【簡単に見分ける】ユニック車とクレーン車の違いは?必要な資格などを詳しくご紹介!
2020/10/16
ユニック車とクレーン車は一見よく似ているものの、運転に必要な資格などに違いがありますが、一体何が違うのでしょうか?そこで、一般的にはわかりにくい、ユニック車とクレーン車の違いを詳しくご紹介します。
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ユニック車とクレーン車の違いとは?
ユニック車とクレーン車は何が違うのかわからない方も多いはずです。実際ユニック車は汎用性が高くさまざま現場で活用することができます。
一方クレーン車は建設現場など大型の設備が必要な場面で活用されることが多いです。そこで、まずユニック車とクレーン車の違いをご紹介します。
ユニック車とは
ユニック車とは、小型クレーンを装備したトラックの通称のことで、運転席とクレーンの操縦が別々に離れており、トラッククレーンの一種となります。
トラックの荷台や運転席の間に取り付けられたクレーンを使って重量物を積み込み運搬することができます。
「ユニック」はもともと古川ユニックで小型クレーン付きトラックをユニックという登録商標で発売しており、その名前が定着されて広まりました。
ユニックの他にもタダノ(カーゴクレーン)や新明和工業(CBクレーン)といったメーカーでも同様に小型クレーン付きトラックが発売されています。ユニック車はJAFなどのロードサービスでよく使用されています。
ユニック車の種類
ユニック車の種類はメーカーによって違いますが、最も有名なメーカー「古川ユニック」では、次の3種類が販売されています。
- キャブバック型・・・一番オーソドックスなタイプで操縦室と架台の連結部にクレーンを設置しているタイプとなり、車のレッカーなどにも活用されます。
- 荷台内架装型・・・架台内にクレーンを設置しており、車両の長さを短くすることができます。狭い場所での作業に向いています。
- ハイアウトリガ型・・・アウトリガで車体を持ち上げることができ、車両や重機といった重量物の運搬作業に向いています。
クレーン車とは
クレーン車とは、巨大な荷物を吊り上げ、水平に運搬することができる車で、主にビルの建設現場や高いところでの作業をおこなう車が多いです。
トラックにクレーンを乗せた「トラッククレーン」、四輪駆動で不整地を走るのに向いている「ラフテーレーンクレーン」、車体が大きく高所への吊り作業に適している「オールテレーンクレーン」など、種類ごとに細かく分けられています。
クレーン車は全体的に車重が大きめで重量もあるため、ロードサービスには向いていません。
ユニック車とクレーン車に運転に必要な条件
ユニック車とクレーン車の運転や作業に必要な条件をご紹介します。吊り上げる荷重によって免許も違いますので、それぞれ詳しくご紹介します。
普通免許~大型免許
公道でユニック車を運転するときは以下のような運転免許が必要になります。
- 大型自動車免許・・・車両総重量11t以上、最大積載量6.5t以上
- 中型自動車免許・・・車両総重量5t以上11t未満、最大積載量6.5t未満
- 普通自動車免許・・・車両総重量5t未満、最大積載量3t未満
建設現場などで使用されているユニックの多くは4tであり、その場合は中型免許が必要ですが、ロードサービスで使用されているユニックは普通免許で運転できるサイズですので、仕事で必要になったときは、使用する車両のサイズを確認しておきましょう。
移動式クレーン運転士免許
吊り上げ荷重が5トン以上の移動式クレーンの操作で必要な資格となります。
労働安全衛生法では移動式クレーン運転士免許を受けたものでなければ業務につかせてはならないと定められていますが、吊り上げ荷重が1トン以上5トン未満の移動式クレーンの業務については事項で紹介する小型移動式クレーン運転技能講習を修了した人であれば業務が行うことができます。
移動式クレーン運転の業務に従事するときはこの免許証を携帯しなければいけません。
小型移動式クレーン技能講習
吊り上げ荷重5t未満の小型移動式クレーンの運転作業に従事する人は小型移動式クレーン技能講習を受けることを義務付けられています。
小型のクレーンが設置されているユニックの操作時にはこの資格を取得しておくといいでしょう。講習時間は最長20時間となっていますが、実務経験によって講習時間の免除があります。
小型移動式クレーンの運転業務に関わる特別教育
吊り上げ荷重0.5t以上~1t未満の移動式クレーンの作業をする時に安全または衛生のための特別な教育を受けることを義務付けられています。
受講資格は特に必要なく、誰でも受講することができます。講習時間は13時間ほどとなっています。
玉掛け技能講習
制限荷重1t以上の揚貨装置および吊り上げ荷重1t以上のクレーン、移動式クレーンもしくはデリックへの玉掛け業務に従事する人は玉掛け技能講習を修了しなければなりません。
年齢制限もなく、講習時間も19時間ほどで修了することができます。ユニックやクレーンでの作業には必ず必要になる作業でもあるため、できれば同時に取得しておくことをおすすめします。
大型特殊免許
大型特殊免許とは、クレーン車やブルドーザー、ショベルカー、ロードローラーなどの工事用の車や除雪車、路面清掃車などといった特殊な車を公道で運転する時に必要な免許となります。
ユニック車であればトラックの車体にクレーンが連結されているため、前項でご紹介した自動車運転免許で運転することができますが、運転席とクレーンの操縦室が同じクレーン車(ラフタークレーン)を運転する場合は大型特殊免許が必要です。
まとめ
ユニック車とクレーン車は車両の大きさや用途が違い、ユニック車は吊り上げたものを自社の荷台に積み込んで運搬することができますが、クレーン車は荷台が付いていない車両であるため、吊り上げ作業のみおこなう車両ともいえるでしょう。
また、現場で作業するには運転免許以外にも資格免許が必要であるため、仕事で使うときはセットで取得するようにしましょう。