ダンプトラック(ダンプカー)の規格とは?土砂が運べるか、一般道を走れるかが違い!
ダンプカーを使う仕事に初めてついた方は、ダンプカーの規格に戸惑ってしまいますよね。
ダンプトラック(ダンプカー)はいろんな種類や規格があり、用途も異なります。運転できる免許の種類も含めて詳しく紹介します。
Contents
ダンプトラック(ダンプカー)の種類と規格
ダンプカーは土木工事現場や建設現場に欠かせない車両ですが、いくつかの種類に分かれています。
まず
- 「土砂ダンプ」
- 「土砂禁ダンプ」
という分け方があります。土砂ダンプは土砂や砂利などを積載するダンプで建設現場などでよく見かけます。
土砂禁ダンプは土砂を積載することが禁止されたダンプです。「大きいけど軽い」ような発泡スチロールやペットボトルなどを積載します。そのため煽り部分が高くなっています。
このダンプに土砂を積載すると整備命令が下され、さらに道路運送車両法違反となって罰則を受ける可能性があります。
この他に
- 一般道路を走行できる普通のダンプ
- 一般道路は走行できない重ダンプ
という分け方もあります。重ダンプはダム建設や大規模な土木工事などで使用されるもので、その場所でのみ使用して一般道路を走行することはありません。
普通ダンプトラックの種類と規格
一般道路を走行しているダンプも大きさは様々で、
- 「小型」
- 「中型」
- 「大型」
と分かれています。ここではそれらの寸法や規格などについて紹介していきます。
小型トラック
小型トラックの条件は、
- 全長 4,700mm以内
- 全幅 1,700mm以内
- 全高 2,000mm以内
- 最大積載量 3,000kg以内
- 車両総重量 5,000kg以内
というものです。小回りが利き、とにかく扱いやすいというのが小型トラックの特徴で、工事現場だけでなく運送などでも幅広く使用されています。
代表的な車種に「いすゞ自動車・エルフ」があります。いすゞ自動車はトラックのような事業用の車をメインに販売しているメーカーです。その中でもエルフは1959年から製造されているという60年の歴史を持つ車種です。
今までもマイナーチェンジを繰り返しながら存続してきました。いすゞの看板自動車として高い評価を得ています。
いすゞ自動車・エルフの寸法
車両寸法 | 荷台寸法 |
---|---|
全長 4,685mm | 全幅 1,695mm |
全高 1,960mm | 長さ 3,120mm |
幅 1,620mm | 高さ 380mm |
中型トラック
中型トラックは小型トラックの小回りの良さと大型トラックの大量の積載量のちょうど間にある規格のトラックです。
中型トラックの条件とは、
- 全長 12,000mm以内
- 全幅 2,500mm以内
- 全高 3,800mm以内
- 最大積載量 6,500kg以内
- 車両総重量 11,000kg以内
となっています。
免許に関しては中型免許が必要になるのですが、かなり以前に普通免許を取得した人は8トンまでの車両を運転できるということもあって、ややこしいところでもあります。
運転する際には自分が持っている免許を確認する必要があります。
代表的な車種としては「三菱ふそう・ファイター」があります。こちらはもともと中型トラックとして人気のあったFKシリーズをフルモデルチェンジした際に名称を変えて登場したものになります。
その汎用性の高さから人気が高い車種で、中古車市場でもすぐに売れてしまう盛況ぶりです。
三菱ふそう・ファイターの寸法
車両寸法 | 荷台寸法 |
---|---|
全長 5,935mm | 全幅 2,240mm |
全高 2,470mm | 長さ 4,000mm |
幅 2,120mm | 高さ 400mm |
大型トラック
大型トラックはトラックの中でも最大の寸法や積載量を誇ります。運転するためには大型免許が必要になり、建設現場などでは欠かせないトラックとなっています。
大型トラックの条件とは、
- 全長 12,000mm以内
- 全幅 2,500mm以内
- 全高 3,800mm以内
