冷蔵車(冷凍車)の温度設定はどうやってするの?適温や設定方法を解説!
初めて食品ドライバーになる方にとって、冷蔵車や冷凍車は初めて乗りますよね。
物流業界において、冷蔵車はなくてはならない車両です。しかし、冷蔵車は何を運んでいるのか、温度設定はどのくらいになっているのか気になるのではないでしょうか。
それでは、冷蔵車が何を運んでいるか、温度設定などをご説明しましょう。
Contents
冷蔵車で運べるもの
生鮮食品
冷蔵車が運んでいるものの一つとして、生鮮食品が挙げられます。生鮮食品は鮮度を保ったまま運ぶことが最も大切であり、このことから完全に凍らせてしまうと品質が下がってしまいます。
ちょうどいい低温を保ったまま生鮮食品を運ぶには、冷蔵車で運ぶのが最も適していると言えるでしょう。
生鮮食品は物流において重要な役割を担っているため、冷蔵車での運搬が欠かせないことから荷主企業や消費者にとってとても大切な車両です。
チルド商品
チルド商品も生鮮食品と同様に低温で運ばなければならないものです。これは一定の温度で保管されているからこそ品質を保っていられるので、通常のトラックでは運ぶことができません。
このことから、消費者に元へ届けるためにも冷蔵車が必要です。冷蔵車は外部からの熱を遮るために断熱材を使用しており、強力なクーラーによってコンテナ内の温度を一定に保っています。
完全に凍らせてしまうと品質が下がってしまうので、チルド商品を運ぶ時は冷蔵車がかかせません。
薬品
生鮮食品やチルド商品の他にも、病院などで使われる薬品も冷蔵車で運びます。薬品の中には運ぶ際に一定の温度を保っていないと劣化したり、効果が薄れてしまうものがあるので、冷蔵車で運ぶ必要性があります。
医薬品物流センターから各事業所まで薬品を運ぶ際に欠かせない車両であり、冷蔵車が薬品を届けているからこそ運ばれた薬品が人の役に立っていると言えます。これからも冷蔵車の需要はさらに高まるでしょう。
冷蔵車の温度設定の種類
機械式
一般的な冷蔵車の種類として、最も広く普及されているのが機械式冷蔵車です。
機械式冷蔵車による温度設定はメインエンジンとは別にサブエンジンが搭載されており、走行中でなくてもサブエンジンが稼働していることによって冷却し続けることが可能なメリットがあります。
ただし、サブエンジンが搭載されることで車両の重量が増えてしまうため、積載量に影響したり、燃費が悪くなるといったデメリットがあります。扱いも多少難しいので、使いこなすにはコツがいるでしょう。
液体窒素式
液体窒素式冷蔵車とは、あらかじめ冷却させた液体窒素を利用してコンテナ内を冷やす車両です。液体窒素式冷蔵車も軒並み普及していますが、機械式や蓄冷式ほどは普及していません。
液体窒素式冷蔵車のメリットは、冷却機能が非常に高いことです。液体窒素の冷却効果は非常に高く、エンジンを止めていても高い冷却効果を保ったままになります。
しかし、液体窒素自体の値段が高いため、コストがかかってしまうのが最大のデメリットだと言えるでしょう。
蓄冷式
蓄冷式冷蔵車とは、冷蔵車を使用しない時間帯に冷気を保管しておくタイプの冷蔵車です。
この冷蔵車の普及率はとても高く、様々な会社で広く使われています。冷気を保管する仕組みとして、配送に使用していない時間帯に電気を使って冷凍機を稼働させておき、保冷コンテナ内に装備してある冷却板を凍結させます。
そして配送中に凍結させておいた冷却板による冷気でトラック内の温度を一定まで保ちます。
これならエンジンを止めていても関係なく冷気が排出されているので、エコで簡単に品質が保てるのがメリットです。しかし、温度を調節できないのが大きなデメリットでもあります。
冷蔵車の特徴
運転席で温度調整が可能
冷蔵車に搭載されている冷却機能は、本来冷媒やコンプレッサーといった冷却装置によって温度調整が行われています。温度調整の機能により、中距離や長距離の移動でも生鮮食品やチルド商品などの品質を簡単に保つことが可能です。
そしてこの温度調整は運転席からでも行うことが可能で、わざわざコンテナ内の様子を見る必要性がありません。このことから、時間を問わずどんな時でも手軽に温度調整ができるのが冷蔵車の最たる特徴だと言えます。
断熱パネルで夏場でも温度調整が可能
冷蔵車の天敵とも言えるのが、夏の暑い時期です。夏場は基本的に気温が高く、いくら冷却機能を備えている冷蔵車でも必ずしも影響を受けないとは限りません。そこで役に立つのが、断熱パネルです。
この断熱パネルは冷蔵車のコンテナ内に使用されており、これによって夏場でも温度調整が手軽にできます。断熱パネルによって外気温をある程度遮断できるので、温度が上がるのをある程度防ぐことができるでしょう。
保冷車と冷蔵車の違い
温度設定ができる
保冷車は断熱材を使用した箱に荷物を入れて冷やしながら運ぶ車両ですが、冷蔵車と違って荷物を冷やし続けることはできません。
荷物の温度が上がるのを抑えることはできるものの、冷やし続けることができないので早めに運ぶ必要性があります。
対して冷蔵車は基本的に温度を設定できる機能があるので、中距離でも長距離でも安心してコンテナ内の温度を調整することができます。特に長距離を移動するのであれば、冷蔵車での移動がおすすめです。
使用している素材
保冷車は基本的に保存している荷物の温度が上がるのを防ぐために断熱材が使用されています。
しかし、断熱材が使用されていたとしても完全に荷物の温度が上がるのを防ぐことはできないので、やはり長距離での搬送はおすすめできません。
対して冷蔵車は断熱パネルが採用されており、温度設定によって長時間の低温に耐えられるように耐久性が高い素材が使用されています。これにより、長距離でも安定して様々な商品を運ぶことが可能です。
移動できる距離
保冷車が移動できる距離は基本的に近距離か中距離になります。これは断熱材でしか荷物の温度上昇を防ぐ手立てがないので、速やかに商品を消費者や事業所に届けなければならないからです。
対する冷蔵車は温度調整によって長時間低温を保つことができるので、近距離はもちろん中距離や長距離でも安定して移動することが可能です。
まとめ
物流業界において冷蔵車は絶対に欠かせない車両であり、数多くの消費者が各事業所に様々な商品を配達するために必要です。冷蔵車は一般的なトラックとは見分けがつきませんが、機械式や蓄冷式など、その仕組みは大きく違うでしょう。