これからの運送業界の課題とは?現状の把握と対策で魅力ある業界に!
運送業界によるトラックでの輸送は、私たちのライフラインを支える重要な役割を担っています。そんな運送業界には多くの問題も山積し、課題も多くありますよね。
そこで今回は、運送業界が抱えている問題や課題、そしてどのような対応策がとられているのかについて、詳しくご紹介していきたいと思います。
Contents
日本の物流の大部分を担うトラックでの輸送
トラックでの輸送は日本の物流を支えています。例えば日本で輸送された荷物をトン数で表した時、およそ9割がトラックによる輸送という結果が出ています。つまり日本の物流はトラックで支えられているという事です。
この事からトラックでの輸送がいかに日本にとって重要であるかがわかるだけではなく、責任の重さも同時に実感しなくてはならないでしょう。
貨物の輸送を行う時にはプロドライバーとしての意識をもって臨まなくてはならないわけですね。
しかも大災害が起こった場合のライフラインの中心を担っているため、運送会社は国や自治体との連携を取る必要もあるのです。そのためには安全に確実に迅速に対応するという使命感を持ってお仕事をする必要があるのです。
運送業界の現状
日本の輸送を支えているという事はわかりましたが、それとは裏腹に運送業界ではどんな事が懸念されているのでしょうか?運送業界の現状についてわかりやすく説明いたしましょう。
深刻なドライバー不足
トラックドライバーは過酷な労働だと思っている方が多いのは事実です。特に遠方への貨物の輸送を行う時には自宅に帰れないというケースもあるでしょう。
そんな不安からドライバーが慢性的に不足しているのが問題視されています。また、ドライバー不足の陰には普通免許の取得の状況も関係があるかもしれません。
AT専用免許の取得をする方が増えたため、新たにMT免許の取得をしようと考える方が少なくなったというのもトラックドライバー不足に拍車をかけている事も忘れてはなりません。
しかもドライバーの高齢化による問題なども重なってしまいます。
今活躍しているドライバーが定年になってしまう前に改善しないと、ドライバー不足が加速してしまう事になるので業務に支障が出ないよう何らかの対策をとる必要があるでしょう。
燃料代の高騰
世界経済の状況に応じて燃料代が高騰するというのも打撃となっています。安くなる分には申し分ありませんが、突然高騰してしまうと燃料費がかかりすぎてドライバーの負担が増える事も懸念されます。
燃料費を抑えるために過積載になってしまったりする事態になると、ドライバーの負担や法律違反などの問題が出てくるのでそれもできず、結果的に経済的に苦しい状況になる事が懸念されています。
さらに荷主には燃料の高騰により運賃の値上げについて相談をしても、なかなか理解されず利益が出ない事もあるようです。
ハードな労働環境
先ほど少し出ましたが、トラックドライバーの仕事は時間が不規則になってしまったり、中には車中泊などをする事もあります。ゆっくりと休養を取る事ができず心身ともに疲労がたまる事もあるでしょう。
これにドライバー不足が重なってしまうので長時間労働になるため、ドライバーのなり手が減ってしまったりする原因ともなってしまうのです。
また、貨物の到着時間が決まっている場合には、間に合わせるために深夜に目的地へ向かう事もあるでしょう。これがドライバーがハードな労働環境だと言われている理由です。
この問題を解決する事も円滑に輸送を行うために必要な事かもしれません。
運送業界の課題と対策
では今後の運送業界の課題そして対策についてを簡単にお話いたします。
ドライバー不足の解消
まずはドライバーの仕事は過酷であるという認識を変えなくてはなりません。そのためには労働環境の改善を図って若い方が働きたいと思えるような対策をとる必要があるでしょう。
また、ドライバー不足をカバーするために
- トラックの大型化を図る
- ドライバー1人あたりの輸送する量を増やす
- 連結トラックを使う
などの対策をとる必要があるでしょう。そのための免許の取得の補助制度の導入などを検討する事も必要かもしれません。
輸送のコストカット
燃料費の高騰による利益の損失を少しでも防ぐために、
- アイドリングストップを実施
- 運行管理システムの導入して配車に無駄が生じないよう工夫する
などの必要があるでしょう。ドライブレコーダーを導入して、ドライバーが適正な運転方法を行う事で無駄をなくし、コストカット対策をする必要もあるでしょう。
すでに多くの運送会社で実施されている対策なので、続けていく内にその効果を実感できるでしょう。これらは企業側にできる最も早く効果が出る改善策なので、ぜひ早めの導入を検討してみると良いでしょう。
適性運賃での輸送
先ほども説明した通り、燃料費の高騰による利益の減少を防ぐため、荷主へ燃料高騰によって運賃の値上げなどについての説明を行い、荷主に理解を求める必要があるでしょう。
その際には後になって聞いている聞いていないなどの問題が起こらないように、口頭での説明ではなく必ず書面にて契約書を交わすなどの対策を行う必要があります。さらに普段の依頼も書面で受注を行うなどの対策も必要です。
業界全体での対応が必要
トラックでの輸送は国内の9割を占めています。それでもドライバーの人手不足や燃料費の高騰などの問題が山積みとなっています。これはすでに一部の運送業界だけの問題ではなくなってきているのです。
もちろん事の重大さは明らかですので、最近は行政も運送業界が抱える問題や課題に取り組み始めています。
- 労働法の改正を行う
- 適性運賃での輸送を維持するために、契約書を交わす手順の紹介
などの対応も行っています。大きな運送会社はもちろんですが、小規模の運送会社についても個別に課題への対策をとる必要もあります。
そのためにはできる事から少しずつ対策を実施して、運送業界全体が健全な運営ができるように改善していきましょう。
課題を解決し魅力ある業界に!
トラック業界は日本のライフラインを支える重要な分野です。だからこそ今感じている不安や問題点を早く改善する必要があるのです。そのためには業界全体で問題や課題の解決に取り組む必要があります。
一つずつ問題を開絶する事で過酷な労働環境というイメージを、働きやすい魅力的な仕事であるという事を広める事が、運送業界全体を発展させる事にもつながっていきます。
そのイメージが浸透して定着する事によって
- トラック業界全体の活気が戻る
- ドライバー不足の解消
にもつながっていくのです。そのためにもまずは問題を見つけ最善の対策を図るための行動をとっていきましょう。
もちろん運送会社だけの問題ではありませんので、荷主にも協力を求め全体を改善できるような努力をする事も忘れてはいけません。
まとめ
今回は運送業界の抱える課題について、その課題が運送業界にどのくらい影響を与えているのか、さらにそれぞれの課題をどのような対策で改善していくのかをご紹介いたしました。
運送業界は日本にとって非常に重要な分野なので、周囲の協力を経てより良い業界へと進化していきましょう。