大型免許を取るのは難しいの?費用や取得方法、教習時間を徹底解説!

      2021/02/26

トラック運転手を目指すのであれば取得したい大型免許ですが、そもそもどうやって取ればいいのかわからない人も多いはず。

そこで、免許取得方法からかかる費用、大型免許の種類といった内容をご紹介します。これからトラックドライバーを目指している人はぜひご参考にしてみてください。

大型免許とは?

大型免許とは、大型トラックを運転するために必要な免許です。大型免許を取得すれば、車両総重量11t以上、最大積載量6.5t以上、乗車定員30人以上のトラックを運転できるようになります。大型バスの場合、旅客運送に必要となる大型二種免許が必要になります。

大型免許の受験資格は普通免許と異なり、21歳以上であること、そして普通免許を取得してから3年以上経過していることが条件となります。

大型免許の取得は難しいのか?

大型トラックを運転するとなれば「相当な運転技術が必要」というイメージがあると思います。しかし、大型免許は限られた人しか取得することができないのでしょうか。

そこで、まずは大型免許の取得は難しいのかという疑問に対し、以下で詳しくご紹介します。

普通免許に比べて時間がかかる

大型免許は日本の運転免許の中でも上位免許であるため、しっかりした運転技術も求められます。そのため、取得には普通免許に比べて多くの時間を費やさなけれがならず、その多くの時間は運転技術を向上するための教習時間に割り当てられます。

取得にかかる費用が必要

大型免許を取得するには教習所で指定の教習時間をクリアする必要があります。教習時間がかかるということは、その分費用もかかるということになります。

教習所で大型免許を所得するために必要な費用は以下で詳しくご紹介します。

普通車と比べて高度な運転技術を求められる

大型トラックは普通車と比べて大きさや重さが全く違います。そのため、普段の運転中にも普通車を運転する以上に気をくけなければいけません。

また、荷物を積んだトラックが事故を起こすと大変な被害をもたらしてしまう可能性が考えられますので、運転者はより一層高度な運転技術が必要になります。また、それに伴い運転マナーも問われるでしょう。

ミラーに映らない死角がある

大型トラックは乗用車に比べてミラーに映る範囲が少なく、トラックの高さもあるため、ミラーに映らない死角があります。運転中はミラーを見て確認するしかないため、感覚を掴むまで時間がかかるでしょう。
なかなか慣れないという時は、補助ミラーを取り付けることをおすすめします。死角範囲が減ることで距離感が掴みやすくなりますよ。

エアブレーキの感覚を掴むのが難しい

大型トラック初心者が意外に引っかかるポイントがエアブレーキです。重い荷物を運ぶ大型トラックは乗用車に比べブレーキが強く作られており、普通の感覚でブレーキを押すと急停車して、車体がガクッとなってしまいます。
止まる直前でブレーキを押すのではなく、ゆっくりと押していくことがコツです。普段乗用車を乗っている人は、ブレーキの感覚を切り替えるのが少し大変かもしれません。

カーブのコツがいる

大型トラックは車体が大きく内輪差が大きいため、カーブの際に車両をぶつけてしまう人が多いです。車両感覚が身につくまでは左下のミラーを確認しながらカーブしましょう。
乗用車と異なるポイントは、前輪が運転席の後ろにあるためカーブの際に思い切って前に突っ込むこと、曲がる方向とは逆のミラーを見ることの2つです。

参考サイト

オーバーハング部分が長い

大型トラックはオーバーハング部分(タイヤからはみ出た部分)が大きいため、カーブする際に車両が車線の外にはみ出てしまう危険性があります。オーバーハング部分をぶつけないためには、左折の際になるべく左に寄りながら曲がることです。

きちんと教育を受ければ誰でも取得は目指せる

大型トラックの運転はその大きさに戸惑うことが多いと思いますが、その分ハンドルが余分に切ることができたり、ミラーが沢山備え付けられていたりと運転を補助してくれるものが多く装備されています。

