自動車の「軸重」とは?重量との意味の違いは?
自動車用語の中に「軸重」という言葉があります。聞き慣れない方が多くいらっしゃるであろう用語ですが、「重量」と同じ意味なのでしょうか?
実はこの「軸重」、車にかかる負荷と大きな関わりのある言葉なのです。本記事では愛車を丁寧に運転したいという方のために、「軸重」の意味について徹底的に解説します。
軸重とは?
「軸重」という言葉の定義について紹介します。
車輪にかかる重量のこと?
軸重という用語を理解するためには、まず「車軸」の意味を知らなければいけません。
車軸とは、左右の車輪を繋いでいる心棒のこと。車輪の軸だから車軸というわけですね。シャフトという呼び方をされることもあります。この車軸の各々にかかる荷重が「軸重」です。
たとえば普通乗用車であれば、車軸は前輪側と後輪側に1つずつ、合計2つありますよね。したがって軸重も前輪と後輪それぞれにあるわけです。
大型トラックのように前2軸や後2軸と多くの車軸をもつ車の場合は、当然軸重もそのぶんだけ多くに分かれることになります。
ちなみに、最大積車状態での軸重の最大値は保安基準によってしっかりと規定されています。
基本的に軸重は10トン以下でなければならないと定められています。例外は先に挙げたような車軸の多い車の場合で、こうした車では隣り合う車軸にかかる軸重の和が制限されています。
ちなみに「輪荷重」という用語もあります。こちらは車輪一つ一つにかかってくる荷重を意味し、軸重を車輪数で割ることで求められます。輪荷重の最大値は5トン以下と決められています。
これらの知識は車検にも関わってくることですので、覚えておくと役に立つ場面が出てくるかもしれません。
「重量」との違いは?
単に「重量」と言った場合はもちろん重さのことで、車に関して言うならば、特別の指定がなければ「車全体の重さ」という意味と考えて構いません。
もっとも、日常会話ならともかく、運送会社や自動車メーカーなどで「車全体の重さ」を表現したいときは、曖昧な言葉を使うのではなく、「車両総重量」という正式な用語を使ったほうが齟齬を生じさせずに済むでしょう。
いずれにせよ「軸重」と「重量」とで意味が異なることは確かです。混同しないよう注意しましょう。
全ての軸重を合計すると車両重量になる
ところで、車両の総重量を支えているのはタイヤですよね。ということは、車両総重量は車軸に分散してかかり、最終的には輪荷重になるのだとわかります。
つまり、全ての軸重を合計すると車両総重量になるわけですね。全ての軸重の和=全ての輪荷重の和=車両総重量と覚えましょう。
まとめ
皆さん、いかがでしたか?「軸重」と「重量」との関係についてご理解いただけたのではないでしょうか。
車検においては燃料の重さやオプションでつけている部品の重さ、ドライバー本人の体重をどう考えるかなど、細かな規定が数多くあります。
軸重も計算される項目の一つですから、たとえ普段の業務で使うことがない言葉だとしても、知っておいて損はありません。
「車軸」や「輪荷重」といった関連用語と一緒に覚えておくことをオススメします。