輸の配達委託による収入は出来高制になっており、一つでも多く荷物を配達及び集荷することで収入を稼ぐことができます。
このことから配達委託を行う業者は朝から荷物の配達で大忙しになるのです。荷物一つあたりの基本収入は一件につき150円前後となっています。少なく感じるかもしれませんが、繁忙期には少し値段が上がることもあります。
一つで150円なら単純計算で一日100件配達するのを20日続ければ、30万円を稼ぎ出すこともできるでしょう。ヤマト運輸は配達する荷物が多いため、一日の配達量が比較的安定しているので安定した収入に繋がりやすいです。
仕事内容は比較的楽
肝心の仕事内容ですが、これも比較的楽というメリットがあります。ヤマト運輸は一日に扱う荷物の量が非常に多いことから、様々な地域を行き来しなければならないのかと思われるかもしれません。
しかし、配達委託の特徴は配達するにあたってあらかじめ担当エリアを指定されるため、決まったエリア内のみを配送するだけで良いのです。
多少なりとも様々な地域を行き来したり道に迷うこともあるかもしれませんが、それでも決められた範囲内の配送のみならあまり苦労しないという声が多くあります。
配送車両は持ち込み
魅力的なメリットがある配達委託ですが、デメリットもあります、そのデメリットとは、荷物を配送するための車両は、全て自分で用意しなければならないということです。
下請けの運送会社の場合は運送会社の車を使用しなければなりませんし、個人事業主の場合は個人で所有している車で荷物を配送しなければなりません。
何があってもヤマト運輸の車両を使うことはないので、配達委託をやりたいなら自分で荷物を配送するための車両を用意する必要性があるでしょう。
自分で車両を用意しなければならないということは、当然ながらガソリン代や任意保険といった経費が発生しても、全て委託業者が支払うことになります。ヤマト運輸に請求することはできないので、十分に注意しましょう。
佐川急便やamazonの委託ドライバーとの違い
ヤマト運輸の委託ドライバーの初期費用/給料は佐川急便やamazonと異なります。
もっとも気になるのが報酬額ですが、ヤマト運輸と佐川急便の報酬は1個当たり140円〜となっています。一方、amazonは1個当たりの報酬が170円〜200円と高めで、置き配もできるため効率よく配送することができます。ただし、amazonの配送単価は変動が激しく急に下がることがあったり、あまり成果が出せていないと契約を打ち切られてしまったりします。配送件数は個人の頑張り次第となりますが、1日約80〜200件となります。
委託ドライバーの初期費用も3社で異なります。ヤマト運輸の委託ドライバーはフランチャイズ契約となるため加盟金約24万円が必要になりますが、佐川急便とamazonは開業費は必要ありません。また、佐川急便とamazonは車を借りることができるため、自分で車を用意する必要はありません。佐川急便やamazonのほうがより気軽に委託ドライバーを始めることができると言えるでしょう。
ヤマト運輸は他2社に比べて開業費が高額になりますが、その代わり名刺や制服をもらうことができたり、仕事がなくなるリスクを減らすことができたりと、他社に比べ安定して仕事をすることができます。
ヤマト運輸の委託切りについて
ヤマト運輸のデメリットの一つとして挙げられるのが、委託切りの問題です。委託切りとは委託する業者の数が減らされるというもので、個数制限や配達する日を減らされることもあります。
配達委託の仕事は出来高制になっていることから、荷物を配達すればするほど多くの収入を得ることができます。
しかし、個数制限がかけられてしまっては1日に配達できる荷物に限界が出てくるので、出来高制と言えども多くの収入を稼ぎ出すことが難しくなってしまうでしょう。
さらに配達する日を減らされてしまっては、思うように稼げなくなる可能性があります。
2019年の大規模な委託切りが起こった理由
2019年3月にヤマト運輸の委託切りが話題になりましたが、大規模な委託切りに至った理由は大きく2つあります。
1つ目の理由はヤマト運輸のドライバー完全自社化計画です。佐川急便は配送業務のほとんどを外部のドライバーに委託していますが、ヤマト運輸は自社の正社員・契約社員のみで運送業務を行うことを目指しています。実際に、現在ヤマト運輸の委託ドライバーはYSS(ヤマト・スタッフ・サプライ)に契約する必要があるため、実質契約社員となります。
委託切りの2つ目の理由は2017年の運賃値上げです。値上げによってヤマト運輸の業績が一時的に上がったものの、2019年には大手の顧客が戻らなくなってしまい、結果的に大きな打撃を受けました。顧客の数に対してドライバーが多すぎるという事態になってしまい、委託切りはもちろん、自社のドライバーにも個数制限をせざるを得ない状況になってしまったのです。これによって自分からヤマト運輸を離れるドライバーも続出しました。
これらのドライバー完全自社化と運賃値上げは、2019年に発表されたヤマト運輸の大きな赤字にも繋がっています。ヤマト運輸は品質の定評があるものの、運賃を相場金額に戻した方がいいのではないかという声もあがっています。
まとめ
ヤマト運輸の配達委託には様々なメリットがありますが、デメリットがあることも忘れてはいけません。確かに配達委託は任された荷物を配達すればするほど多くの収入を安定して稼ぎ出すことができます。
仕事内容も決まったエリア内を配達するだけでいいので比較的楽な仕事だと言えますが、1日に運ぶ荷物の量を減らされてしまったり、配達する日も制限されてしまっては思うように稼げません。
そうなる可能性があることを念頭に置いてから、配達委託を請け負うのがおすすめです。