トラック運転手の無線用語とは?用語の意味を理解して無線を楽しもう!
トラックといえば車両に長いアンテナを付けて、無線でドライバー同士で会話しながら走っているイメージがありますよね。
そんなドライバー同士の楽しみの一つである無線には、トラック無線でだけ使われる専門的な用語があることをご存知でしょうか。
今回は無線を使い始めたばかりのトラックドライバーの方々のために、分かりにくいトラックの無線用語について詳しく紹介していきたいと思います。
Contents
無線はトラックドライバー同士の楽しみの一つ
トラックドライバーは基本的に娯楽に飢えている存在である、と言っても過言ではないのではないでしょうか。
長い勤務時間ずっと運転席に座っているだけでは飽きてきますし、仕事内容によっては待ち時間もあるため、よけいに暇つぶしの手段が必要となります。
そんなドライバー職ですから、仲間同士で会話できる無線は大きな楽しみ。無線用語を理解できるかできないかでコミュニケーションの取りやすさがまったく変わってきますから、知っておくに越したことはありません。
トラックの無線用語を紹介
トラックドライバーがよく使用する無線用語をあいうえお順に紹介します。感覚的にすんなり納得できるものだけではなく、ちょっと聞いただけでは由来のわかりにくい言葉も多々ありますので、ぜひ参考にしてください。
あ行の無線用語
「青タン」⇒青信号のこと。
「赤タン」⇒赤信号のこと。
「お声がけ」⇒簡単な挨拶の意。
「押しが弱い」⇒ブースターをドライブするための電力が足りないこと。
「男の花道」⇒国道1号線。トラックドライバーには男性が多いため「男の」という冠がつきます。
「お二階さん」⇒高速道路のこと。
か行の無線用語
「ガッチャマン」⇒交通事故のこと。
「かぶり」⇒チャンネルが混信した状態。
「棺桶」⇒箱車のこと。
「カンカン」⇒積載量の取り締まりのこと。
「首振り」⇒トレーラーを指す。
「グリーン看板」⇒高速道路標識のこと。
「月光仮面」⇒白バイを指す隠語。
「コマーシャル」⇒仕事の意。
さ行の無線用語
「下」⇒一般道のこと。「下道」とも言う。
「絞込」⇒車線減少のこと。
「ジャンボ」⇒大型トラックのこと。
「スライド」⇒道ですれ違うこと。
「銭箱」⇒有料道路における料金所のこと。
「セラカン」⇒セラミック真空管。
た行の無線用語
「焚く」⇒ブースターを入れることの意。
「たぬき」⇒こちらからは電波を出さずに傍受すること。
「チューリップ」⇒パチンコ。
「ちょんまげ」⇒ユニック車のこと。ユニック部分がちょんまげに見えることから。
「墜落」⇒高速道路から一般道に降りること。
「手づかみ」⇒荷物を手で積み下ろすこと。
「鉄の爪」⇒フォークリフトのこと。文字どおり金属製のツメで荷役することから。
「てんこつ」⇒高い場所。山頂などが該当する。
「ドッキリカメラ」⇒オービスを指す隠語。
「トンカチ」⇒仕事を休むこと。または無線を休むこと。
な行の無線用語
「波」⇒電波。
「ニューヨーク」⇒風呂に入ること。「入浴」とかけた洒落。
「ネックレス」⇒タイヤチェーンのこと。
「乗っかり」⇒高速道路に乗ること。
は行の無線用語
「ハイジャック」⇒高速道路に乗ること。
「パンダ」⇒パトカーを表す隠語。どちらも白黒であることから。
「左巻き」⇒左折すること。
「ひっつきもっつき」⇒渋滞などで前後に並んでしまい、電波を出せない状態になっていることを表す言葉。
「ぶっちゃけ」⇒ダンプのこと。
「プラス」⇒荷物を積み込むこと。
「平行スライド」⇒追い越しのこと。
「ぽんぽこチャージ」⇒食事することを表す隠語。
ま行の無線用語
「マイナス」⇒荷下ろしすること。
「マル」⇒了解の意。
「マルマル」⇒「良い」という意味。
「右巻き」⇒右折すること。
「耳が悪い」⇒無線の受信感度が悪いこと。
や行の無線用語
「館」⇒家。
「やっちゃば」⇒市場のこと。
「やみやみ」⇒具合が悪い状態。
ら行の無線用語
「ラッパ」⇒クラクションのこと。
「ランデブー」⇒一緒に走ること。
「リタイヤ」⇒トラックが故障して仕事に使えなくなること。
「ルート0号線」⇒裏道のこと。
「レジャッコ」⇒レジャーカーの略。自家用車。
わ行の無線用語
「ワシントンチャーリー」⇒トイレの意。どちらも「W.C」であることから。ちなみにトイレの「W.C」は本来「water closet」の略称。
「ワンカップ」⇒トラックに同乗すること。
英行の無線用語
「045(ぜろよんご)」⇒トイレの意。
「1010(てんてん)」⇒さよならの意。
「4649(よんろくよんきゅう)」⇒「よろしく」の語呂合わせ。
「4畳半」⇒4トン半のトラックのこと。
「4番テーブル」⇒首都高4号線のこと。
「AC」⇒アルコール。
「BF」⇒「悪い」の意。
「FB」⇒「良い」の意。「Fine Business」の略。「エフビック」と言われることもある。
「QR」⇒渋滞のこと。
「Sメーター」⇒スピード違反の取り締まりのことを指す隠語。
無線でのやり取りは携帯電話の普及で減少している
実は、無線を使ったドライバー同士の会話は近年になって減少している傾向にあります。
なぜかと言えば、まずは違法電波の取り締まりが強化されたため。そして最大の理由は、携帯電話やスマートフォンが普及したためです。
わざわざ車載の無線を使わなくても、個人個人が持っている(会社支給のものかプライベートのものかは置いておくとして)電話でやり取りができてしまうわけですね。
もっとも、機器が無線から携帯電話に変わったからといって、そこで使われる言葉までが変わることはありません。
先に挙げたような無線用語は今でも現役ですので、ドライバー同士で円滑なコミュニケーションを図るためにも覚えておいて損はないと言えるでしょう。
無線は電波法を守って楽しもう!
先程「違法電波の取り締まり」について触れたのでお察しの方もいらっしゃると思いますが、無線は何の制限もなく使用できるわけではありません。
その制限が「電波法」です。電波法は「放送法」「電波監理委員会設置法」と並んで「電波三法」の一つに数えられる法律で、主に無線について定めています。
代表的なのは「通信の秘密」を規定した第59条でしょう。無線を使うにあたっては電波法を遵守しなくてはいけません。
楽しむにもまずは法律を守ることが大前提ですから、電波法の知識も頭に入れておくと役に立つかもしれません。
まとめ
皆さん、いかがでしたか?無線を使うか携帯電話やスマホを使うかはともかくとして、ドライバー同士でコミュニケーションを取るには専門用語や隠語を把握しておくことが大事です。
仲間内なのに会話が通じない、という状態に陥ることを避けるためにも、この記事で紹介した言葉は最低限覚えておいてください。