廃棄物処理施設技術管理者になるにはどうすれば良い?必要な試験とメリット・デメリットとは?
年々増加しているゴミや産業廃棄物に関する資格や仕事は確実に必要なものとして認知されるようになっています。その中でも必要となる資格は所持していると非常に重宝されることは間違いありません。
そこでここでは「廃棄物処理施設技術管理者」の資格について紹介していきたいと思います。
Contents
廃棄物処理施設技術管理者とは?
廃棄物処理施設技術管理者は
- 一般廃棄物処理施設や産業廃棄物処理施設で施設の維持
- 管理に関する技術的な面での管理や監督を行う人材を認定する
国家資格のことです。施設の管理者は廃棄物処理施設技術管理者を置くことが義務付けられていますので取得していれば就職や転職に有利になる資格と言えます。
廃棄物処理施設技術管理者になるための流れ
講習を受ける【基礎課程と管理課程】
廃棄物処理施設技術管理者の資格を取得するには「基礎」と「管理」の講習を受講する必要があります。また、コースが分かれており、それぞれに勉強内容や費用が変わってきますので注意しておきましょう。
基礎・管理過程
「ごみ処理施設コース(10日間)」
- 基調講義
- 廃棄物概論
- 廃棄物処理施設の構造と維持管理
- 安全と安全衛生管理
- 測定分析の実際
「し尿・汚泥再生処理施設コース(10日間)」
- 基調講義
- 廃棄物概論
- 廃棄物処理施設の構造と維持管理
- 安全と安全衛生管理
- 測定分析の実際
「破砕・リサイクル施設(8日間)」
- 基調講義
- 廃棄物概論
- 廃棄物処理施設の構造と維持管理
- 安全と安全衛生管理
- 測定分析の実際
「有機性廃棄物資源化施設(バイオマス利活用関連)コース(8日間)」
- 基調講義
- 廃棄物概論
- 廃棄物処理施設の構造と維持管理
- 安全と安全衛生管理
- 測定分析の実際
「産業廃棄物中間処理施設コース(10日間)」
- 基調講義
- 廃棄物概論
- 廃棄物処理施設の構造と維持管理
- 安全と安全衛生管理
- 測定分析の実際
「産業廃棄物焼却施設コース(10日間)」
- 基調講義
- 廃棄物概論
- 廃棄物処理施設の構造と維持管理
- 安全と安全衛生管理
- 測定分析の実際
「最終処分場コース(10日間)」
- 基調講義
- 廃棄物概論
- 廃棄物処理施設の構造と維持管理
- 安全と安全衛生管理
- 測定・分析の実際
となっています。
管理過程
- 廃棄物処理法・関係法規
- 管理監督の理論と実際
- 廃棄物処理技術特論
- 施設運営管理
- 施設設備計画・実際
- 処理機能維持・評価
- 能力認定試験
となっており、試験では80%以上の正解率で合格となります。
10日間あるような講習の場合は平日に行われる講習を2週間かけて受講する必要がありますので、すでに勤務をしている人は仕事の調整をする必要があるでしょう。
ただし基礎課程と管理過程は同時に受ける必要はありませんので日程を調整する際には覚えておきましょう。
修了試験を受ける
修了試験では80%以上の正解率で合格となります。例年合格率は全体の80%ほどですのでしっかりと学習していればかなり簡単な試験だと言えます。また、不合格だった場合は再試験を受けることができます。
ただし期間が定められており、初めに受験した日から6ヶ月間だけが再試験可能期間となっています。
廃棄物処理施設技術管理者になるのは簡単?
関連する資格をすでに取得している人であれば管理過程だけを受けることになりますが、それ以外の場合は基礎・管理過程を受けることになります。
合格率が80%ということを考えると決して難しい試験ではありませんが、逆に言えば10日間(8日間)の講習を受けても20%の人は試験に落ちているということです。
そう考えると講習を受ければ絶対に取得できる試験というわけではないということがわかります。
廃棄物処理施設技術管理者になるためにはいくらかかる?
コース名 | 基礎・管理過程 | 管理過程 |
ごみ処理施設コース | 118,800円 | 64,800円 |
し尿・汚泥再生処理施設コース | 118,800円 | 64,800円 |
破砕・リサイクル施設コース | 101,520円 | 64,800円 |
有機性廃棄物資源化施設コース | 101,520円 | 64,800円 |
産業廃棄物中間処理施設コース | 118,800円 | 64,800円 |
産業廃棄物焼却施設コース | 118,800円 | 64,800円 |
最終処分場コース | 118,800円 | 64,800円 |
といった費用がかかります。
廃棄物処理施設技術管理者になるとこんな良いことがある!
環境問題が重要視されるにあたって廃棄物処理やリサイクルに関連する施設は絶対不可欠になってきています。
こういった施設では必ず廃棄物処理施設技術管理者をおかなければならないという決まりがありますので、この資格を持っていると就職や転職に有利になります。
また、すでに勤務している人がこの資格を取得した場合は資格手当などによる昇給も望めますので、関連する仕事に就く場合は大きなメリットとなることは間違いありません。
廃棄物処理施設技術管理者の資格をもつとこんな仕事ができる
廃棄物処理施設において
- 施設を維持・管理する仕事に就いている職員の監督や施設自体の維持管理
- 処理施設の確保や処理施設内で扱っているものの毒素流出を防止するための定期検査
など仕事内容は多岐にわたります。こういった性質上、施設の管理者や上位管理職に就くことが多く、昇給や昇進を目指す人にとっては不可欠な資格とも言えます。
まとめ
一般家庭でもゴミを出す際は分別しなければならないという自治体が増えており、リサイクルや環境問題に対する関心もますます高まっています。
そういったなかで廃棄物処理施設は欠かせない施設として建設されています。
ここで勤務する際に必要になる、もしくは取得していると役職や昇給の面で大きく有利になる廃棄物処理施設技術管理者の資格は非常に魅力的な資格です。
ぜひ取得を目指して講習を受けてみましょう。