レッカー車は緊急走行するために必要な手続きとは?サイレンはパトカーと同じ?

   

レッカー車の緊急走行はあまり見かけませんが、一般的な緊急走行車と何か違いはあるのでしょうか?

まずは緊急走行の定義について知り、緊急車両についての理解を深めましょう。

また、どんな時にレッカー車が緊急走行するのかについても見ていきます。

緊急走行の基礎的な知識について

緊急走行の定義について

緊急車両とは分かりやすく言うと「治安維持やインフラ整備に必要不可欠な車」です。具体的には、消防車・救急車・政令で定められた車で緊急活動中のものを差します。

また緊急用車両が緊急活動として運転する時は、法律の定めによりサイレンを鳴らすと同時に、赤色の警光灯を点灯させる義務があるとされています。

要するによく見かける「サイレンを鳴らしながら、赤色のライトを点灯させながら走る車」という理解でいいでしょう。

緊急車両として認定を受けるには?

緊急車両として認定を受ける際に最初にやらなければいけないのが「公安委員会への申請」です。そして、公安委員会がその申請を受理した後、書面にて通知されます。

次にその通知された書面を国土交通省運輸支局に持参し、車両を登録して「自動車検査証の写し」を公安委員会に提出し、

「緊急自動車指定書」が交付される流れとなります。緊急自動車指定書は常に車に備え付けておく必要があります。

緊急走行時の青・赤・黄灯が示す意味とは?

緊急車両の緊急走行時の青・赤・黄灯にはそれぞれ意味があります。まず青色灯は「自主防犯活動用自動車」です。青色のパトカーとも言えるもので、学校の登下校のパトロールをしています。

赤色灯はパトカー・白バイ・救急車・消防車など交通や犯罪、また消防活動や救急活動など治安や人命にかかわる活動をするための車が使用します。

回転灯の色の違いを理解すると緊急性があるかどうかの見極めができます。

レッカー車はどんな時に緊急走行するのか?

レッカー車は緊急性が高い場合、パトカーなどと同様に緊急走行をします。ここでは、レッカー車がどんな時に緊急走行するかお話します。

事故発生時の緊急走行

まず、レッカー車が緊急走行する場面で多いのが「事故対応」です。車両事故の場合優先されるのが「負傷者の手当てや搬送」ですが、次に重要なのが「事故車両による渋滞や通行止めの解消」です。

渋滞や通行止めが長引くと市民生活に支障が出るため、自走不能になった車を動かすのに欠かせないのがレッカー車の大きな役割の1つとなります。

レッカー車は吊り上げるためのクレーンや、引き上げるためのウインチなどを使い、車を移動させます。

事件発生時の緊急走行

次にクレーン車が活躍する場面として挙げられるのが、「事件対応」です。一番多いのが盗難に遭った車や事件に使われた車を警察が発見し、「証拠物件」として押収する場合です。

ただし単なる窃盗事案では押収することはなく、例えば薬物反応や銃刀法に抵触する可能性のある「事件性かつ緊急性の高い」事案の場合に、レッカー車を緊急走行させて対応します。

勿論当該車両が何らかの原因で、通常の移動ができない場合に限りレッカー車を使って強制的に移動させます。

その他の緊急走行対応

レッカー車のその他の緊急走行対応としては、「円滑な消防活動のため」が挙げられます。火災現場に消防車などが向かう際に、駐車違反などで通行できないことがあります。

その場合、緊急措置として通行の妨げになっていたり、消火栓や消防用水などの消防活動に欠かせない場所に駐車している車をレッカー車を使って移動させることがあります。

このように、レッカー車もパトカー・消防車・救急車と同様にこれらをサポートする車として緊急走行することがあります。

レッカー車以外で緊急走行する車

レッカー車以外でも緊急走行する車がいくつかあります。ここでは6つの種類に分けてご紹介します。

消防車

文字通り、消防車は消防活動をするための車です。火災現場に急行し、早急に鎮火・被害の拡大防止を図ります。

一口に消防車と言っても、ポンプ車・はしご車・放水車・化学車・特殊化学車・照明電源車・排煙高発泡車・救助工作車など様々な用途に分かれています。

救急車

救急車は消防車と両輪を成すと言っても過言ではない車です。救急車が活躍する場面は、事件・事故だけでなく火災現場でも大きな存在があります。

病人やけが人を救急車内で手当てすることや、受け入れ可能な搬送先を問い合わせた後、搬送するなど緊急性の高い業務を行っています。

パトカー

パトカーも消防車・救急車と並び、普段目にすることが多い緊急走行をする車です。パトカーは事件・事故の時のみに緊急走行すると思われがちですが、

被疑者を緊急逮捕した場合に、裁判所に礼状請求する場合もサイレンを鳴らして走行することがあります。

電気・ガス・通信事業者

電気・ガス・通信事業者の中で最も日常的に緊急走行するのが「ガス」です。ガス漏れの通報を受けると、マンホールのふたを開けて内部のガス管をチェックします。

電気の場合は病院などで停電があると人命に関わるため、緊急走行をすることがあります。通信事業者は不法に開設された無線局の電波を傍受した場合に緊急走行をします。

自衛隊車両

自衛隊車両は道路交通法に準ずるため、通常はパトカーの先導による緊急走行が行われます。主に災害が起こった場合がこれにあたります。

そのため、一般道では時速80km、高速道路では100kmの速度制限があります。ただし、防衛出動や治安出動など戦時下においてはこの限りではありません。

災害対策本部車

災害対策本部車は、災害発生時に現場に向かう際に緊急走行します。現地対策本部として設置され、災害対策の指揮命令の中枢となります。

内部には会議室だけでなく、トイレ・ベッド・シャワー・発電機など完備されています。そのため、災害が長期化しても耐えられるようになっています。

まとめ

いかがでしたか?今回は、レッカー車やその他の緊急走行をする車についてご紹介しました。いずれも市民生活を守るのになくてはならない存在です。

今回の記事を読んで、緊急走行をする車について理解が深まればと思います。

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