牽引免許がいらない場合は?けん引免許なしで運転できるのは何キロからなのか解説!

      2020/10/07

牽引と聞くと、自動車をよく運転する人であっても「自分には関係ない」と思ってしまうことが多いでしょう。

トラブルに巻き込まれでもしない限りは故障車を牽引する体験などする機会がないので、縁のないことと思い込んでしまうのです。

しかし、よく考えてみるとキャンピングカーだって牽引と言えば牽引ですし、タンクローリーや貨物トレーラーの運転のように牽引を伴う仕事もあります。

そうなると、違反になる場合と、ならない場合の差異が気になってきますよね。

この記事では、牽引免許がなくても運転できる車種や、反対に免許が必要となる車種、免許を取得する方法について紹介していきます。

牽引免許がいらない車種とは?

まずは牽引免許がいらない場合を確認してしまいましょう。

重量が750キロ以下で全長が規定内の車

免許なしで何キロまで牽引できるかについては、道路交通法の附則抄第4条3項に規定があります。

意訳すると、普通免許を取得している者は、車両総重量が750キロ以下の被牽引車両であれば牽引してもよい、という条文です。

つまり、被牽引車の重量が750キロ以下であれば、わざわざ牽引免許を取る必要はないのです。

また別の規定ですが、牽引車を含めた全長が12m以下で幅が2.5m以内に収まっており、かつ高さが3.8m以内であれば牽引免許がいらないことにもなっています。ボートを牽引している車を目にしたことのある方は多いと思いますが、ボートの牽引が違反にならない理由はまさにこれです。

故障車や正常に作動しない車

上記の規定の例外として、故障車を牽引する場合が挙げられます。

故障している車や正常に作動しない車であれば、たとえ総重量が750キロを超えていても、牽引してよいことになっているのです。

牽引免許の他に免許があると運転できる車種

牽引免許を持っていれば重量制限が一切なくなるのかといえば、そうではありません。牽引できる車両は、他に持っている免許の種類によって変わってくるのです。

そこで、牽引免許と別の免許で運転可能になる車種を見ていくことにしましょう。

自分がどこに該当するのかチェックしてみてください。

牽引免許と普通免許

牽引免許の他に普通免許を所有している場合は、車両総重量5,000キロ未満、最大積載量3,000kg未満、乗車定員が10人以下という条件を満たす車輌に限り牽引が可能となります。

どれか一つでも超過する項目があると違法になってしまいますから注意してください。

牽引免許と普通免許で牽引できる代表的な車両としては、キャンピングトレーラーが挙げられます。

牽引免許と中型免許や大型免許

牽引免許の他に中型免許もしくは大型免許を所持している場合ですと、牽引できる車両のサイズが上がります。

ここにきてようやく車両総重量5,000キロ以上、最大積載量3,000キロ以上、乗車定員10人以上の車両を牽引しても法令違反にならなくなるのです。

タンクローリーや貨物トレーラーといったサイズの大きいトレーラーを牽くときは、間違いなく普通免許では対応できません。そのような仕事に就きたいのであれば、中型免許や大型免許の取得を視野に入れておきましょう。

牽引小型トレーラー限定免許

牽引小型トレーラー限定免許という免許も存在します。軽牽引とも呼ばれます。

この免許を所有している場合は、車両総重量750キロ以上2,000キロ以下のトレーラー車、いわゆるライトトレーラーを牽引することが認められます。

牽引免許が必要なのに取得せずに運転した場合

規定された車輌総重量を上回る車両を牽引してしまうと、法令により罰則が科されます。

違反点数は1点。

牽引違反による罰金は、大型車の場合7,000円、普通車と自動二輪車が6,000円、小型特殊車が5,000円となっています。

繰り返しになりますが、法に触れないよう、自分の持っている免許と牽引したい車両が合致しているかどうかは必ず確認しておくようにしましょう。

牽引免許が必要な車を運転する場合の準備

レジャー目的でキャンピングトレーラーを牽引したり、仕事でタンクローリーや大型トレーラーを運転したりしたい場合には、必ず牽引免許が必要となります。

牽引免許を取得するための条件や費用について確認してみましょう。

牽引免許の取得条件

牽引免許を取得するためには、まず年齢が18歳以上で、かつ普通免許、中型免許、大型免許、大型特殊免許、二種免許のいずれかを既に取得していることが必要です。

また、視力が両目で0.8以上、片目で左右それぞれ0.5以上なくてはなりません。赤、青、黄を識別できることも条件となります。

深視力も必要とされます。三桿法の奥行知覚検査器を用いて、2.5メートルの距離で3回検査し、平均誤差が2センチメートル以下であれば条件クリアです。

聴力に関しては、10メートルの距離で90デシベルの警報音が聞こえれば合格とされます。このとき、補聴器によって聴力を補っていても構いません。

最後に運動能力です。運転に支障を及ぼすレベルの四肢や体幹の障害をもっていないことが免許を取得する条件です。ただし、そうした障害がある場合でも、補助手段を講ずることで運転に支障を及ぼさないと認められれば、免許の取得が可能です。

牽引免許取得に必要な期間と費用の目安

教習を受ける地域や教習所によっても変わってきますが、平均して期間は2週間から3週間程度。費用は10万円~20万円の間が相場と言われています。

牽引免許がいらない車種と必要な車種をしっかり確認しよう!

牽引免許がなくても牽引を行えるのは、故障車を除けば、車両総重量が750キロを下回っており、サイズが規定内に収まる場合のみです。

それ以上の車両総重量をもつ車を牽引したい場合は、牽引免許を取得しなければなりません。

自分の目的に合わせて必要な免許を把握しておき、新たに取得しなければならないようであれば教習所に向かいましょう。取得条件を満たすことができれば牽引免許を取得でき、大きなトレーラーも牽引できるようになります。

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