そのため、特別な技術がなくても練習次第で上達することができるため、大型免許はきちんとした教育を受ければ誰でも取得可能な免許でもあります。

大型免許を取得する方法

大型免許を取得する方法は大きく分けて2つの方法があります。

  • 直接試験を受ける
  • 教習所に通う

以下で順にご紹介します。

直接技能試験を受ける

まず、運転免許試験場で直接技能試験を受けて免許を取得する方法があります。この方法は教習所に通うよりも大幅に費用を抑えることができますが、試験は大変厳しく一発での合格率は極めて困難でしょう。

そのため、合格するまで何度も試験場に通うことになるため、時間が取れない人にはおすすめできません。もし一発試験で合格を目指すのであれば、何度も試験場に通う覚悟がある人や、相当運転に自信がある人げないとかなり厳しいでしょう。

教習所に通って取得を目指す

指定教習所で大型免許を目指すのであれば指定の教習時間があります。

しかし、教習所で運転免許を取得すると、

  • 技能講習をしっかり受ければ確実に取得できる
  • 運転技術が伴わなくても教習中に上達できる

というメリットがあります。そのため、トラックの運転に慣れていない人でも隣に教官が乗っているため、教えてもらいながら講習を受けることができます

普通免許から大型免許を取得する方法

普通免許を持っている人が大型免許を取得するには、以下の教習時間を受ける必要があります。

指定の教習所に通って大型免許の取得を目指すには、普通自動車免許(MT)を取得していた場合、以下の教習時間が必要になります。

  • 第一段階(場内教習)・・・12時間
  • 第二段階(路上教習)・・・18時間
  • 学科教習・・・1時間

合計31時間

また、第二段階に進むためには、修了検定に合格し、仮免許を交付されなければいけません。

すべての教習を修了し、卒業検定を合格すれば卒業証明書を発行してもらえます。その卒業証明書を運転免許試験場に持参し、適性検査を受ければ免許の交付となります。

中型免許から大型免許を所得する方法

中型免許を持っている人が大型免許を取得するには以下の教習時間が必要になります。(中型MT免許の場合)

  • 第一段階(場内教習)・・・7時間
  • 第二段階(路上教習)・・・8時間
  • 学科教習・・・1時間

合計16時間

中型免許を持っていると、普通免許からと比べると約半分の教習時間で受けることができます。そのため、いきなり大型免許は自信がないという人は中型免許を取得してから目指すのも一つの方法でしょう。

大型免許の取得にかかる時間と費用

大型免許は日本の免許制度で最も上位免許に分類されるため、取得するにも多くの時間がかかります。また、時間がかかる分、当然教習料金もそれなりにかかってきます。

平均約2ヶ月

大型免許を教習所で取得すると考えると、1日に受けられる教習時間は第一段階で2時間、第二段階で3時間と決まっています。

また、教習所の休みの日や試験日の日程などを考えると、卒業まで最短でも2ヶ月はかかると考えておいたほうがいいでしょう。

さらに教習所に卒業しても運転免許センターで本免試験を受けなければいけませんので、こちらの日程次第でもう少し時間がかかってしまうことも考えられます。

約20万~35万円程度

大型免許の取得にかかる費用は合宿か教習所かといった違いや受講する地域によることで大きく違うため、一概には言えませんが、約20~35万円あたりが相場のようです。

もちろん最短で卒業した場合であり、補習や延長があった場合は1時間につき1万円ほどかかることを覚えておきましょう。

大型免許を取得できる条件とは

大型免許を取得するためには以下の条件を全て満たす必要があります。

 

  • 普通免許もしくは大型特殊免許を取得して(免許停止期間を除く)免許経歴が通算3年以上であること
  • 年齢・・・満21歳以上
  • 視力・・・両眼0.8以上、片目0.5以上で、(メガネやコンタクトレンズは可能)深視力誤差平均2cm以下
  • 色彩識別・・・信号機の色が確認できること
  • 聴力・・・10mの距離で90dbの警報器の音が聞こえること(補聴器可)
  • 運動能力・・・自動車の運転に障害を及ぼさないこと

基本的には普通自動車と大きく変わりませんが、視力の基準が若干厳しくなった(普通車の場合は両眼0.7以上、片目0,3以上)ことと、深視力が追加されたことが変更点となります。

大型免許の種類について

大型免許の中でも、以下の通りに分けることができます。

  • 大型自動車第一種免許
  • 大型自動車第二種免許

運転免許証

 

