大型トラックの種類/車軸/ブレーキ/荷台を軸数や種類別で解説!
2019/02/13
大型トラックには色々な種類があり運ぶ荷物も様々です。
大型トラックドライバーへの転職を考えている方は、「大型トラックドライバーになると給料はあがるが、大型トラックにはどんな種類があり、どんな荷物を運んでいるのか」気になるのではないでしょうか。
そこで、この記事では大型トラックにはどういう種類があるのか、小・中型トラックとの違い、運ぶ荷物などについて詳しくお伝えしたいと思います。
Contents
大型トラックの種類
それでは、「大型トラック」と呼ばれるトラックには、どういう種類があるのかを見ていきましょう。
平ボディー
荷台部分がフラットになっている、屋根のない一般的な車両です。荷台の両側と後ろに「アオリ」と呼ばれる壁がついていて、これを外側に開くことができます。
そのため、荷物の形状を選ばずにあらゆる用途に使えますが、積荷の落下への対策が必要です。
また屋根がないので、雨の日は濡らしてはいけない積荷にはシートを掛けなければなりません。
バン
荷台が箱型になっていて、後ろにある観音扉を開けて荷物を積み降ろしする車両です。
平地ではなくホーム着けでの積み降ろしに適しているので、主に常温の食品や宅配の路線便などで使用されます。
多くの場合はカーゴ台車と呼ばれる台車積みかバラでの積み降ろしですが、「ジョルダー」という道具でパレット積みできる車両もあります。
冷凍冷蔵車
荷台は箱型で断熱構造になっており、搭載された冷凍/冷蔵ユニットで荷台の温度を制御できる車両です。
キャビン内に荷台の温度のモニターが付いているので、冷却機能の異常にすぐ気づくことができます。また、窒素ガスなどを使用して冷却する車両もあります。
主に食品の運搬で使用されますが、冷蔵車は医薬品の運搬にも使用されています。
ウィング車
箱型の荷台の両側が翼のように開く車両です。バラ積み、パレット積みのどちらでも使用できますので、あらゆる用途で幅広く使用されています。
特に「段積み」と呼ばれる2段・3段のパレット積みができるので、一度により多くの荷物を運べます。
また、片側のウィングを大きく開けて野外ステージなどにも利用される車両です。
特殊な大型トラック
大型トラックの中には、特定の用途で利用するための特殊な車両もあります。特殊な大型トラックの種類と用途について説明いたします。
ダンプ
荷台を大きく傾けることによって、積荷を一気に落とすことができる車両です。よく見かけるのは土砂ダンプと呼ばれる車両で、主に建設・解体現場の土砂や砕石を運ぶ用途で使用されます。
荷台のアオリ部分が高く設計されている土砂禁ダンプもありますが、こちらは土砂の積載が禁じられており、主に産業廃棄物などの運搬に使用されます。
ミキサー車
生コンクリートを運搬するために使用する車両です。生コンクリートはそのまま運ぶと成分が分離してしまうため、走行中も攪拌し続けることによって分離を防ぎます。
狭い現場にS字バックで入っていくことも多く、高度な運転技術が必要とされます。また、どんなに悪天候でも毎日ドラムの中を洗浄しなければなりません。
タンクローリー
液体や気体、固体などを運ぶ車両です。タンクの中は何室かに仕切られていて、種類の違うものを一度に積むことができます。
積荷によってタンクの種類や機能が違い、「危険物ローリー」「非危険物ローリー」「高圧ガスローリー」に分けられます。
運ぶものによって危険物などの免許が必要になりますが、取得支援をしている会社も多くあります。
バルク車
正式名称を「粉粒体運搬車」といい、その名のとおり「粉粒体」を運ぶための車両です。
積荷はバラセメントや石灰、プラスチックの原料となるポリプロピレンなど、さらには小麦粉やグラニュー糖から家畜用の飼料まで、さまざまな粉粒体の運搬に使用されています。
