移動式クレーンの免許/資格を取得する費用や難易度について詳しく紹介!
多くの業界や場所で必要とされ、活躍している移動式クレーン。人間の力では到底荷役出来ない重量物を動かすためには必要不可欠と言える存在ですが、クレーンでの作業には危険が伴うため、免許や資格の保有が必須条件となっています。
そこで今回は、移動式クレーンのオペレーターを目指す方のために、免許や資格を取得するための費用、取得方法などを詳しく紹介していきたいと思います。
Contents
移動式クレーンの免許や講習は3つに分かれている
移動式クレーンを操作するために必要な免許は、クレーンの吊り上げ荷重によって大きく3つの種類に分かれています。
- 吊り上げ荷重が1トン未満・・・移動式クレーンの運転の業務特別教育を修了
- 吊り上げ荷重が1トン以上5トン未満・・・小型移動式クレーン運転技能講習を修了
- 吊り上げ荷重5トン以上・・・移動式クレーン運転免許が必要
移動式クレーン取得難易度はどのレベル?
前項目で紹介した移動式クレーンに関する3種類の資格ですが、取得難易度はどれも決して高いものではありません。
これらの中で受験資格が定められているのは、移動式クレーン運転免許のみ。それも満18歳以上であれば誰でも受験することができます(正確に言えば18歳未満でも受験そのものはできますが、合格しても18歳になるまで免許が交付されません)。
また取得要件も、
- 身体または精神の欠陥がある
- クレーン運転士の免許を取り消されてから1年を経過していない
ということがなければ問題視されません。自動車の普通免許にすら視力や聴力といった条件がつくことを思えば、難易度は低いと言えるでしょう。
免許の種類と資格の取得方法は
3種類の免許と資格について、それぞれ取得方法を説明します。
移動式クレーン運転士免許
まず移動式クレーン運転免許です。
取得要件は前述のとおり
- 18歳以上であること
- 身体または精神の欠陥がないこと
- 過去にクレーン運転士の免許を取り消されていないこと
- もしくは取り消されてから1年以上が経過していること
試験には学科と実技があります。
学科の科目は
- 「移動式クレーンに関する知識」
- 「原動機および電気に関する知識」
- 「移動式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識」
- 「関係法令」
の4つ。
実技試験は
- 「移動式クレーンの運転」
- 「移動式クレーン運転のための合図」
の2科目が行われます。
ただし実技については、登録教習機関で「移動式クレーン運転実技教習」を修了することで免除されるという選択肢もあります。
小型移動式クレーン運転技能講習、小型移動式クレーン特別教育
小型移動式クレーン運転技能講習、小型移動式クレーン特別教育については、受講するための条件などは特に課せられていません。年齢にかかわらず誰であっても取得することができます。
小型移動式クレーン運転技能講習は、学科と実技に分かれています。
学科は
- 「小型移動式クレーンに関する知識」・・・6時間
- 「原動機および電気に関する知識」・・・3時間
- 「小型移動式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識」・・・3時間
- 「関係法令」・・・1時間
となっています。
実技は
- 「小型移動式クレーンの運転」・・・6時間
- 「小型移動式クレーン運転のための合図」・・・1時間
です。学科・実技とも、修了試験が課されます。
また、小型移動式クレーン特別教育もやはり学科と実技に分かれます。
学科は
- 「移動式クレーンに関する知識」・・・3時間
- 「原動機および電気に関する知識」・・・3時間
- 「移動式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識」・・・2時間
- 「関係法令」・・・1時間
です。
実技は
- 「移動式クレーンの運転」・・・3時間
- 「移動式クレーンの運転のための合図」・・・1時間
となっています。
気になる取得費用は?
試験や講習を受けるためには、言うまでもなく受験費用、受講費用がかかってきます。それぞれいくらかかるのでしょうか。
もちろん教習所やコースによっても異なってくるのですが、目安としてどのくらいなのか、とある教習所の料金体系を例として紹介させていただきます。
移動式クレーン運転士免許
- 実技教習の受講料・・・105,800円
- 学科試験準備講習の費用・・・16,800円
- テキスト代・・・4,480円
- 学科試験申請費・・・6,800円
合計133,880円かかります。
小型移動式クレーン運転技能講習
コースによって変わりますが、23,100円~28,900円の範囲でした。
関連業務の資格を既に所有していたり、実務経験があったりすると、免除される項目があるため受講料も安くなります。
小型移動式クレーン特別教育
受講費用13,000円ほどとなっています。
移動式クレーンは教育訓練給付制度対象
移動式クレーンの資格は、厚生労働省が指定した教育訓練給付制度の対象です。
一定の要件(受講開始時に45歳未満であるなど)を満たす方が教育訓練を修了したとき、教育訓練施設に対して支払った料金の一部がハローワークから支給されます。最大でかかった費用の2割が補助対象となります。
合わせて取りたい玉かけ技能講習
移動式クレーンを操作するためには、実のところ運転士免許だけでは不充分です。
というのも、運転士免許はあくまでもクレーン車を運転するための資格であって、荷物をクレーンのフックに掛けるためには別の資格が必要となるからです。
その資格というのが、玉掛けです。玉掛け免許を取得していないとせっかく移動式クレーン運転士があっても仕事になりませんから、あわせて取得しておくことをおすすめします。
なおこの際、玉掛けの資格を取得済みであれば、小型移動式クレーンの受講に関して一部の科目が免除となります。また、クレーン運転士免許を所有している場合は、玉掛けの技能講習において時間の短いコースを選択できるようになります。
玉掛けを先に取得するかクレーン運転士を先に取得するか、ご自分の仕事や状況、好みと相談して決めてください。
まとめ
皆さん、いかがでしたか?
この記事では
- 移動式クレーンの免許の種類や取得方法
- 教習を受けるためにかかる費用
- 一緒に取っておきたい資格
などについてお伝えさせていただきました。クレーンの仕事をしたい方の参考になりましたら幸いです。