大型自動車第一種免許

旅客目的でない車は第一種となるため、街中を走るトラックやトレーラーは全て大型自動車第一種免許で運転することができます。

大型自動車第一種免許を取得していると、以下の自動車を運転することができます。

  • 大型自動車
  • 中型自動車
  • 準中型自動車
  • 普通自動車
  • 小型特殊自動車
  • 原動機付自転車

そのため、大型トラック運転手に転職を目指すのであればこの免許を目指すことをおすすめします。

大型自動車第二種免許

大型自動車第二種免許は、お客さんを乗せて走れるかどうかという違いがあり、二種免許の場合は路線バスや旅客運送用の大型自動車を運転することができます。

また、大型自動車第二種免許は乗客の命を預かるという大変責任を求められるため、試験の採点も厳しく、技能試験の合格率は10%ほどしかないようです。

また、二種免許を持っていると一種免許で運転可能な自動車を運転することができるため、一種免許よりも上位免許とも考えられます。

大型車の定義とは

大型トラックはトラックの中で最大の規格であり積載量や車両総重量が最も大きくなっています。

大型トラックの条件は以下の通りとなります。

  • 全長・・・12m以内
  • 全幅・・・2.5m以内
  • 全高・・・3.8m以内
  • 最大積載量・・・6.5トン以上
  • 車両総重量・・・11トン以上

また、乗車定員30人以上の4輪以上の車両も大型トラックと分類されます。

大型免許をできるだけスムーズに取得するために

大型免許は教習時間も多く、なかなかすぐには手に入れることができません。そこで、できるだけスムーズに大型免許を取得できる方法をご紹介します。

普通車の運転には慣れておくこと

大型トラックは普通車と比べものにならないくらい車両が大きく、運転に慣れていない人がいきなり乗ると恐怖心が湧き、車両感覚や高さなどに慣れるのに相当苦労します。

とは言ったものの、トラックだから特殊な運転操作が必要ということはありませんので、大型免許に挑戦する前にはまず普通車の運転に慣れておくことをおすすめします。

まずは中型から目指すことも可能

免許制度の改正で、普通免許を取得していれば運転経験も2年以上であれば中型免許を取得することもできます。

街中でよく見かける4トントラックは中型免許の分類になるため、仕事で運転しなければいけないトラックが4トントラックであれば中型免許で十分でしょう。

さらに、中型免許から大型免許を取得するには教習所を最短で7日間通うだけで済むため、難易度も大幅に下がるでしょう。

合宿で短期集中を目指す

大型自動車免許が取れる教習所は、

  • 専用のコース
  • 路上教習
  • トラックなどの車両

と、揃えるものがたくさんあるため、普通自動車免許のように教習所の数が多くありません。そのため、自宅の近くに大型免許の教習所がない場合は合宿で免許を取得することをおすすめします。

合宿の場合は最短(普通自動車免許MT)で13日ほどで教習を終了させることができ、さらに中型免許を持っていると9日ほどで教習を終了させることができるため、すぐに大型免許が必要な人で短期集中で取得したい人は選択肢に入れるといいかもしれません。

大型免許の取得が難しくなった背景

2007年の法改正により、大型免許の試験内容が大きく変わったため、合格の難易度が上がりました。大きな変更点は、試験車両が大きくなったこと、試験内容が追加されたことの2つです。

法改正前の試験車両の大きさは7mほどでしたが、改正後は12mほどの車両に変更されました。試験車両が2倍近くの大きさになったのです。また、以前は構内試験を受けるだけだったものが、現在は路上試験も追加で受験します。12mの大型車を路上で運転するのはなかなか難易度が高いですよね。

路上試験の追加により、従来の走行試験に加えて間隔50cm以内の駐停車など難しいスキルもチェックされるため、ベテラン運転手と一緒に10時間以上練習する「路上練習」も受ける必要があります。さらに、路上試験に合格したら終わりではなく、受講可能な教習所が少ない「大型免許取得時講習」「応急救護処置講習」の受講も義務付けられているため、大型免許を取得できたとしても、長い時間がかかります。

一発試験合格者が減ることや、免許取得期間が延びることから、大型免許を取得できる人は少なくなっていると考えられます。

参考サイト

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