【2020年版】トラック運転手の業界用語集

      2020/07/06

トラック運転手になると、運送業界でよく使われるドライバー用語、いわゆる「業界用語」をたくさん覚えることになるでしょう。

先輩社員との会話の中で、これってどういう意味?という言葉が出てくるはずです。そんなときのために、ドライバーハッカーがトラック運転手がよく使う業界用語をまとめました!

トラック運転手の業界用語集

グリーン高速

グリーン高速は、東名高速や名神高速の事を言います。

東名高速道路や名神高速道路の中央分離帯に植え込みがあるところが多かったため、この呼び方になったのだとか。主にトラックドライバーが無線でやり取りをするときに、「今グリーン高速にいるよ」といった使われ方をします。

デジタコ

正式名はデジタル・タコグラフと言います。タコグラフとは、運行時間や速度の変化などをグラフ化し、その車両の稼働状況を把握するため自動車に搭載する「運行記録用計器」のことです。

デジタル・タコグラフをトラックに取り付けることで、運転時間、走行距離、速度、急発進や急ブレーキ、アイドリングの時間などを記録する事ができます。

ドライバーが法定速度や休憩時間などを遵守しているかを簡単に確認したり、安全管理や労務管理に活用することができますし、GPSによる位置情報からリアルタイムで警告を出したり運転の評価が行えることから、事故の防止や燃費向上、安全運転への啓蒙にも利用されています。

ゲテモノ

トラック運転手一人で運べない荷物のことを言います。(ダンボールで梱包されていないタイヤなどの荷物のことを言う場合もあります)

通常はトラック運転手一人で運送しますが、ゲテモノの場合は一人で荷物を下ろすことができません。受取人のほうで荷下ろしを手伝ってくれる人がいない場合もよくあります。

別の運転手の配達区域でゲテモノの依頼があった場合は、手伝いに行って欲しいと運送会社から依頼が来ることもあります。

荷姿

輸送される荷物の外見や形状を、荷姿といいます。基本的に荷物は梱包されているので、おもに梱包状態のことを指します。

ダンボールなど紙箱によるカートン梱包、密閉木箱によるケース梱包、すかし木枠によるクレート梱包、角材でゲタを履かせたスキッド梱包、木製やプラスチック製の簀の子状の台に積んでラップやバンドで固定したバレット梱包、などといったものがあります。

車上渡し

トラック運転手が積んだ荷物を目的地まで運び、荷下ろし作業は配達先の受け取り人ご自身で行う事を、車上渡しといいます。車の上で荷物を引き渡すので、その名前がついたようです。

重たい荷物の車上渡しをする際は、受取人側でクレーンやフォークリフトなどを使う必要があります。用意がない場合、荷物を降ろせなくなってしまうので、車上渡しの際は荷下ろし環境が整っているか確認することが大切です。

また、荷下ろし作業に慣れていないと荷物に傷を付けてしまう事があるため、後でトラブルにならないよう事前に傷が付いてないか確認することも忘れないようにしてください。

完納

完納とは、完全納入のことを言います。一度で全てを納品してしまうことではなく、分割して行った納品がすべて完了したことを言います。

あくまでも、すべての荷物を納品することが出来て初めて完納なので、使い方に気をつける必要があります。

口割れ

複数個の荷物を同じ配達先に発送をした際に、以上の荷物が別々の便に載ってしまうこと、また、そのせいで荷物の一部が遅れて届くことを口割れと呼びます。

口割れを防ぐために、1つの伝票で複数の荷物を送る事が可能ですが、伝票が剥がれてしまったり、伝票が見にくい場所に貼られていた際に、口割れを起こす事が多いようです。

台切り

トレーラーから荷台を切り離し、トレーラヘッドだけにすることを台切りといいます。

トレーラーは牽引車である「ヘッド」と、コンテナを載せる車輪付の台である「シャーシ」に分かれており、この2つを切り離しヘッドだけ動きまわることができます。

路上台切りは渋滞や事故の原因になるため問題視されています。

エア噛み

ディーゼルエンジンのトラックで燃料切れを起こした際に、燃料系統に空気が混入してエンジンがかからなくなることをエア噛みと呼びます。

ガス欠の時のような状態になりますが、そのまま何もせずにエンジンをかけようとしても中々かからないことが多いです。対処法として、燃料系統内に入った空気を抜いてから、エンジンをかけることを行います。

運転席後方のフロアマットの下にプライミングポンプが付いているトラックの場合、手動でエア抜きを行えます。

帰り便

本拠地に変える車のことを帰り便と呼びます。主にチャーター便に使われ、発地点から着地点までが「行き便」、着地点から発地点までが「帰り便」と呼ばれます。帰り車と呼ぶこともあります。

