積載率とは?積載率向上で輸送効率の改善に取り組みましょう
物流業界において人手不足と同様に問題視されているのが積載率の低下です。現在の平均積載率は40%程度であると言われており、多くのトラックが荷物よりも空気を輸送していることが分かっています。
そんな積載率を改善することは業界全体にとっても、事業者においても重要な課題であることは間違いありません。そこで今回は、気になる積載率について詳しくご紹介していきたいと思います。
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積載率って何?
積載率というのは輸送効率を表す指標の一つです。トラックにはそれぞれ最大積載量というのがありますが、全てのトラックが最大積載量で荷物を運んでいるわけではありません。
そのため実際に積んだ貨物の重量の比率を算出しなければ正しい輸送効率が算出できません。トラック一台の最大積載量に対してどのくらいの荷物を運んだのかを算出したものが積載率なのです。
例えば4tトラックに100%の積載率で貨物を輸送したとしても、帰りの荷物が空っぽの場合は0%となってしまうのです。
積載率の計算方法について
積載率を計算する方法をご紹介いたします。計算式をもとにトラックの積載率を算出します。計算式は以下の通りです。
積載率(%)=積載重量 ÷ 最大積載重量 × 100
この計算式で積載率を算出する事ができます。では実際に例を使って積載率を算出してみましょう。
【例】10tトラックで8tの荷物を積んだ場合の計算式の場合だと、8000÷10000×100=80%という計算になります。ただし行きと帰りで計算すると積載率は変わります。
積載率低下の理由
積載率が低下する大きな理由は顧客のニーズが多様化している事が第一の理由です。当日配送の要望があったり時間指定などがあるとどうしても少しの荷物で輸送しなくてはならなかったりするのです。
そうなると稼働率が下がってしまうのです。さらに少ない荷物を輸送する事によって運賃を下げざるを得なかったり、多くのニーズに対応するためにドライバーが不足してしまったりもするのですね。
今後はドライバーの高齢化が進む事が予想されていますので、今のうちにこれらの積載率低下の問題を何とか改善するしかないのです。
では積載率を上げるためにはどのようにすれば良いのでしょうか?具体的な方法をご紹介いたします。
積載率を高めるために出来ること
積載率を高めるにはいくつかできる事があります。すぐに効果を発揮するものではないかもしれませんが、徐々にその効果を実感できるようになるでしょう。
積載率の平準化
まずは積載率を平準化する必要があります。平準化するためには積載率が90%のトラックと、積載率が40%しかないトラックの貨物を平準化する事で積載率は高まります。
もちろんそのために無理なルートを決めなくてはならないのでは意味がありません。燃料代などの問題を考慮して行う必要があるでしょう。
詳細な運行管理
まずは自社のトラックがどこでどのような事をしているのかを把握しておかなくてはなりません。しっかりと把握しておけば急ぎの荷物が入った時に、最も近い場所にいるトラックを呼ぶ事ができるからです。
そうすれば無駄な時間のロスや燃料費のロスが軽減され、積載率が向上する事につながっていくのです。
荷主との協力
積載率を高めるためには荷主に理解と協力を得る必要があります。自社だけでなんとかなる問題ではないからです。例えば集配日を変更してもらい荷物の量を調整していただくなどの協力をお願いするのです。
理解と協力があれば積載率を向上させる事が可能となり、少しずつ無駄が無くなり事業所全体の積載率の向上が見込めるわけです。
積載率向上に寄与する求車システム
一般的には事業者と荷主とが直接契約を結び荷物を輸送するものですが、それだけだと荷主の荷物が少ない時に少ない荷物で輸送しなくてはならず、結果的に積載率が低下してしまうものです。
ですが求車システムを導入する事によって、より多くの荷物の輸送を可能にします。求車システムというのは荷主と運送事業者の橋渡しをしてくれる情報ネットワークなのです。
例えば行きに少ない荷物であっても求車システムを活用し、帰り荷を増やす事ができれば積載率は自ずと上がっていきます。こうしたシステムを上手に活用する事も重要なポイントです。
積載率だけではなく実車・空車率、稼働率の割合も重要!
事業をする上で大事なのは積載率だけではありません。
- 空車率
- 実車
- 稼働率
などの割合も重要になってきます。できればトラック全てがまんべんなく荷物の輸送が行えた方が良いわけです。
これらの輸送にかかる指標も重要になってくるので、空車率を減らし稼働率を上げる努力も必要になるのですね。
もちろん稼働率が上がるだけではどうにもなりませんので、燃料費と時間のバランスも考慮した輸送を行えるよう工夫が必要になります。
まとめ
今回はトラックの積載率についてご紹介いたしました。
積載率とは何か?積載率はどのようにして計算するのか?いかにして積載率を上げるかの方法を実践する事も大事ですが、やはり効率良く事業を行うなら稼働率などのバランスの取れた運営ができるよう工夫してみると良いでしょう。