その構造により「ホッパー車」「エア車」などの呼び名があります。
大型トラックを運転するために必要な免許
大型トラックを運転するためには、大型自動車運転免許の取得が必要です。
大型自動車運転免許の取得条件としては、
- 21歳以上
- 普通免許以上の取得期間が3年以上
- 視力は左右で0.8以上、片目で0.5以上
- 距離感を測る視力検査(深視力)の合格
などの条件があります。
その他にも、タンクローリーで危険物や毒物、ガスなどを運ぶ場合は、大型免許の他にそれぞれの取扱資格が必要となります。
大型トラックのブレーキの種類
大型トラックは、車種によってブレーキの種類も異なります。代表的なブレーキの特徴をご紹介します。
エアブレーキ
普通乗用車のような油圧ではなく、空気を圧縮して車両を制御する制動装置です。
大型車のように重量のある車両を制動するには、大きな力が必要なため、液体よりも圧縮率の高い空気を採用したのがエアブレーキです。
排気ブレーキ
ディーゼル車に特有の、エンジンブレーキの効果を高める補助ブレーキです。
排気管の中にある弁を閉じることで排気の流れを抑えて、エンジン内のピストンを動きにくくすることで、エンジンの回転を抑えます。
リターダー
エンジンブレーキや排気ブレーキよりも、大きな制動力を持った補助ブレーキです。
プロペラシャフトの回転そのものに抵抗を与えることで減速する仕組みになっており、LPGなどの非ディーゼル車の普及により注目が集まっています。
大型トラックの車軸数
大型トラックの種類の話のときに、「前1軸・後2軸」や「6×4」、「ワンデフ」などの言い方をするときがあります。
これらは、トラックの車輪の数と駆動数を表しており、積載量などが変わってきます。
前1軸・後2軸
大型トラックの標準的な駆動方式で、前の1軸で操舵をし、後ろの2軸で荷重を支えます。タイヤが大きく荷台の床の高さが高くなるため、「3軸高床(こうしょう)」などとも呼ばれます。
後ろの前1軸のみが駆動する1デフは主に一般貨物で使用されることが多く、後ろの2軸とも駆動する2デフはダンプやミキサーなど、悪路を走る車両として使用されます。
前2軸・後1軸
前後均等に重量バランスが取れるため、タンクローリーなどに多く採用されています。
また、ホイールベースが長く安定性が良いので高速長距離輸送にも適しており、大手宅配会社の路線便でも使用されています。
前2軸・後2軸
「4軸低床(ていしょう)」と呼ばれ、タイヤサイズが小さいことで荷台の床が低くなるため、3軸高床より荷台のサイズが大きくなります。
より多くの荷物を運べるため、近年では多くの運送会社で採用されています。
重心が低くなるので安定性が高いというメリットがありますが、タイヤの数が多く12本もあるため、コストは高くなりがちです。
大型トラックの用途
大型トラックは、中型・小型トラックに比べて圧倒的に多くの荷物を一度に運ぶことができます。
拠点から拠点への移動も多く、必然的に中・長距離を走ることが多くなり、片道だけでなく、その大きな荷台を無駄にしないためにも、帰り荷と呼ばれる復路での荷物も運ぶことになります。
そのため、長時間の運転が想定される車両のため、乗り心地は中型トラックよりもずっと快適なものとなっています。大きさに慣れてしまえば、とても乗りやすいトラックです。
まとめ
このように大型トラックはあらゆる場面で活躍しています。
その用途にはかなり大きな幅があり、ひとくちに大型トラックといっても、積荷によって実にさまざまな車両があります。また、必要な資格だけでなく、就業時間や休日にも大きな違いがあります。
しかし、輸送量の多さや長距離が多いことから、給与は一般的に高い傾向にあります。ぜひ、より年収を高めたい方は大型ドライバーへの転職を検討してみてください。