「現認」「てっちん」「テレコ」の意味とは?言葉の定義や由来を解説!
トラックドライバーとして活動していると、普段の生活ではまず使わない専門用語が頻繁に飛び交っているのを耳にします。
そんな環境に飛び込んでスムーズに仕事を行おうと思ったら、やはり業界用語を知っておかなくてはいけません。意味をしっかり把握しておけば意思疎通もできますし、失敗やミスも防げるはずです。
この記事では、あまり使いたくない用語である「現認」「てっちん」「テレコ」という3つの用語についてご紹介します。
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「現認」の意味とは
「現認」とは、配達する際、荷受人に荷物の状態を確認してもらうことを指す業界用語です。事務所を経由して荷物の送り主に連絡し、荷受人に現認してもらう許可を取り付けてから配達に向かうのが通常の流れでしょう。
「現物」を「確認」してもらうから「現認」。わかりやすいですね。
「現認」はどんなときに使うの?
ドライバーとして仕事をしていると、遅かれ早かれ「荷物が破損している」というシチュエーションに行き当たることになるでしょう。「現認」はそのような場合に使われる言葉です。
荷受人に現認してもらって、受け取れる状態であればそのまま受け取ってもらいますが、それができない場合は補償などまた別の対応が必要になってくるでしょう。
荷物の状態が悪いとクレーム問題に?
上記のことからわかるように、現認が必要となっている時点で顧客に大きな迷惑をかけてしまっています。
このうえ荷物の状態があまりにも悪かったり、送り主や荷受人が立腹していたりすると、クレーム問題に発展するケースも。そのような場合はドライバーではなく、運送会社の上席者が謝罪を兼ねて直接配達に向かわねばならないこともあります。
あまり使いたくない用語、と冒頭で語った意味がおわかりいただけたのではないでしょうか。
「てっちん」の意味とは
「てっちん」とはスチールホイールのこと……ではなく、周囲の車によって急ブレーキを踏まされることを言い表した言葉です。ドライバーの間で通じるスラングのようなものと思ってください。
具体的には「てっちんを食らった」などの形で使用します。
「てっちん」はどんな時に使うの?
先述のように「てっちん」とは自分が急ブレーキを踏むはめになることですから、当然、発生する場面は走行している最中です。
- 前の車が急ブレーキを踏むなどして車間距離が唐突に詰まった
- 車線変更したいときに周囲の車がなかなか譲ってくれず車間距離が詰まってしまった
- 隣の車線にいた車がいきなり自分の前方に車線変更をかけてきた
といったシチュエーションが考えられます。
「テレコ」の意味とは
「テレコ」とは「互い違いになること」の意。納入先を間違えてしまったときに使われる用語です。
先に説明した「現認」と「てっちん」が不可抗力的な要素を含む場合があるのに対し、こちらは運送会社側のミス以外の何物でもありません。その意味では、この記事で紹介する用語の中で最も口にしたくない言葉と言えるでしょう。
「テレコ」はどんな風に使うの?
前述のように、納入先を間違えてしまったときに使われるのが最も多いパターンです。このほか、本来積み込むべき荷物を別のドライバーのものと取り違えてしまった場合などにも「テレコ」が使われます。
テレコが発生するのは2者間とは限りません。たとえば「納入先Aに届けるべき荷物を納入先Bへ、納入先Bに届けるべき荷物を納入先Cへ、納入先Cに届けるべき荷物を納入先Aへ納品してしまった」というように、3者以上でのテレコも起こり得ます。
テレコに関わった納入先やドライバーが多ければ多いほど、事態の解決までには多い手間と長い時間を要します。発生させないように普段から注意しておきましょう。
物流以外でも「テレコ」は使われる
「テレコ」は物流の業界用語というわけではなく、もともとは歌舞伎の世界で「二つの異なる筋を一つにまとめ、多少の関連をもたせつつ一幕おきに交互に展開すること」を言い表す言葉でした。
そこから転じて「あべこべ」「互い違いになること」の意味になったという経緯があります。
関西弁として定着している言葉なので、関西圏で使用されることが多いです。実際、関西においては物流以外のビジネスシーンばかりか、日常会話でも使われることがあります。
まとめ
皆さん、いかがでしたでしょうか。
ここで紹介した「現認」「てっちん」「テレコ」はいずれもネガティブな言葉であり、最初に述べたとおり、できることならこれらを使う状況には巻き込まれたくないものです。
しかし、物流業界で長く働いているとどうしても使う場面に出くわしてしまうもの。避けては通れないことですから、気は進まないかもしれませんが、しっかり覚えて万一に備えておきましょう。