チャーター便は特定の荷物を運ぶ目的で走るので、基本的には帰り便は空荷で走ることになります。

しかし、近年は運送計画の合理化が進み、帰り便を利用して荷物を運送することでコストを引き下げる動きも進んでおり、帰り便=空荷、という常識はなくなりつつあります。

ストレッチ

荷物を積む際、パレット上にまとまって乗った荷物などを、荷崩れしないようにポリエチレン製のストレッチフィルムで包装することをストレッチといいます。これを行うことで積み入れ時も、幾つかの荷物を大きな一つの荷物として扱うことができるようになります。

ストレッチフィルムを利用する対象は大きな荷物が多いので、大抵は手作業ではなく専用のストレッチ包装機で行います。

月光仮面

トラック運転手が無線でやりとりする際に、白バイのことを月光仮面と呼ぶことが多いです。

白バイに乗った警察官は、白ターバンや覆面、サングラス、白マフラーなどを身に着けてバイクで颯爽と現れる正義の味方である月光仮面のイメージに合っていることから名づけられたようです。

※昭和33年に放送開始されたテレビドラマなので、若いトラックドライバーはあまり使わないようです。

縦持ち

2階以上の建物の、地上から2階、3階へと荷物を上げ下げする運搬作業のことをいいます。同じ階層の移動であれば横持ちという使い方をするが、高い所へ行く場合にはこの言葉が使われます。

縦持ちの多くの場合は建築現場への輸送になるため、荷物が持っていくだけで相当な時間を要する場合が多いです。

直積み

パレット等を使わず、商品を床から直接積み重ねる方式のことを直積みといいます。

パレットに置くと不安定になってしまうものや、明らかにはみ出してしまうものは直積みすることが多いです。またパレットを利用していても、どこかで床に積んでいる状態であれば直積みとして扱われます。

平ボディ

荷台の丈夫が覆われておらず、サイドの壁部分(あおり)のみで囲まれている、いわゆるごく一般的なトラックのことを平ボディと言います。

上部が開放されているために荷物の高さをほとんど選ばず、また詰み方によっては荷台の大きさ以上のものを積載することもでき、さらにクレーンによる積み込みにも対応するため、ほとんどの一般貨物を運ぶことができるという事で運送に広く用いられます。

欠点は上部が開放されているがゆえに、雨や雪などによる水濡れしやすい点です。

バラ積み

フォークリフトなどを使用せず、荷物を一つずつ手作業で積み込む事をバラ積みいいます。ウィング車ではそういった作業はあまりありませんが、平ボディ車ではこの作業をする事が多いです。

積み込むものによっては重いものを下に置き、軽いものを植えに置くよう考えながら積み込む事をしなければいけません。肉体的にも大変な作業です。

テレコ

荷物の順番が入れ違っていたり、ずれていたりすることで、行き先があべこべになってしまうことを言います。

荷物の配送先を取り違えてしまったり、または別のドライバーと積み込みの荷物の取り違えをしてしまったりする状態を指します。使用する際、良い意味の言葉で使われる用語ではありません。

特に関西圏で使われることが多いようです。

軒下渡し

トラック運転手が目的地に到着後、荷物を受け取る人の建物の玄関・入り口まで荷物を持って行く場合、軒下渡しと呼ばれます。宅配便は軒下渡しになります。

軒下渡しの反対語が車上渡しとなります。

ニッチ

隙間産業を意味するビジネス用語です。運送業界では取り扱う業者の少ない荷物や、そういった荷物を専門に扱う業者のことを指します。

特殊な運送技術が必要だったり競争相手が少ないため、収益率が一般の荷物より高いことも珍しくありません。

大手に対する小規模業者を指す意味として使われることもあるが、大手では対応できない特殊な荷物専門に扱うなど、否定的な意味で使われるものではありません

デポ

小規模な倉庫や末端の配送拠点のことをデポといいます。

元はフランス語の「下に置く」という意味の「depot」が、貯蔵所や倉庫の意味として用いられるようになった言葉のようです。

卸売業では販売拠点ともなるような物流の最前線で、回転よく荷物をさばいていくための施設なので、あまり多くの在庫を多く抱える機能は持っていません。

宵積み

朝一番に荷物を出発させるために、前日以前から荷物を引き取って車に積み込んでおくことを宵積みと呼びます。

そうすることで、配送当日の朝をのんびりできるメリットがあることと、倉庫のスペースをより活用できるメリットがあります。

今では宵積みしてから退社している会社も少なくなく、運送業界では当たり前の作業となってきています

特に週休2日制になってからは、金曜の夜に積み込んで月曜の朝まで丸2日以上も預かることになり、荷主側にとってのメリットが非常に大きくなっている。

現認

配達先で荷物の破損の有無を確認してもらうことを現認といいます。

荷物の外装、ダンボールなどがつぶれていたり、穴が空いているなどのダメージがある時に、その状態のまま配達して、配達先で荷物を確認してもらうことです。

最後に

いかがだったでしょうか?

業界用語を使いこなして、プロのトラック運転手を目指しましょう!

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