- 最大積載量 6,500kg以上
- 車両総重量 11,000kg以上
となっています。
代表的な車種に「日野自動車・プロフィア」があります。こちらは事業用トラックのメーカーとして有名な日野自動車の大型トラックです。1992年にそれまであったスーパードルフィンをフルモデルチェンジして製造されました。
最新のプロフィアでは新型トランスミッションを採用することで万が一の衝突時に被害を防ぐ、衝突回避支援機能などを搭載しています。
日野自動車・プロフィアの寸法
車両寸法 | 荷台寸法 |
---|---|
全長 11,950mm | 全幅 2,490mm |
全高 3,790mm | 長さ 9,670mm |
幅 2,400mm | 高さ 267mm |
普通ダンプトラックの形状
普通ダンプにはその用途によっていくつかの形状があります。ここではそれらについて簡単に説明していきます。
まず一般的なのが平ボディと呼ばれるものです。荷台は平たい板になっており、もっとも汎用性が高くて色々な業種に使用されています。それだけに日本でもっとも普及しているダンプです。
とにかく荷物の積み下ろしに制限がないためにあらゆる荷物に対応することができます。
平ボディの荷台部分の床を強化した強化ダンプと呼ばれるものもあります。こちらは重い荷物を積載することを目的とした強化で、床部分が強度の高いアルミなどで補強されています。
その他にはクレーンが付いたユニックダンプと呼ばれるものがあります。こちらはダンプの荷台部分にクレーンが付いているもので、他のクレーン車やフォークリフトを使わなくても荷物の積み下ろしをすることができます。
そのため、それらの別車両が入ることができない狭い場所での荷物の積み下ろしも可能となっています。
重ダンプトラックの種類と規格
重ダンプトラックとは最大積載量が11トンを超えるような大型トラックを超えたトラックです。とにかく大量の土砂の運搬が必要な大規模な土木工事やダム建設現場で使用されており、その積載量は20~300トンに及ぶものもあります。
それだけに車両価格も1億円を超えるようなものも普通に販売しています。
例えば「コマツ・HD-785-7」では、
- 最大積載量 91トン
- 車体重量 72.3トン
にも及びます。もちろんこれらの重ダンプは一般公道を走ることはできません。
ダンプトラックの運転に必要な免許
車の免許に関しては道路交通法の改正があると大きな変化がある場合があります。
最近では「2007年6月2日」と「2017年3月12日」に大きな転機を迎えています。ここではそれぞれのトラックを運転するのに必要な免許を紹介していきます。
小型トラック
2007年6月1日までに普通免許を取得した人は最大積載量5トン、車両総重量8トンの車まで運転できるようになっていますので、小型トラックであれば問題なく運転できます。
ただし、2007年以降に普通免許を取得した人は最大積載量2トン、車両総重量3.5トン未満の車しか運転できないために「中型免許」が必要になります。
中型トラック
こちらも同様に2007年6月1日までに普通免許を取得した人は4トントラックなどは運転できますが、それ以上の大きさの場合は中型免許が必要となります。
また、2017年3月12日以降に新設された「準中型免許免許」は最大積載量2~4.5トン、車両総重量3.5~7.5トンの車を運転することができますが、一般的な4トントラックは車両重量が8トン未満ですので超えてしまう場合があります。
大型トラック
大型の場合は基本的に大型免許を取得するしかありません。車両によっては大型特殊免許が必要になる場合もあります。
また、一般公道を走らない重ダンプは免許による制限はありませんが、大型免許を持っていてある程度の運転経験がある人が運転することが多くなっています。
まとめ
建設現場をはじめとして様々な用途で使用されているのがダンプトラックです。それだけに種類も豊富となっています。
ダンプトラックのドライバーとなる場合は運転する車によっては必要な免許が変わってきますので注意しておきましょう。