多量排出事業者の定期報告とは?処理計画と実施状況報告書の作成方法について
多量排出事業者は定期的に計画書と報告書の提出が義務付けられていますが、はじめて提出する場合、何を準備したらいいのか分からないものです。
そこで、多量排出事業者が行う、処理計画と実施状況報告書の作成方法についてご紹介したいと思います。
多量排出事業者の計画書と報告書の提出が必要なのは
産業廃棄物処理法で定めるところの多量排出事業者とは、その事業を行うのに伴い多量の産業廃棄物を生じる事業場を設置する事業者の事を指し、その基準は年間1000トンを排出する事業所です。
ただし特別管理産業廃棄物については、前年の発生量の合計が年間50トン以上の事業所が該当します。この時中間事業者がいたとしてもその中間事業者は除いたトン数で計算されます。
計画書や報告書の提出をするのは国で決められた義務なので、該当する事業所は必ず提出しなくてはなりません。
発生量と年間発生量の違い
よく間違いやすいのが発生量と年間発生量です。
この二つの違いを簡単に説明すると、発生量というのは多量排出事業者が設置する事業場(店舗、営業所、工場など)で、事業活動を行った時に排出される産業廃棄物の量の事を言います。
ただし事業所内で直接再生利用した場合には、再生利用した量や中間処理した量も含まれます。
では一方の年間発生量とは何かというと、年間に発生した産業廃棄物の事なのですが、廃棄物の種類によって中間処理を行った場合の発生量の事を表します。
どちらも産業廃棄物なのですが、全ての発生量と中間処理後の発生量では明らかに量が変わります。これが発生量と年間発生量の大きな違いです。
- 脱水
- 乾燥処理
などがこれにあたります。また中間処理は産業廃棄物によって処理の方法は変わってきます。
該当期間と提出期間
該当期間には計画書を作成します。目標を定めて過去数年の傾向、前年度の受注高をもとに推計して数値を求めます。
この時数値は重量で記載する決まりとなっていますので、もしも体積や個数などで計算している事業者は重量に換算しなくてはなりません。
計画書を作成したら該当年度の提出期間までに提出しなくてはなりません。提出する時に報告書という形で提出します。
提出期限については該当年度(翌年)の6月30日となっているので、忘れずに計画書の提出そして報告書をそれぞれ提出しましょう。
処理計画の作成方法
ここでは処理計画の作成方法と提出書類についてご紹介いたします。
提出書類についてはマニュアルから引用していますので、該当事業所は必要な計画書などの書類をダウンロードします。ダウンロード先については該当する環境局のホームページからダウンロードします。
【提出書類一覧(マニュアルから引用)】
『産業廃棄物処理計画書』様式第二号の八
『特別管理産業廃棄物処理計画書』様式第二号の十三
環境局のダウンロードURL:http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/resource/industrial_waste/notification/summary_processing/summary_processing.html#cms4
提出書類に関してはメールに添付して環境庁まで送信する事でも提出できます。記入方法や記入例についても環境局のホームページで閲覧やダウンロードする事ができますので活用しましょう。
処理計画書の提出先については処理計画の都道府県知事へ提出します。なので管轄している提出先に計画書を添付してメール送信しましょう。メールを活用する事によって時間のロスを軽減できます。
作成方法はエクセルを活用して作成します。
- 事業場の名称、事業場の所在地など基本的な情報
- 一連の産業廃棄物の処理工程と処理にかかわる管理体制
など、処理計画を細かく記載していきましょう。
もしも当該年度の排出量が1000トン以下であった場合は次年度には該当しない事を記載しておきましょう。その他の注意点については該当する環境局のホームページで確認しましょう。
実施状況の報告
ここでは該当年度の提出期日までに提出する提出書類についてご紹介いたします。
提出書類についてはマニュアルから引用していますので、該当事業所は必要な報告書をダウンロードしましょう。ダウンロード先については管轄の環境局のホームページからダウンロードします。
【提出書類一覧(マニュアルから引用)】
『産業廃棄物処理計画実施状況報告書』様式第二号の九
『特別管理産業廃棄物処理計画実施状況報告書』様式第二号の十四
環境局のダウンロード先については計画書と同じURLからダウンロードが可能です。エクセル様式になっているので必要事項を丁寧に記入していきます。
作成した処理計画実施の状況を管轄する都道府県知事に報告するための書類です。この報告書は住民に公開されるものなのでわかりやすくまとめると良いでしょう。
目標値と実際の実施状況を記載していきます。報告書の作成が終わったら電子メールに添付して各都道府県知事に提出します。
作成をするにあたってどのように記載すれば良いのかわからない場合には、環境局のホームページに記入例があります。その記入例をダウンロードして利用すると迷わず報告書の作成ができるでしょう。
まとめ
今回は多量排出事業者についての説明をいたしました。
- 発生量と総発生量の違い
- 計画書の提出や作成方法
- 報告書の作成方法
などについてもご紹介いたしました。初めて提出する場合にも慌てずにマニュアルをよく読んで作成すると良いでしょう。
また、優良参議杯処理業者認定制度をうまく活用すると、事業についての理解も深まり利用者の増加も見込めるでしょう。
優良産廃処理業者認定制度について詳しくお知りになりたい方は URL:http://www.env.go.jp/recycle/waste/gsc/index.htmlをご覧ください。