ロープで荷物を固定できる南京結びのやり方とは?
南京結びはトラックのドライバーなら誰もが知っているロープの結び方です。
慣れている人にとってはなんともない簡単な結び方なのですが、いまいち手順がわからないと混乱するばかりです。そこで今回は南京結びについて詳しくお話いたします。
Contents
重要な荷台への荷物の固定方法
トラックは荷物を輸送するのに最適ですが、トラックの形によってはロープで荷物をしっかりと固定しなくてはならない事がありますよね。
中でも平ボディ―のトラックの荷台に荷物を載せて輸送するには、しっかりと荷物をトラックに固定しなくてはなりません。
トラックのあおりの外側にはフックがついていて、そのフックにロープをかけてしっかりと固定するのですが、固定する時のロープの縛り方は非常に重要です。
しっかりと縛らないと走行中にほどけてしまって荷物が落下する危険があります。もしも道路上に荷物を落としてしまったら、後続車が事故を起こしたり積荷の荷主の荷物を破損してしまいかねません。
特に走行中の荷物の落下は周囲のドライバーの命を脅かす事もあるので、しっかりと固定する事ができる南京結びが重宝されるのです。
南京結びは基本中の基本
南京結びというのはロープの結び方としては基本中の基本ともいえる結び方です。
ちょっと特殊な結び方なので最初はややこしいと感じてしまいますが、一度覚えてしまえば身体が勝手に動くようになるので自然に動くようになるまで練習しましょう。
もちろん他にもいろいろなロープの結び方があるのですが、その中でも南京しばりはトラックの荷物を固定するのにも使えますし、釣りやキャンプなどでも使う事ができます。
特徴としては結んだ後に引っ張っていけばどんどんきつく固定する事ができます。でもほどくのも意外と簡単なのも特徴の一つです。
覚えておくとどこの運送会社でも使えるので、まずは結び方を理解してスムーズに結べるように練習してみましょう。
南京結びの特徴
では南京結びの特徴をご紹介いたします。
必要なのはロープのみ
南京結びといってもフックなどの金具がいるという事もありません。南京結びで使うのはロープ1本のみです。
さらに長いロープがあれば前のフックから最後尾のフックまでをしっかりと固定する事ができるので、できれば長めのロープを用意すると良いでしょう。
もちろんロープが長すぎても余った時の処理が大変なので、荷物の量を把握してちょうど良い長さのロープを用意すると良いでしょう。
走行中も緩みにくい
一般的なロープの結び方をすると、走行中にガタガタと振動して荷物が動き、ロープが緩んで荷物が落下してしまうなんて事もあるようですが、南京結びの場合は結んだ後でさらに締め付ける事ができる結び方です。
なので走行中の振動によってロープが緩んでしまうという事はほとんどありません。もちろん必ずとは言えないので最初の段階で少し走ってみて、締め直せば安心です。
少ない力で締めこめる
南京しばりをすると思いっきりロープを引っ張らなくても大丈夫です。普通のロープならロープをしっかりと張った状態で縛らないといけないので、
結ぶ時に非常に大きな力を必要としますが、南京結びではそんなに大きな力は必要ありません。
なぜならば南京結びは滑車の原理で締め付けるので、女性の力でもしっかりと荷物を荷台に固定する事ができるのです。
南京結びの方法について
では具体的に南京結びのやり方をご紹介していきましょう。荷物を固定しているロープを左手、ロープの余りを右手に持ちます。
右手のロープを二つ折りにして持ちます。次に左手のロープで大きな輪を作って右手のロープに左手の輪を二度巻き付けます。
すると左手の下の部分に輪ができているので、この輪に余っているロープを通します。この時全部を通さずに輪を作るように引っ張り出し、その輪を伸ばしてフックに引っ掛けます。
引っ掻けたら今度は余っているロープを少しずつ引っ張って締め付けましょう。少しずつギュっギュッと引っ張る事でロープがどんどん締まっていき、しっかりと固定されていきますので、
あとは残ったロープをフックに掛けてほどけたりたるんだりしないようにしっかりと締めていきましょう。
言葉だけで説明をしてもなかなか頭に入ってこないと思うので、実際に南京結びをレクチャーしている動画などを確認しながら手順を覚えていく事が大事です。
もちろん画像を見て覚えようと思う方もいらっしゃるでしょう。
でもやはり動いている動画の方が覚えやすいです。さらに一度できたからと言って満足するのではなく、何回も何回も練習してマスターしていきましょう。
南京結びの注意点!
ここでは南京結びをする時の注意点についてご紹介いたします。
輪っかはなるべく上で
最初に作った輪をフックに引っ掛けるのではなくて、実は最初に作った輪は滑車の役割を果たすものなのです。
そしてそこから下の方に作った輪が最終的にフックに引っかかり、余ったロープを引っ張ると荷物が締め付けられます。
なので南京結びをする時には、最初に作る輪をできるだけ上の部分に作った方が最終的に締め付けがしやすくなるのです。
もしも下に作ってしまうとフックと滑車が近すぎて、しっかりと締め付ける事ができないので上に作りましょう。
編み込むときはしっかりと
南京結びは何といっても滑車の働きをする輪が非常に重要な役割を持っています。
なので滑車にする部分(左の輪を右の二つ折りにしたロープにくぐらせるところ)は螺旋になるように巻き付けなくてはなりません。
もしもこの時の巻き方を失敗すると、ロープ同士の摩擦が少なくなるので滑車としての働きができなくなってしまいます。
結果的に一つのロープの摩擦になるので力が弱く、荷物をしっかりと固定できないので危険です。
締めこみすぎに注意!
ロープは紐なので全体的に荷物を締めていると思われるかもしれませんが、実はロープというのは荷物の角に力がかかるものなのです。
つまり線ではなく点で荷物を固定しているため、あまり強く締め付けると荷物を破損する可能性があります。
もしも荷物が破損しやすいものだった場合には、ロープを締め付けすぎて箱を破損してしまったり、箱を通り抜けて品物に直接あたって傷をつくったり壊れたりする原因にもなります。
もし破損しやすいのならガードを入れるなどの工夫が必要になります。
まとめ
今回はトラックドライバーの必須ともいえるロープの結び方、南京結びについてご紹介いたしました。
この記事が南京結びが難しくて覚えられないという方のお役に少しでも立てれば幸いです。基本的なものなのでぜひ覚えておくと良いでしょう。