トラック運転手の休憩時間は何時間?ドライバー経験者が実態を説明
トラック運転手への転職を考えている方にとって、運転手の休憩時間は気になることだと思います。
ニュースなどではドライバーの睡眠不足や連続運転が問題とされる事故も起こっていると伝えられており、ドライバーへの転職を考える方は不安に思っているのではないでしょうか。
そこでここでは、ドライバーへの転職を考えている方の不安が少しでも軽くなるように、休憩時間に関する法律や会社側の取り組みなどをご紹介したいと思います。
Contents
トラック運転手の労働時間に関する法律
通常私たちが仕事をするに当たっての法律として、労働法32条で1週間40時間 一日当たり8時間の勤務時間が定められています。
もっとも、36協定のように、ある程度の残業をOKするような許可がなされていればこの限りではありません。
それでは、実際に現場に出て働かれているトラック運転手の実態はどのようなものでしょうか?
次の章ではより詳しい法律とともに、実際の現場の様子を述べていきます。
連続運転時間の限度
連続運転時間、つまり一人の人がハンドルを握って運転し続けている時間の限度は4時間です。
しかし実際のところは、例えば目的地まで6時間かかるような配送業務があった場合、運転手も4時間が限度であることは意識してはいるものの、クライアントがスピードを求めていることをつい意識し、ノンストップで運行し続けている、という話をよく聞きます。
拘束時間の限度
拘束時間については、基本的に1日あたり13時間が原則となっています。
ただし例外として、以下のケースが挙げられます。
- 運転手と雇い主双方の協定が出来た場合、16時間まで延長可能
- 1台の自動車に2人以上で乗務する場合、20時間まで延長可能
どちらかといえば長距離の運転手さん向けの法律と言えるでしょう。
会社が運転手の体調を第一に考え、法律をきちんと遵守出来るような環境を構築出来るように努力して欲しいところです。
休憩時間について
先の拘束時間に補足して、拘束時間には必ずセットとして休憩時間がついてきます。
仕事として長時間の拘束時間が発生するからには、きちんと休憩出来るような環境が必要です。たとえば大型トラック等では、後ろで横になって休めるスペースがあります。
実際に時間の余裕のあるときや待ち時間を利用して、上記スペースでカーテンをかけて休んでいるトラック運転手がいらっしゃいます。
休息時間について
24時間の内、8時間は連続して休息時間とすること、これが大前提です。
睡眠時間を削ってまで労働していると大きな事故の元ですから、これは当然と言えるでしょう。
荷積み待ち、荷下ろし待ち時間は休憩時間ではなく労働時間
特に夜間便のトラック運転手に多いケースですが、例えば目的地である企業等に到着したはいいものの、企業の始業時間が例えば朝7:00で開門せず、待ちぼうけをくらうケースも多々あります。
これは相手先都合であるから仕方のないことですが、開門までの待機時間についても労働時間としてカウントすべき時間になります。
トラック運転手はいつ、どれ位の休憩時間が取れているのか?
全てはクライアントの希望次第、ひいては会社の指示次第、というのが実情のようです。
トイレ等必要なケース以外は、休憩時間を惜しんで運転しているケースが多いようです。
休憩時間の法律を分かっていながら働かせるブラックな運送会社も
残念ながら一部には、いわゆるブラックと言われるようなケースがあることは確かでしょう。
事実、法律にそぐわない、もしくは休憩休息時間を惜しんでも働かざるを得ない環境下での仕事を強いられるようなケースは沢山あるようです。
もっとも昨今では国土交通省がこのような問題を重視し、悪質な会社に対しては業務停止等の厳罰を課すことも厭わない状況になっています。
トラックドライバーの勤務時間を把握するための取り組み【デジタコ】
デジタコがあれば、どの時間帯にどれだけのスピードで運転したのかが一目瞭然で分かります。
勤務実態の把握という意味も含めて、全ての運転手さんを守るという意味でも、実践して頂きたいことですね。
まとめ
昨今はAmazonや楽天といったネットでの販売が発達し、物流における期待度やニーズは飛躍的に上昇しています。
にもかかわらず、運転手は激務であるというイメージ等もあり、なり手が少ない為、多くの現役ドライバーが辛い思いをしているというのが実情でしょう。
ただしその反面、大手の運送会社であればきちんと法令順守をして労働者を守る心構えの会社もありますし、逆に働けば働いただけ賃金を多く出す会社もあります。
重要なことは、運転手として働いた場合、休憩時間をメインで考えるか、反対に休憩時間は少なくてもいいから、沢山お金が欲しい!と割り切るか、どちらを重視するかを考えて、貴方に合う運送会社を選択することが重要です。