バルク車(粉粒体運搬車)とは?バルク車の特徴や構造、必要な免許を解説!
車の運転が好きな人にとって、特殊車両は気になる車輛のひとつ。
中でもバルク車はあまり走行しているのも見る機会が少ないので、どのような構造なのか知りたいと思っている人も多いのではないでしょうか。
そこで、バルク車の特徴や気になる構造、そして必要な免許についてご紹介したいと思います。
バルク車とは
バルク車とは粉粒体を運搬する際に使用する車両のことで、正式には「粉粒体運搬車」という名前がついています。
他には
- 「バルク車」
- 「エア車」
- 「ホッパー車」
- 「バルクローリー」
などの呼称があります。食料品を運んだり、飼料を運んだり、プロパンガスを運んだりすることがあります。
具体的に運ぶものとしては、
- バラセメント
- 炭酸カルシウム
- 石灰
- ポリ塩化ビニール
- ポリプロピレン
- ポリエチレン
- 飼料
などがあります。
バルク車の特徴
バルク車の荷台の部分はタンクになっていて、タンクの上部の投入口から積み込むことができるようになっています。タンクの内部は小さい部屋がいくつも分かれて存在していますので、種類の違う複数の粉粒体を運搬することが可能です。
粉粒体を投入するとエアコンプレッサーから圧縮空気が出ることで流動化させられます。流動化することで高所での排出や長距離輸送を可能としているのです。
バルク車の種類としては
- 「1室傾胴式」
- 「3槽重力落下式」
- 「ダンプ併用式」
- 「セミトレーラー」
- 「エアスライド式」
があり、使い道によって使い分けることが重要となります。見た目はタンクローリーに似ていますが、タンクローリーは液体を運ぶもので、粉粒体を運ぶバルク車とは別物です。
バルク車の構造
荷台部分のタンク上部から投入した粉粒体をマンホールを閉めてからエアーを送ることで圧縮加圧してタンク内の下部分からさらにエアーが入ることで粉粒体と混合されて流動化状態になっていきます。
中で加圧されている状態になるので、排出バルブを開けると粉粒体はエアーと共に排出することができるのです。この構造の特徴からプロパンガスを専門で運ぶバルク車も多く、プロパンガス専用バルクローリーのような車両も多く存在しています。
バルク車の種類
バルク車にはいくつかの種類があります。ここではそれらの種類について簡単に説明していきます。
エアスライド式
タンクの底部分に設置されたエアスライドキャンパスから噴き出してくるエアによって粉粒体を流動化させます。流動化したらタンクの中央部分にある排出口に集めていきます。
セメントのような流動性が良い粉粒体の排出に適している方式です。この方式のタンクは多くが1室傾胴式になっています。
ダンプ併用式
ダンプ方式を使ってタンクを傾斜させることで積載している粉粒体を後部排出部から排出することができます。後部ハッチが開閉できるために清掃しやすいというメリットがあります。
また、排出バルブが1ヶ所なので作業はわかりやすい動作で行えます。ただし積載しているものや積載量によってはフルダンプできないものがありますので、少しずつ傾斜を上げていく必要があります。
セミトレーラー
牽引されるセミトレーラー方式になっているバルク車です。荷台部分がトレーラーなので非常に多くの積み荷を積載することができます。注意点としては他の方式のものよりも運転が難しいという点があります。
飼料運搬車
鶏、豚などに必要になる飼料を運搬するものです。飼料を運ぶ専用仕様になっていることが多く、排出は荷台の上部の投入口までスクリューコンベアで運びこみます。
このスクリューの回転を利用することで多くの種類の飼料を一度に運搬することができるようになっています。
また、飼料以外にも小麦やグラニュー糖のような加工食品の原料などの食料品を食品メーカーやその工場まで運搬するような専用車両もあります。その場合は特に衛生基準が厳しく、タンク内の清掃が頻繁に行われることになります。
必要な資格
運ぶものによって必要な免許は変わってきます。基本的にそのトラックの大きさに応じた運転免許が必要になるほか、プロパンガスを運ぶ際にはいくつかの免許が必要になります。
販売や整備、点検などを行うには
- 「液化石油ガス整備士」
- 「保安業務員」
が必要ですし、配送に関しては「「高圧ガス移動監視者(液化石油ガス)」が必要になります。
運ぶ際の質量が3000kg以上の際に必要になるもので、移動監視者講習を受講した上で検定試験に合格しなければいけません。
ただし、「高圧ガス製造保安責任者」の資格をすでに保有している場合は不要になります。この「高圧ガス製造保安責任者」は国家資格になりますので難関となっています。
このプロパンガスの配送に関してはバルク車で配送するときはもちろん、ガスボンベを複数積載して配送するようなときでも同様に資格が必要なので覚えておきましょう。
まとめ
見た目はタンクローリーに似ているものの、液体を運ぶタンクローリーと違って粉粒体を運搬するのがバルク車です。様々な形式のものがあるだけでなく、運ぶものもプロパンガスや飼料、食料品など多種多様です。
積載物によっては運転するのに必要になる資格もありますので、運転を考えている場合は前もって調べておきましょう。