フォークリフトを自由自在に操れる!運転のコツとは?経験者が解説
フォークリフトを初めて運転する人は、乗用車と違う挙動に驚きますよね。
この記事では、フォークリフトオペレーターの試験を受けるときや、普通に作業していてもう少し効率よく荷物を運びたいと思っている方に、フォークリフトの運転のコツを伝授します!
Contents
フォークリフトの運転は意外と難しい
トラック運転手の仕事をしていると、日常的な光景なのがフォーク作業です。けれど、実際に運転してみようとすると、車の運転とは全く違う感覚に驚いた人もいるのではないでしょうか。
フォークリフトの運転は、日常的に自動車を運転している人でも、慣れるまでは意外に難しいものです。それもそのはず、フォークリフトは自動車と大きく異なる点があるのです。
どのように運転するといいのだろう
初めてフォークリフトを運転する際に戸惑う大きな要因は、操舵輪が後輪であることです。一般的な自動車は前輪が操舵輪です。
つまりフォークリフトは、前進する際は自動車がバックするような動きだということを知っておく必要があります。
コツはない?感覚がすべて?
やはり経験で感覚を磨くのが最も近道ではありますが、実際に運転技能者講習を受講してみると、経験がなくてもできる人とできない人の差が激しく感じることがあります。
これは、いち早く後輪操舵の特性に慣れることができた人とできない人との差に繋がります。後輪操舵とは、曲がるときに動くタイヤが後輪だということです。
つまりフォークリフトで前進するということは、乗用車でバックするのと似た感覚だといち早く察知して実践できる人が、感覚を早く掴める人なのです。
練習のコツはどのようなものがあるのか
コツはなんといっても、車両の特性を掴むことです。乗用車は前進しながら曲がるときに内輪差が生じますが、フォークリフトは後退するときに内輪差が生じます。
同様に、乗用車は後退するときに外輪差が生じますが、フォークリフトの場合は前進するときです。フォークリフトを運転するときは、後ろ側に十分なスペースを取る必要があるのです。
前進時にハンドルを切るタイミングは、前輪が通ったらすぐです。前輪を軸に、自分が乗っている場所がぐるんと動くのです。
後輪操舵の特性を把握するには
どうしても後輪操舵のイメージが湧かないという場合は、手押し台車などの二輪操舵の台車で特性をイメージする方法があります。
固定輪(非操舵輪)側にはみ出すように長めの荷物を載せることで、フォークリフトの爪に見立てます。つまり、それがフォークリフトの前輪側ということになります。
この台車をフォークリフトだと思って動かしてみましょう。立ち位置は、なるべく操舵輪の近くにします。フォークリフトは、運転席が操舵輪である後輪の上付近にあるからです。
前進で角を曲がると、操舵輪が大きく膨らむのがわかりますね。目標を定めて近づいていくには、自分の身体は目標物と反対側に動いてから直進することになります。
台車ではハンドル操作の感覚までは掴むことはできませんが、車両の特性はなんとなく把握できるのではないでしょうか。
他にも、自動車の運転が上手な人の助手席に後ろ向きに座って、バック走行してもらうという方法もあります。自分で操作するわけではありませんが、車の動き方を把握するヒントにはなりますよ。
運転免許を持っている人は、フォークリフトの前進と後退をイメージしながら車を運転するのも有効です。ただし考え事をしながら運転すると危険な場合もありますので、車庫入れの際などに行ってくださいね。
車体の取り回しに注意する
くどいようですが、フォークリフトは後輪操舵なので、その取り回しを習得するまでが勝負です。
技能講習ではカウンターフォークを使用しますが、立ち乗りとなるリーチフォークの運転では、ハンドルを限界まで切ってレバーを全開に倒すと振り落とされてしまうほど、運転席は大きく動きます。
フォークリフトは運転者が動くということを常に念頭に置きましょう。
とにかく運転して機種に慣れるしかない!
いくら後輪操舵の特性を掴んでも、爪の操作までは他のことで練習する術がありません。やはり経験を重ねることで習得できるものですので、繰り返し操作することが大切です。
特にわかりにくい水平の感覚を掴めるようになるには、練習量がものをいいます。どうしても掴みにくい場合は、水平の状態を外から見てもらった上で、運転席から見た水平の状態の見え具合を頭に叩き込みましょう。
フォークリフトの運転は細かい順序がある
フォークリフトの運転順序には、細かい確認作業があります。講習で習ったリフト周りの点検や安全確認、乗降、始動。走行開始時のチルトや右手を腿の上に置く動作は忘れやすいポイントです。
また、旋回時は車体後方が大きく振れるということは常に意識しましょう。フォークリフトの後方をぶつける事故は、かなり多いんです。
こまめに安全確認を!
試験中はともかく、工場や倉庫は多くの人やトラックが行き来する場所です。
また、積み上げた荷物や倉庫内のラックなどに接触してしまえば、大事故に繋がるおそれもあります。自信がないときは無理をせず停止させて安全確認をしましょう。
イメージトレーニングするとよい
フォークリフトの操作をするときは、これから行う作業に伴うフォークリフトの動きをしっかりとイメージしましょう。
そうすることで、イメージと違う動きだったときにすぐ察知して中断することができます。
また、頭の中で繰り返しイメージすることによって、フォークリフトの操縦方法がより身についてゆくのです。
前進・後退・旋回はもちろん、荷役作業についてもしっかりとイメージを描いてから作業することで、安全な作業にも繋がります。
試験本番での注意点
フォークリフトの試験本番は緊張してしまうものですが、しっかりとポイントを押さえていれば大丈夫です。忘れないように手順を叩き込みましょう。
安全確認の忘れに注意する
一番ミスが多いのが安全確認です。フォークリフトの周りをぐるりと回り、油漏れや水漏れ、タイヤ等の確認をします。周囲に障害物がないかの確認も忘れないようにしましょう。
確認項目がいくつあるかを覚えておけば、足りないときにすぐ気づくことができます。運転席には左側から乗り、シートやミラーの調整も忘れずに。
脱輪や急激な旋回に注意する
落ち着いて運転すれば、脱輪や急旋回などのミスは避けられます。速度を上げすぎず、しっかりと前を見て走行しましょう。
旋回する際も、速度が上がりすぎていなければ、曲がり具合を確認しながらハンドルを切ることができます。
また、取り降ろしのレバー操作の前にサイドブレーキを引くのも忘れないように気をつけましょう。
荷物の高さに注意する
大きな減点対象となってしまう操作が、荷物を運ぶ際の高さです。高すぎると危険な操作と判断されてしまうので、地面から5~10cmぐらいの高さまで下げることを忘れないように気をつけましょう。
また、後退を開始する前の後方確認も大事なポイントですので、忘れないように注意してくださいね。
まとめ
フォークリフトの運転は、慣れるまでは時間がかかるかもしれませんが、慣れてしまえば「前はこれが難しかったなあ」と懐かしくなるものです。
経験を重ねることで自由自在に操れる日が来るので、その日を楽しみにしっかり練習を積み重ねましょう。
ただし慣れすぎた頃に事故を起こすことはよくあるので、いつも安全作業を心がけてくださいね。